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女公爵クルシェ嬢 校内のカフェで社交を説く

学園校舎の学生用のカフェのテラス。

強くなり出した日差しを、程よく遮るシェードの下。通り抜ける風は心地良い。

昼を少し前にしたこの時間。

私は、一仕事を終えた充足感を噛み締めていた。

ほっと息をつくのでは無く、「良くやった私!」と、悦に入るといったところだろうか?

昨日の今日。お付き合いのあるご令嬢方に、帰宅前の時間を頂き、心ばかりのお茶の席を設けたのだった。

取り寄せた冷菓を堪能して頂き、少しの好奇心を埋めてもらい、焼き菓子を手土産にお帰り頂いた。

レミーネを始め学園に通う兄妹が、カフェの給仕と共に片付けをしている。

別に、兄妹を冷遇している訳では無い。

グラスや器の片付けられたテーブルの椅子を綺麗に並べたりとかの、ちょっとしたお手伝いだ。


そんな彼女達を見るとも無しに見ていると、騎士服の一団が現れた。

アレックス殿下と側近のイヴァン様とレイン様を含むその一団は、私に気付くと、此方へと向かって来た。

別の方向に進路を変えて貰えないだろうか?

気付いて無い振りも出来そうも無いので、立ち上がってご挨拶をと頭をさげた。

テーブルまで来たアレックス殿下が、座る様にと言ったので、殿下の着席を待ってから腰を下ろした。

イヴァン様もレイン様も座ってくれたので、ホッと息をつく。


「昨日の内に屋敷へと帰ったと思ったが、態々お茶会か?」

「ええ。必要がありましたので。処で、アレックス殿下におかれましては、御多忙と思われますが、何故…学園に?」


何で態々来たのだと、態々返し!

アレックス殿下は、グッと詰まって苦く笑う。


「昨日の事を話たいと、屋敷へと使いを送ったんだが…まだ学園だというから迎えに来た」


それこそ学園に使いを送ってくれれば良かったでは無いか?

ふふふ…と、色々を込めて微笑む。

レミーネが近くに立ち、様子を伺っている様なので、此方へと呼ぶ。

アレックス殿下に紹介しても? と、お伺いを立て、レミーネ達を紹介する。

先程のお茶会でもした事だが、関係性の説明だ。

アレックス殿下は、昨日の大泣きレミーネを見ていたからか、「もう大丈夫か?」と声をかけていた。


「レミーネは異母妹ですけど、2人は他の異母兄妹の親類となりますわ」


レミーネに並ぶ2人を紹介する。


「異母兄妹の親類は、学園に後1人おりますの」

「…色々あるだろうが、仲良くな」


何ですか?  その言葉は…。

もういいです。殿下相手に緊張している3人が気の毒なので、切り上げる為に給仕を呼ぶ。

給仕の手には、先程御令嬢方に提供した冷菓。ワインゼリーとレモンシャーベット。殿下方の前に出して貰う。私にはレモン水。


「冷たい内に是非お召し上がりになって」


さぁ、溶ける前にどうぞ!!

アレックス殿下がスプーンを手にするのを待って、レミーネへと声を掛ける。


「この後、王宮へ寄らなければならないみたいなの。だから、皆と一緒に先に帰ってくれる?  後は、給仕の方にお願いするし、ここは大丈夫だから。…2人も、今日はありがとう」

「はい。お先に失礼させて頂きます」


殿下方にも挨拶をして下がっていった。

後ろ姿を何となく見送っていると、アレックス殿下が唸る。


「こんなのメニューにあったか?」


アレックス殿下が、イヴァン様とレイン様に聞いている。

ふふふ…。ありませんのよ。食材を持ち込み、厨房と連携を取り、氷を砕き器に敷き詰め、改めてゼリーとシャーベットを配した器を乗せたこの一品。 おしゃべりで食す手が止まっても、暑さでダレる事無く口元に涼しさを届けるこの逸品。

公爵家の威信を賭けましたの。

私の中では、威信と書いて見栄と読む。が、大した違いは無い。どの家でもしている事だから。


「何でこんな物まで用意してるんだ?」


メニューで無く持ち込みだと言うと、少し呆れた様に言われた。

こんな物とは何です?  美味しいでしょ?  美味しい物の前に、多くの言葉は要らないのですよ。

日差しの中、色彩を喪ってゆくクリームを乗せたケーキと比べて、キラキラしくも光輝くこの一皿の中にどれだけのロマンが詰まっているのか…お分かりにならないのだろうか?

ゼリーもシャーベットも、別に珍しくも無い。学園に無いメニュー。この時期ならではの贅沢な味わい方。…それだけだ。

だから、簡単な言葉で言ってしまえば…


「社交です」


完結に述べてみる。

首を傾げるアレックス殿下。

何だろう?  昨日もそうだけど、察しが悪いです。

殿方は、女の社交に疎くてらっしゃる。ですがね、殿下方だって男の情報収集戦をなさっていると思いますのよ?


「昨日のダンス会の時にする事だったのですけど…速い話、情報収集です。自分のドレスの事だったり、知り合いの方の事だったりの話です。私も、この夏社交デビューの予定ですし、お友達同士知ってる事を共有しあいますのよ」

「必要なのか?」

「必要ですよ」


レモン水を1口。喉を潤す。


「それに、昨日の事もあります。エリアナの事はもう仕方の無い事ですけど、在学する兄妹の事を知らせておく事で、レイナード家への無用な憶測を減らしたかったのですもの」

「五家連名で無くて良いのか?  昨日決められなかったから、レイナードの独断か?」

「はい?」


独断とは人聞きの悪い。

出来る王子かと思ったが、駄目な王子なのかしら?


「五家連名とは別です。連名は、誤解が解け、和解しましたという事をアピールする一つの方法ですわ。そう言えば、王家の方ではどの様なお考えですか?」


暗に…別の対応をするのか聞いた。


「これは、公爵家としてというか…ハロルド・アーデンテスの娘としてですの。父の庶子への扱いを公示しておけば、煩わしい事も少なくて済ます。これは…学園内だからの方法ですわ」


そう話を切った。

空の器。席を立つタイミングだ。


「美味かった。社交…?  でなくても、こうして食すのも悪くない」

「確かに。思わず、良い思いが出来ました」

「「ご馳走様でした!」」


イヴァン様とレイン様からも、美味しいを頂きました。良かったです。

嬉しくて、ニッコリしてしまう。

アレックス殿下から「あ~」と聞こえて見ると、


「兎に角、その…説明も済まなかったな。悪いが、このまま王宮へでいいか?」


良いも悪いも、その為に来たのですよね? 「はい」としか言えないでは無いかと立ち上がる。

給仕の元へと向かい、テーブルのあと片付けを頼む。

ご令嬢方に配ったお土産用の焼き菓子を4つ取り、残りは皆で分けて下さいねと言っておく。

持ち込みのお茶会に対応して貰ったお礼だ。

冷菓も多少残っているだろうから、楽しんで貰いたい。

手にした焼き菓子は、護衛の騎士に渡す。冷菓を楽しんで貰いたかったが、職務上それを勧めるのははばかられたので…せめてです。

では行きましょうかと、アレックス殿下を見る。何でしょうか?  物言いたげです。今食べましたよね?  間もなくお昼ですし、お腹が空いているのでしょうか?  食べるなら、貰ってきますよ?

隣に立って見上げたら、溜息をつかれた。

エスコートの為なのか、右手を出されたので、左手をチョコんと乗せた。

歩き出して思ったのだが、校内でエスコートは必要なのだろうか?

必要…無いですよね?







「クルシェ嬢?」

「何でしょう?」

「カフェでああいった事は良くするのか?」

「お茶会ですか?」

「…そうだ」

「しますね。普通に利用してますよ」

「だが、あれは学園の職員だろ?」

「あぁ。それは、場所や給仕の貸出を、学園側にお願いするのです。お手伝い下さる方に、多少のお礼金を包む事にはなりますが」

「そうか」

「お誕生日会とかも。アレックス殿下、ご利用された事無いのですか?」

「自分の誕生日会でか?」

「あっ。誘われた事は…という意味ですが…。申し訳ございません」

「何で謝る」

「いえ。王家の方を学園のカフェに誘う者など…。先程は失礼致しました」

「あやまるな…。楽しかった!」

「それは…良かったです」

「クルシェ嬢は、誰かの誕生日とかをカフェで祝った事があるのか?」

「学園に居る期間に、兄妹の誕生日があれば使わせてもらいますわ」

「…そうか」

「…アレックス殿下?」

「何だ?」

「殿下がご出席に興味がおありと知れれば、誘う者も居ると思いますのよ?」

「…そう…だな…」


ゆる~くなんちゃって洋風で行けるかな?。取り敢えず書き始めてしまえ!!。と、行き当たりで初めてしまいました。あ、ここどうしようと、この時点で戸惑ってしまう事が目立ち始めました。読んでいただいて、どうゆう事?。と思われる事があるかもしれません。それでも、勢いでも書いて行きたいと思ってる自分が居ます。一つブクマの数が増えるのを見ると見付けて貰えた喜びが溢れます。

読んで頂き、ありがとうございます

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