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111話 家族会議

 風舞




 拝啓 日本に残して来た母さん。

 俺は今、人生で初めて結婚のお誘いを受けています。


 お相手の女性はトウカさん。

 エルフのお姉さんでエルフの里では巫をしていらっしゃる高貴なお方です。

 俺なんかにはもったいないくらい美人で素敵な女性です。



「よかったわねフーマくん。トウカさんみたいな美人な方をお嫁さんに出来るなんてそうない事よ」

「そうじゃな。トウカは妾と違って料理を含め家事全般をこなせるし、器量もバッチリじゃろう」

「トウカ様。いえ、奥方様。フーマ様をよろしくお願いします」



 舞とローズとシルビアが口々にお祝いのメッセージをくれた。

 一見すると和やかで幸せな一幕に見えるかもしれない。


 けど、けどさぁ……。



「怖い! 怖いよ! マイムもミレンも笑顔でそういうセリフを言うならもうちょっと殺気を抑えろよ!」

「何の事じゃ? こうして大人しく椅子に座ってフーマの門出を祝ってるじゃろう?」

「いやいやいや、なんか赤いオーラみたいなの出てんじゃん! ていうか、マイムに至ってはなんで抜き身の刀を持ってるんだよ!」

「この子がお腹を空かせていたからご飯をあげようと思ったのよ」

「え? お腹を空かせてるって俺を食べさせるつもりなのか!? 眉間に突き付けてきたって事はそういう事なのか!?」

「ふふふ。オーキュペテークイーンとの戦闘でこの子の事も大分分かってきたのよね」

「それってどっち!? あと、シルビアは何で床に突っ伏してんだよ!!」

「あぁ、これはダメだね。現実を直視出来なくなっちゃってるよ」

「あぁ、フーマ様とトウカ様のお子様は可愛いらしいですね。え? これを私にくださるのですか? ふふふ。ありがとうごいます」



 うわぁ、シルビアがどこか俺の知らない世界を覗き始めちゃったよ。

 床に突っ伏しているから尻尾が力なく垂れているとのがよく見える。



「はぁ、それでどうして俺がトウカさんと結婚するって話になったんですか?」



 もうこれ以上は俺の命とシルビアの精神が危ういと思った俺は舞の突き付けてくる刀を手で振り払ってターニャさんに話を振った。

 俺に尋ねられたターニャさんが頰をかきながら苦笑いを浮かべつつ質問に答える。

 おそらく自分の発言でとんでもない状態になった事に責任を感じているのだろう。



「えぇっと、どこから話したら良いかなぁ」

「ターニャでは説明役としてイマイチですので、私から説明させていただきます」

「ちぇー。確かにそうかもだけど、流石にそれは酷くない?」

「はいはい。分かりましたから少し大人しくしていてくださいね」



 トウカさんがターニャさんの頭を優しく撫でながらそう言った。

 ターニャさんは唇をとがらせつつも満更でも無い顔をしている。

 急にこの2人の仲がよくなった気がするんだけど、一体何があったのだろうか。

 その内時間がある時にでもゆっくり聞きたいな。

 そんな事を考えながら姉妹の微笑ましい様子を見守っていると、俺の視線に気がついたトウカさんが少しだけ頰を赤くしながら居住まいを正した。



「では、まずは事の発端からお話ししましょう」



 そうして、トウカさんによって数十分前のトウカさん一家とターニャさん一家による家族会議の内容が説明された。

 ていうか、何で舞とローズは俺の両隣に移動して来たんだ?

 俺が座ってる椅子は1人掛けだぞ?

 っておいおい。

 2人揃って俺の膝に座るんじゃないよ。




 ◇◆◇




 トウカ 風舞達の部屋を訪れるおよそ一時間前




 オーキュペテークイーン討伐後、フーマ様や皆様にからかわれた私は恥ずかしさのあまりその場を逃げ出して中庭で一休みしていました。

 そんな私の元へユーリアと……。



「あらトウカ。この様な場所で何をしているのですか?」

「え? お、お母様?」

「ねぇカグヤ。この世界一可愛いエルフが僕の娘なんだよ」

「お、お父…様?」

「知っていますよ。というより、トウカは私の娘でもあるのですよ」

「いやぁ、僕達の娘がこんなに大きくなってくれて凄く嬉しいよ」

「はいはい。トウカ姉さんがビックリしすぎて口をパクパクさせてるから親バカはちょっと待ってね」

「ふふふ。こちらにいらっしゃいトウカ。私達が留守にしている間よく頑張りましたね」



 お母様がそう言って両腕を広げてくださいます。

 私はその暖かい光景に居ても立ってもいられず、お母様の元へ駆け出しました。



「お母様! お父様!」

「あら、大きくなったと思っていましたがまだまだトウカも子供ですね」



 お母様がそう言いながら私を抱きしめて撫でてくださいました。

 あぁ、お母様の良い香りと温かさを感じます。

 私はこれだけで長い間、巫として頑張ってきた事が報われた気がしました。



「ふふ。まるで子供みたいだね」

「おや、ユーリアだってさっきこんな感じだったよ」

「ふふふ。ユーリアもこっちにいらっしゃい」

「い、いや。流石にもう恥ずかしいから良いよ」



 そうして、私はそんな家族の会話を聞きながらお母様の胸に抱かれて穏やかな時を過ごしました。




「お、オホン。ありがとうございますお母様。お見苦しいところをお見せしました」

「もう良いのですか?」

「はい。流石にこれ以上は恥ずかしいので大丈夫です」



 お母様とお父様に思う存分甘えた後、私は目元の涙を拭いながら立ち上がりました。

 私がお母様に撫でられていたのは宮殿の中庭でしたので、沢山のエルフが私がお母様に撫でられていたのを目撃しています。

 流石にこれ以上目立つのは恥ずかしいので、出来れば今すぐにでも場所を移したいです。



「そうですか。では、今の内に湯浴みを済ませるとしましょう」

「今の内に…ですか? この後に何か用事でも?」

「用事というほどではありませんが、久し振りにファーシェルとも話がしたいですからね。もうじき宮殿に戻ってくるみたいですから、今の内に身支度を済ませるつもりです」

「それじゃあ、僕とユーリアもお風呂に行って来るから後でファーシェルの執務室で待ち合わせようか」

「そうですね。それでは行きますよトウカ。久し振りに私が背中を流してあげましょう」

「はい、お母様!」



 こうして私とお母様は一緒に大浴場に向かい、共に背中を流しあって少しばかり近況について話しました。

 お母様とは話したい事が沢山ありますが、ユーリア達を待たせていますしまた別の機会を設ければ良いでしょう。

 これから先はお母様といつでも話せるのですから、今はこのぐらいにしておいた方が後の楽しみが増えるというものです。


 そんな事を考えながら着替えを済ませた後、私とお母様でファーシェル様の執務室に向かうとユーリアとお父様、それにターニャとファーシェル様が待っていました。

 どうやら私達が1番最後だった様ですね。



「あ、叔母様だ。叔母様久しぶりー」

「久しぶりですねターニャ。元気にしていましたか?」

「うん! 里の皆がよくしてくれてるからちょー元気だよ」

「こらターニャ! カグヤ様に向かってその口の利き方はなんだ!」

「構いませんよファーシェル。私達が留守にしている間よく愚弟を支えてくれましたね」

「いえ、私は大したことはしていませんよ。それよりも、カグヤ様とサラム様がご無事で良かったです」

「ふふ。ありがとうございます。時間がある時にでもまた以前の様に晩酌でもしましょう」

「はい。それはもう是非」



 ファーシェル様がそう言いながらニッと笑いました。

 私はまだ幼かったからあまり覚えていませんが、お母様とファーシェル様の仲は以前から良好だった気がします。

 友人の少ない私からすると少しだけ羨ましい関係ですね。

 そんな事を考えながらターニャの隣に立つと、お母様が真面目な顔をして話を始めました。



「さて、久方ぶりに顔を合わせて積もる話もありますが、先ずは今後の里の話をしましょう」

「今後の里の話……ですか」

「はい。もうすでに分かっている事とは思いますが、ハシウスには今回の世界樹のスタンピードの件と巫であるトウカへの不当な労働を強いた事から里長を辞任してもらいます」

「はい。もちろん処罰が降ることは覚悟しています。ですが、ハシウスも里の事を思って長い間この里を治めてきました。なのでどうか命だけは助けてくれませんか? 私に出来る事なら何でもします。だからあいつの命だけは…」

「ママ…」



 ターニャがお母様へ頭を下げるファーシェル様を見て私の服の裾を掴みながらそう溢しました。

 私はターニャの手を握りながら、お母様に話しかけます。



「お母様、私からもどうかお願いします。確かにハシウス様に対して思うところはありますが、それでもこの里を今日まで統治してきた事に変わりはありません」

「トウカ……」

「それに、私はもうとある勇者様に救っていただきましたから…」

「くそっ、トウカにここまで言わせるなんてあの人間。やっぱり許すわけには…」

「はいはい。今は真面目な話をしてるから父さんは静かにしててね」

「くっ。この僕を麻痺させるなんてユーリアもなかなか成長したじゃないか」

「はいはい。それはどうも」



 ユーリアがそう言いながらお父様に肩を貸して椅子に座らせ、お母様に話の続きを促しました。

 お母様はそれを受けて、再び口を開きます。



「ターニャ」

「は、はい!」

「貴女はこの里が好きですか?」

「もちろん! この里には私の大好きなみんながいるからね!」



 ターニャがそう言いながら私とファーシェル様に笑顔を向けました。

 お母様はその笑顔を見て頷き、今度はファーシェル様に話しかけます。



「ファーシェル」

「はい」

「貴女が私の娘の為に秘密裏に動いていた事は知っています。その礼をこの場で言わせてください。ありがとうごいました」

「そ、そんな。頭をお上げください! 私はトウカが苦しんでいるのを真近で見ていながら何も出来なかった。礼を言われる筋合いなんてありません」

「おや、トウカが世界樹の家で倒れた時に看病してやったりスーシェルに頻繁に様子を見に行かせていたのは誰でしたか?」

「それは…」

「それに、トウカは既にこうして巫という呪縛から解放されたのですから、もう貴女が思い悩む必要はありませんよ。今後は里のため夫のために生きなさい」

「ん? それじゃあパパは死ななくて大丈夫なの?」

「はい。元よりハシウスを死罪にするつもりはありません。愚弟にはまだまだ働いてもらわねば困りますからね」

「ありがとうございます。このご恩は生きて必ずお返しいたします」

「頭をお上げなさいファーシェル。あまり子供の前で親が頭を下げるものではありません」

「はっ!」



 ファーシェル様がそう言いながら頭をあげ、目元にわずかに浮かんでいた涙を指で拭いました。

 しかし、そうだったのですか。

 私が体調を崩して世界樹の家で1人で倒れ伏していた際に看病をしてくださっていたのはファーシェル様だったのですね。

 幼い頃から熱に浮かされた時にいつも支えてくださっていたとは…。

 後ほどしっかりとお礼を言わせていただきましょう。



「さて、暗い話はこの辺りにして次は私達のエルフの里を救ってくださった勇者様方の話をしましょう」

「ふぅ、ようやくその話に入るんだね。あんまり前置きが長いから寝ちゃうところだったよ」

「ふふ。すみませんユーリア。まずはターニャに一つ聞いても良いですか?」

「ん? 私?」

「はい。ターニャはハシウスの後任として里長になりたいですか?」

「うん。なりたいかなりたくないかで言ったらなりたいよ。でも、今すぐっていうのはちょっと不安かな」

「そうですか。次にトウカ」

「はい。何でしょうお母様」

「貴女はこれからの人生でやりたい事はありますか?」



 やりたい事。

 あの日。

 フーマ様に救っていただいたあの日から私のやりたい事は決まっている。

 それは……。



「フーマ様と共に在りたいです」



 私は覚悟を決めた顔でしっかりお母様と向き合ってそう言った。




 ◇◆◇




 風舞




「という訳です」

「いや、ちっとも分かんないです」



 トウカさんの回想から戻って現在。

 黙ってトウカさんのお話を聞いていた俺はノータイムで突っ込みをいれた。



「えぇっと、どの辺りが分からなかったでしょうか?」

「その、トウカさんが俺と一緒にいたいって言ってくれたところまでは分かったんですけど、それがどうして結婚になるんですか?」

「あぁ、それは叔母様とユーリアがそれじゃあお嫁さんにして貰えば? って言ったんだよ。私も師匠なら義兄ちゃんになっても良いと思うから、お姉ちゃんと結婚してくれると嬉しいよ!」

「駄目よ!!」

「な、何でマイムがそんなキレんの?」

「別にキレてないわ! でも、結婚なんてフーマくんにはまだ早いわ! ね、そう思うでしょミレンちゃん!」

「うむ。フーマはまだまだ子供じゃからな。保護者である妾には結婚はまだ認められぬ」

「という訳よトウカさん! いくらトウカさんでもフーマくんをお婿にあげる事は出来ないわ!!」

「では、いつになったら私はフーマ様と結婚できるのですか?」

「それはその…ミレンちゃんが認めたらよ!!」

「ではミレン様。どうすれば私は認めていただけるのでしょうか」

「そ、それはじゃな………どうすれば良いんじゃろう?」



 おいおい。

 そこは何でも良いから適当に答えろよ。

 少なくとも俺に聞くのは間違ってると思うぞ。



「そもそも、今の俺は誰とも結婚する気はないぞ?」

「え? そうなのですか?」

「ああ。だってまだまだマイムとミレンと旅を続けるつもりだしな。それに、トウカさんは巫なんだから一緒に旅できないだろ?」

「あぁ、その事なんだけど。お姉ちゃんはもう巫じゃないよ」

「は? 何でですか?」

「叔母様が巫はもう無くすって。これからはみんなで世界樹を管理するから巫はお払い箱だってさ」

「えぇ。じゃあトウカさんは無職なのか?」

「まぁ、そうだね」



 へぇ、トウカさんは無職なのか。

 無職のエルフのお姉さん。

 なんか良いな。


 そんな事を考えながら伸びている鼻の下を手で隠していると、シルビアの介抱をしていたアンが顔を上げてトウカさんに話しかけた。



「ねぇ、トウカさん」

「はい。どうかなさいましたか?」

「うん。一つ聞きたい事があるんだけど、トウカさんはフーマ様の事が好きで好きで堪らないから結婚したいんですか?」

「い、いや。それはその、ええっと」



 トウカさんが急に顔を真っ赤にしてアワアワし始めた。

 おい、頼むからもうちょっと反応を隠してくれよ。

 これじゃあ意識しない方が難しいぞ。



「うーん。そこで好きって直ぐに言えない人にはフーマ様を任せられないですね」

「そうよ、そうね! トウカさんはまだまだフーマくんと結婚するのは早いわね!! ちなみに私はフーマくんが大好きよ! 愛してるわ!!」



 おい、頼むからそういう事言わないでくれよ。

 恥ずかし嬉しすぎて辛いし、事態がややこしくなるだろ。

 ていうか、そろそろ俺の膝の上からどいてくんない?

 何で俺の膝の上で偉そうに腕を組んでるんだ?



「ぐ、確かに私はマイム様に比べるとまだまだの様です」



 え? そうなのか?

 まさかここでトウカさんが悔しそうな顔をしてそんな事を言うなんて思わなかった。

 ていうか、舞に比べるとまだまだって事はいずれトウカさんも舞みたいになっちゃうのか?

 俺は今のままのトウカさんが良いと思うぞ。



「うんうん。どうやら結婚が早いって事は分かってくれたみたいですね」

「はい。もう少し己自身を磨く必要があると思いました」

「そっか。それじゃあ、トウカさんもフーマ様の従者になったらどうです? 今は無職らしいし問題ないですよね?」

「は?」

「あぁ、そうだよ。そういえば師匠、私に試合で勝ったらエルフのメイドが欲しいって言ってたじゃん! お姉ちゃんあげるよ!」

「いやいや。仮にもトウカさんみたいな立場のある人を従者にする訳にはいかないだろ」

「え? でもフーマ様は勇者じゃん。全然問題無くない?」

「なぁミレン。どう思う?」

「あぁ、うむ。従者なら良いのではないか? 少なくとも人族の間ではトウカがお主の従者である事を立場の面で指摘する者はいないじゃろう」

「じゃあ、トウカさんが俺の従者になるのか?」

「いいえ、ならないわ!! トウカさんは私の従者にするわ!」



 舞が勢いよく立ち上がりながらそう言った。

 それと同時に舞の膝の上に座っていたローズも必然的に立ち上がる。



「えぇっと、理由を聞いても良いか?」

「フーマくんばっかりズルいからよ! 私も美人さんな従者が欲しいわ!」

「あ、そう」

「そうよ! だからトウカさん! 私の従者になってください!!」

「ま、マイム様!?」



 まぁ、いきなり従者になってくれなんて言われたら驚くわな。

 ていうか右手を差し出して90度のお辞儀って、マジでやる人いたんだ。



「私の従者になってくれたら十分なお給料もちゃんと払うし、5日に1日休みもあげるわ! もちろん夏季休暇と冬季休暇もあるわよ! 主な仕事は私の話し相手と訓練相手と冒険仲間よ!」

「おお、結構な好条件だね」

「ああ。マイムの訓練相手はちょっと大変そうだけど、案外まともだな」

「そうだね。これならマイムの方でも良いんじゃない? どうせマイムの従者なら師匠の側にいれるでしょ?」

「し、しかし…」



 トウカさんがそう言いながら俺の方にチラリと視線を向けてきた。

 そんなに可愛い視線を向けてきても俺は何も言わないぞ。

 ここで口を開いたら絶対碌な事にならないのはこの数ヶ月の異世界生活で何となく分かるからな。



「むぅ、じゃあ大サービスよ! 私が持ってるフーマくんに何でもお願い出来る権利を3つトウカさんにあげるわ! あ、でも、結婚してくれとかは駄目よ!! お願いして良いのは膝枕とか耳かきとか添い寝とかそういうのだけよ!」

「分かりました! その条件ならマイム様の従者になりましょう」

「決まりね! という訳でトウカさんはもらうわフーマくん! 自分だけがハーレム主人公だと思ったら大間違いよ!!」

「あ、そう。良かったね」

「ふふん! これからよろしくねトウカさん!」

「はい。こちらこそお願いしますマイム様」



 舞とトウカさんがいい笑顔で握手をしている。

 うん。まぁ、良かったんじゃないか?

 トウカさんが舞の従者になったら色んなモノを見せてやるって約束も果たせると思うし良いと思うぞ。



「なんというか、お主も大変そうじゃな」



 途中から黙って経緯を見守っていたローズがそう言った。

 つい先程まではローズも俺が大変な思いをする要因の一つだったのだが、そこは千歳を超える吸血鬼なだけあって客観的な判断をしてくれたらしい。

 ただ…。



「まぁ、トウカさんが幸せになれそうで良かったと思うぞ」



 俺は主人である舞の呼び方を話し合いながらはしゃぐ舞とトウカさんを見ながら、ため息をつきつつそう言った。

かなり遅くなりました。

あと2、3話で第3章が終わります。


次回更新は8月25日頃予定です。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 舞はレンタルで我慢して欲しかった笑笑 だってトウカさんの意思に少し反しているんだから、ドライアドさんで我慢か、自分に心酔した人を捕まえれば良かった。
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