107話 アンの手札
アン
さてさて、準備は概ね整った。
お姫様が外に出ている今は暗部が活発ではあるものの、キキョウさんとシャーロットさんのおかげでそこまで大きな問題はない。
後は多くの冒険者を動かすための後ろ立てへの交渉カードだが…
「ん? 私の顔に何かついていますか?」
この通り、現在は私と行動を共にしてくれている。
「いいえ。特に問題はありませんよ。それよりもそろそろ手配しておいたものの準備も整いますから、回収に行きましょうか」
「手配しておいたもの?」
「はい。きっと驚かれると思いますよ」
別にこれを用意する必要は無かったのだが、この後の交渉相手は大陸有数の商会の主だったり、大陸のみならず世界中に大きな影響力を持つ組織の幹部だったりと、見栄を張ってもなお足りないぐらいの相手ばかりなのだ。
このぐらいの散財は目を瞑っても問題はないだろう。
「それに、フーマ様はこういうのが好きだろうしね」
「おいアン。移動するなら早くしてくれ。いくらなんでも殺さずに維持するにはキツくなってきた」
「はいはい。それじゃあ行きましょうか」
それにしてももっと早くに邪魔をしてくると思っていた彼らが全く動きを見せないんだけど、いったいどういうつもりなのかな。
そんな疑問が解消されたのは、最低限の旅支度しに行ったミレイユさんと別れてから1時間後のことだった。
「………はぁ」
「ウフフフ。この状況でため息とは、随分と余裕なのね」
「余裕がないからため息をついたんだよ」
「流石にタダで逃げられるとは思っていなかったみたいだけれど、まさかこんなものまで用意していたとはね」
グレイブ、又の名を腕落としと呼ばれる鬼が、私が用意しておいた魔力回転式自動車を軽く叩きながらそう言う。
別に彼らから逃げるためにこれを用意した訳ではないのだが、どこで私がこれを手配した事を聞きつけたのか、先回りしてここで待っていたらしい。
ラングレシアの追手を私達が巻いたタイミングで再度接触して来るあたり、油断ならない相手である。
「私の方には殺される理由が無いんだけど、それでも殺すの?」
「殺す理由ならあるだろう? 君は賢すぎる。そこの研究者くんを連れて来る途中に暗部に消されると思っていたのに悠々とこなしてみせるなんて、どうかしている」
「それを言うなら、そこのビクトリアとかいう魔女のほうがおかしいんじゃないかな」
「魔女だなんて、私には何の力もなくってよ」
「どうだか…」
「………まぁ、それはさておき。君にはここで死んでもらおう」
「……アイダシズネ」
私に剣を向けていた腕落としの動きがピタリと止まる。
「アイダシズネ。幼い頃にジェイサットにて呼び出された日本人。召喚者は当時のジェイサットの魔王だが、後にとある神によって回収されて行方を眩ませる」
「……………なるほど。それが君が余裕を見せるわけか」
「何をちんたらやっているのかしら? 貴方が殺さないなら私が…」
「おっと。お前の相手は私だ」
「ウフフフ。久しぶりね」
「おいお前。キキョウたんに馴れ馴れしいぞ」
私が合図をするまでは隠れていてと言っておいたのに、命令を無視して二人の護衛が戦闘を始める。
これじゃあ交渉失敗した時に私を守ってくれる人がいないじゃん。
「それで、その話をおじさんにするっていう事は、おじさんの過去を知っているって事で良いのかな?」
「まぁね。あの惨状の中から生き残りを探すのは大変だったけれど、貴方がジェイサットを見殺しにしたっていう情報はある程度掴めているよ」
「あぁ、なるほど。なるほどね。要は、共通の敵に対して手を組もうってわけか」
「ううん。私にとって、件の神は敵ではないよ。だって私、かなり弱いし」
「なら、どうしてここに来たんだい? 君の事だ。僕達がここで待ち伏せている事ぐらい、把握していたんだろう?」
「理由はいくつかあるけど、一番は道を増やすためかな」
「……どういう意味だい?」
「何がなんでも前に進まなくちゃいけない時に、踏み外すための道を用意しておいた方が、何かと融通が効くでしょう?」
「確かに、勇者の従者が魔族や悪魔と手を組むのは道を踏み外す行為ではあるだろうね」
「で、どうする? 正義の味方でも、悪党でも、復讐者でもない外道と手を組む気はある?」
「……きみ、碌な死に方をしないよ」
「知ってるよ。とりあえず、明日の朝までにはジェラルド邸についておきたいから、さっさとそれに乗っちゃって」
「はいはい。お〜い。ベルベットちゃ〜ん。おじさん、アンちゃん達と手を組む事になったから、その辺で切り上げてこれに乗っちゃって〜」
「は、はぁぁぁぁ!!? 貴方、気が狂ったのかしら!?」
さてと、後は……
「どうしました?」
「別に何でもなくってよ。ただ、どうやって彼を動かしたのかは気になるわね」
「ビクトリア・メンフィスさん。貴方はコミュニケーションに対して異様に特化しているみたいだけれど、人から情報を得るのに口を開く必要は無いこともあるんですよ。……そうそう。車の中に、貴女の好きなワインを置いておきましたから、自由にどうぞ」
「……あまり見透かされるのは良い気分ではないわね」
「そうですね。ですので、私と貴女は出来るだけ無干渉でいきましょう。特別に、フーマ様へのちょっかいも見逃してあげますから」
「分かったわ。確かにそれが良さそうね」
単純な武力であればある程度どうにか出来るが、交渉や心身操作ともなれば私も警戒しないわけにはいかない。
こちらには嘘を見抜く力を持つミレイユさんがいるとは言え、彼女にはこれから任せたい事が多々あるし、余計な気苦労を与えるわけにはいかないのだ。
「おぉ〜。これが魔力回転式の自動車なんですね! 初めて見ました!!」
「良かった。迷わずに来れたみたいですね」
「まさか難民街にこんなところがあったとは知りませんでしたけど、道自体はそこまで複雑ではなかったですからね」
うん。やっぱりミレイユさんにはこのまま、元気なお姉さんでいてもらわないとね。
◇◆◇
アン
魔力回転式自動車を誰が運転するかで揉めつつも、街道の側をかっ飛ばすこと1日強。
私達はラングレシア王国の商人であれば、どころかこの大陸の商人であれば知らない者のいないとある豪商の屋敷に来ていた。
「ふぅ。ようやく着いたね」
「はぁ……どっと疲れたよ」
ここまでの道すがら、ベルベットを宥め続けていた腕落としがそう言いながら運転席の背もたれに体重を預ける。
この調子だとしばらくはそっとしておいた方が良いだろうし、ここからは私達だけで行くとしよう。
「キキョウさん、シャーロットさん。ここからは礼儀正しくお願いしますね」
「面倒」
「…………」
「………分かった。分かったからその目はやめてくれ」
「おい小娘。キキョウたんを怖がらせるな!」
「別に怖がってない! それと、隙あらば抱きつこうとするのをやめろ!」
さて、この二人はこれで良いとして後は…
「ミレイユさんはどうしますか?」
「うう……。まさかこんな事になるとは」
「辛いなら、休んでいても良いですよ?」
「大丈夫ですよぉ……」
車酔いにやられて明らかに大丈夫には見えない顔色のミレイユさんがそう言いながら降車するが、ベルベットやビクトリア達と共に待たせるのも可哀そうだし、一緒に来てもらった方が良さそうである。
「あまりにも辛かったら言ってくださいね」
「ふふふ。大丈夫ですょ…」
そんなこんなでいつも通りに騒がしい二人といつもとは異なって元気のないミレイユさんと共にジェラルド邸の扉の前までやって来たのだが……。
「どうした? 入らないのか?」
「……普通、誰の案内も無く扉の前まで来れる事は無いんだよ。基本的に、門番に止められるからね」
「別に来れたんだから良いだろ?」
「………ミレイユさん。ここからは出来るだけ私の側にいてください。それとキキョウさん、シャーロットさん。礼儀はもうどうでも良いです。常に戦闘態勢を維持してください」
「分かった」
「ああ。良いだろう」
いつもならここで一悶着あるところだが、護衛の二人も私の顔を見て何かを感じ始めたのか、それぞれ拳と剣を構えて屋敷の中へ入る。
屋敷の中は広く掃除も行き届いているようだが、人の気配はかなり薄く、私達の足音がかなり遠くまで響いている。
「まずは人を探してみましょう。きっと奥に行けば誰かしら…」
「いらっしゃいませ。本日はどういったご用件でしょうか」
一先ずの方針を出そうとしたところで、これといった特徴のない老執事が現れて私達に話しかけて来る。
キキョウさんやシャーロットさんを見る限りは敵では無さそうだが、この距離に近づくまで気がつけないというのはどうにも怪しい。
「パース・ジェラルドさんに会いに来ました」
「アポイントメントはお有りですか?」
「グレイブが来たと伝えください」
「あぁ、グレイブ様のお知り合いでしたか。どうぞこちらへ」
………とりあえずの繋ぎとして腕落としの名前を出してみたのだが、これはあまりにも上手く行きすぎている気がする。
彼は腕落としと既知の仲ではあるらしいが、名前を出しただけで大陸随一の豪商に会えるなんて事は普通はない。
「どうする? 殺すか?」
「案内してくれるそうですし、とりあえず付いて行きましょう。ただ、警戒は十分に」
腕落としやベルベット達とは一時的に共闘関係とは言えども協力関係にあるわけではないし、私の思惑を進めるには自分で動くしかないのだが、それでも一度引き返して彼を連れて来たい欲求にかられる。
しかしそんな私の思いとは裏腹に前を歩く老執事の足は淀みなく進み、とある一室の前で足を止めた。
「どうぞ。当主様はこちらです」
「………どうも」
私がそう返事をすると、老執事は一礼をして何処かへと去って行く。
これは何というか、ますます怪しい。
「はぁ……。仕方ないか」
ここで立ち尽くしていても仕方ないし、一度扉をノックしてみる。
「返事は無さそうだな」
「留守なんでしょうか」
「それは無いと思いたいですけど……シャーロットさん。開けてもらっても良いですか?」
「何故私が…」
「なら、私が開けるぞ」
キキョウさんがそう言うや否や扉を開け、中へと入って行く。
私とミレイユさんは一度顔を見合わせてため息をつきつつ部屋の中へ入ったのだが、想定し得る中で最悪の光景がそこにはあった。
「何だこれ? こいつがパース・ジェラルドか?」
「……はい。おそらくは」
そこにあったのは苦しみながら死んだのであろう一人の老人の亡骸だった。
胸にはぽっかりと大きな穴が空きおそらくこれが死因なのだろうが、不気味な点をあげるとすれば椅子に座ったまま殺されたのかのように、豪勢なデスクチェアに綺麗に腰掛けたまま死んでいる。
「血は完全に乾いているし大分前に死んだんだろうが、誰もこれを片付けようとはしないのか?」
「まさかさっきの執事さんが犯人じゃ…」
「どうですかね。兎にも角にも彼がこの様子では私のお願いは聞いてくれないでしょうし、とりあえず一度戻ってグレイブ達と合流しましょう」
「人が一人死んでいるのに、随分と冷静なのだな」
「胸は痛みますが、私が彼にしてあげられる事は何もありませんし、今はこれ以上の被害者を出さない事が先決です」
「ふん。嫌なやつだ」
「……ま、まぁ。とりあえず後でご遺体は適切に処置をしてあげるとして、今はとにかく外に出ましょう。何だかこのお屋敷、不気味です」
そうしてミレイユさんが執務室から外に出ようとしたその時だった。
キキョウさんがミレイユさんに向かって水魔法を放ち、それをモロに喰らったミレイユさんが壁に叩きつけられて息を漏らす。
「キキョウさん?」
「出てこいグリムラッゾ」
「やれやれ。やはり離叛したかスレイヴ」
その声と共に部屋の外から現れたのは、一人の青年だった。
紫煙色の髪に筋肉質な体、そして頭には二本の黒い角が生えている。
「おい貴様。私のキキョウたんに馴れ馴れしいぞ」
「ふん…」
グリムラッゾと呼ばれた悪魔の何らかの攻撃によって吹き飛ばされたシャーロットさんが、壁を破って飛んで行き姿を消してしまう。
これは…かなりピンチかな。
「随分と弱い雑魚とつるんでいるんだな」
「あいつはあのぐらいで死ぬほど柔じゃない。それより、何故お前がここにいる」
「知れたこと。この商会の長はしばらく前からこの俺だ」
「なるほどな。良かったなアン。グリムラッゾを殺せば、全部丸く収まるぞ」
「それは嬉しい話だけど、勝てるの?」
「その獣人の言う通りだ。俺が目をかけてやらねば死んでいた愚図に何が出来る」
「私を見捨ておいてよく言う」
「人に飼われる雑魚を切り捨てて何が悪い」
「よく口が回るな。相変わらず理性的に振るまう事が強者の余裕だとでも思っているのか?」
「なるほど。どうやら格の違いをもう一度教えてやる必要がありそうだなぁァァァ!! スレイヴゥゥゥゥ!!!」
「上等だ! グリムラッゾォォォ!!!」
そうしてキキョウさんとグリムラッゾと呼ばれた悪魔が激しい戦闘を始め、すぐ側にいた私とミレイユさんはその余波に吹き飛ばされながらも、どうにか戦場を離れて屋敷の外へと向かう。
「置いて来てしまって良いんですか?」
「あそこにいても足手纏いですし、とりあえず腕落とし達にどうにかしてもらうとしましょう」
「……彼ら、信用できるんですか?」
「信用はしてもらわなくても良いけど、これで少しは好感を持ってくれたりはしないかな?」
「………これは?」
廊下の角から現れた腕落としがゴロゴロといくつかの魔石を床に転がし、ミレイユさんがその正体を尋ねる。
「ついさっき、暗殺者の真似事をしていた悪魔が現れたから、ベルベットちゃんの世界に取り込んでもらって殺しといたんだけど、まずかった?」
「ううん。特に言う事はないかな。むしろついでにあっちの悪魔もどうにかしてもらいたいんだけど…」
「それが、ベルベットちゃんはあっちのグリムなんとかって悪魔とは知り合いっていうか、仲が悪いらしいから会いたくないらしいよ。おじさんもおじさんで古い悪魔を相手にするのは骨が折れるし、正直やりたくはないかな」
「そんなっ…」
「勝手に期待されても、ただのおじさんに出来る事なんて限度があるからね」
「……パース・ジェラルドが死んでるって事はいつから知ってたの?」
「僕が知ったのもつい…」
「嘘は良くないですよ」
「……はぁ。およそ二月前かな。連絡が取れなくなったからまさかとは思っていたけれど、よりにもよってグリムラッゾに狩られているとはね」
「あの悪魔を知っているの?」
「それはそこのお友達に聞きなよ。おじさんよりもむしろ、冒険者ギルド所属のその子の方が詳しいんじゃないかな」
「グリムラッゾは近頃の悪魔の活性化が起きる前から知られる裏では有名な悪魔です。なんでもいくつかの組織に深く干渉し、強力な悪魔を引き連れているそうですが……」
「ミレイユさん?」
「ベルベットはまさか…」
「そのまさかだよ。彼女とグリムラッゾと、君のとこのキキョウちゃんは旧い仲みたいだね」
あのボタンさんが気紛れで悪魔であるキキョウさんを手元に置いているはずは無いと思っていたが、どちらかと言うとそれをミレイユさんが知っていた事の方が驚きだ。
いくら仲が良いとは言え、あのボタンさんが一介の受付嬢にそこまでの事情を話すとは思えない。
「どうかしましたか?」
「ミレイユさん。グリムラッゾについてどこで知ったんですか?」
「冒険者ギルドとボタンさんから少しお聞きした程度ですよ」
「……信じて良いんですね?」
「少し冒険者ギルドの中でも特殊な立ち位置なだけで、基本的には皆さんの専属である事も、アンさんや皆さんのお友達である事も嘘偽りはありません」
「分かりました。そういう事であれば信じましょう」
「……アンさんはやはりフーマさんの従者なんですね」
「? どういう意味ですか?」
「いいえ。それよりも今は、キキョウさん達の方が心配です」
確かにミレイユさんがなんとなく得体の知れないのは今に始まったことではないし、ひとまずグリムラッゾというエラーを早々に取り除きたいところなのだが…。
「そうですね。……ベルベットは?」
「中に」
グレイブに促されて自動車の中を覗いてみると、機嫌の悪そうな顔でワインを呷るベルベットと、我関せずといった顔で同じくワインを口にするビクトリアがそこにはいた。
「グリムラッゾにキキョウさんが勝てる確率は?」
「ゼロよ。格が違うわ」
「それじゃあ、貴女なら?」
「……ゼロよ。付き合いが長いもの」
「なら、時間稼ぎをお願いしても良いかな?」
「嫌よ」
「貴方の相方も連れて行って良いから、時間稼ぎをしてくれる?」
「僕に言われても、ベルベットちゃんが動かないことにはねぇ…。それに、さっきも言ったけれど、古い悪魔を相手にするのは…」
「そっか。なら、私一人でどうにかして来るね。死んじゃったらごめんね。さようなら」
「あぁぁ、ちょっと待った! 分かった。分かったから、常人なら冗談だけれど君だけは冗談に聞こえない脅しはやめて! ベルベットちゃん。僕との契約に上乗せして良いから、力を貸してくれないかな?」
「………分かったわ。それで、勝算はあるのよね?」
「まぁ、ボチボチかな。あぁ、それと研究者を借りても良い?」
「貸してあげてもいいけど、壊さないでね?」
「はいはい」
本来ならば悪魔に加担して多くの人を苦しめた彼を生かしておく理由はないのだが、使えるモノを使わずして目的を見失うほど私は愚かではない。
「…………アンさん」
「うん? どうかしましたか?」
「…いえ。ただ、無理はなさらないでくださいね。私では頼りないかもしれませんが、私は専属受付嬢としてだけでなく、アンさんの友人としてもここにいます。何かお手伝い出来る事があるのなら、何でも相談してください」
私はそんなにも危うく見えるだろうか。
頭は十分に冴えているし、感情もしっかりと律している。
師匠の教えもしっかりと守れているはずだ。
ただ、それでも…
「そうですね。それじゃあ、ミレイユさんは私が人として大きく道を外さないように、笑ってフーマ様と再会出来るように最後まで見張っていてください」
私はおよそ善人と呼べる獣人ではないが、それでもフーマ様の従者であることに違いはない。
それがどんなに合理的でなかろうと、大きな損害を被る事になろうと、決して彼に顔向け出来ないような選択だけはしてはならないのだ。
「折角やるならフーマ様みたいにズル賢く、臆病に、そして格好良くやるとしましょう!」
そうして私は足を動かし続ける。
これは決して日の下に広く知られる事はない、勇者に憧れるただの少女の物語だ。




