表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/516

32話 スイッチ

 風舞




 グラズス山脈の目の前の村を出発しておよそ半日。

 俺達は山脈を数日で抜けられるという洞窟の前に立っていた。

 魔物も結構増えてきて道幅も山の中だと狭くなるだろうという事で、ファイアー帝王は俺達が今朝までいた村の中に置いてきた為ここにはいない。

 村の中には草も生えていたし小さな溜め池もあった為、数週間くらいなら生き残っていてくれるはずだ。



「で、ここが噂の洞窟らしいがどうするんだ?」

「そうだな。無難に行くならここは避けるべきなんだろうが、このまま山を登って行った方が安全だという確証は無いんだよな」

「うむ。洞窟にはサイクロプスが住み着いておるという噂がある様じゃが、山の上の方は何が出て来るのか全く情報が無いし、このまま洞窟を抜けた方が反って安全かもしれんの」



 今朝まで泊まっていた宿屋のおっさんの話によると、エルフに近頃の魔物騒動の事情を聞きに行こうとした冒険者が、洞窟内でサイクロプスを見かけて逃げ帰って来たらしい。

 この世界のサイクロプスはどデカい棍棒を振り回す凶暴な巨人として有名だそうだ。

 ローズの話によると、今の彼女のステータスでも攻撃をくらうと即死しかねないらしく、それなりに気を引き締めて挑まなくてはならない魔物であるらしい。

 要は凄く怖い魔物なのである。



「で、でも、洞窟の中でサイクロプスと戦ったら、何かの衝撃で崩落したりしないか?」

「ん? フーマはサイクロプスが怖いのかい?」

「あぁ、いや、断じてそう言う訳じゃ無いぞ。ただ、俺の座右の銘が常に慎重であれってだけだ」

「流石フーマくんね。私もフーマくんを見習って慎重に行動する様にするわ。さ、行きましょ」



 舞がそう言って俺の手首を掴んでズルズルと洞窟の中に引き込んでいく。

 えぇ、今のは洞窟はやめとこうって流れじゃ無いのか?



「ちょ、ちょっとマイムさん? せめて洞窟を通るか多数決を取りません?」

「別に良いけど、多分多数決を取っても洞窟を通る事になると思うわよ? ねぇミレンちゃん?」

「うむ。妾は洞窟内を抜けた方が早くエルフの里に行けるじゃろうし、マイムの意見に賛成じゃな」

「えぇ、ユーリアくんは?」

「僕は棄権しようかな。このまま山を登るのも洞窟を抜けるのも、それぞれ短所長所があるからね。それに、偶数人じゃ決まらないかもだし」

「そうか。それじゃあファルゴさんはどうですか? 勿論山登りしたいですよね?」

「ああ! 俺はフーマと同じ意見だ。少しでもサイクロプスがいる可能性があるなら洞窟は避けるべきだと思うぞ!」

「心配する事無いぞファルゴ! 例えサイクロプスに出くわしても、私がお前を守ってやるから安心しろ! なんせ、私はお前の、お、お嫁さんなんだからな」

「お、おいシェリー! わかった、わかったから。俺も洞窟に入るから自分で歩かせてくれ!」

「あはは。やっぱり二人は仲が良いね」

「ば、バカ野郎お前、恥ずかしいこと言うなよな!」



 あぁ、ダメだこりゃ。

 団長さんがファルゴさんの首根っこを掴んで顔を赤くしながらユーリアくんと洞窟の中に入って行っちゃたし、多数決でも負けてるから洞窟の中を通る事は確定してしまった。


 はぁ、もう腹を括って俺も行くしか無いか。

 そう思って地面から立ち上がり、生唾をゴクリと飲み込みながらズボンについた砂をはたいていると、後ろから舞がひょっこりと覗き込んできて口を開いた。

 ちなみに、今の舞はローズから借りたレッドドラゴンの鎧を着ている。

 舞の鎧もアセイダル戦で壊れちゃったしな。



「あら、フーマくんは私が守ってあげるから心配ないわよ?」

「はいはい。そんなマイムは俺が守ってやるから心配しなくて良いぞ」

「っ!?」



 あ、舞が口をパクパクさせて俺の顔をガン見してる。

 歯が浮くようなセリフだったけど、たまには言ってみるもんだな。


 そんな感じで洞窟に入ることになった八つ当たりを舞にして少しだけスッキリした俺は、魔力感知と直感を発動させながら洞窟内に足を踏み入れた。

 洞窟の入り口は高校の黒板二枚分くらいの大きさなのだが、入って数メートル先の所までしか暗くて奥が見えない。



「ふぅ。やっぱり怖いけど行くとするか」

「む? フーマは暗いところが苦手なのかの?」

「まぁ、そうだな。ソレイドのダンジョンぐらいの明るさなら大丈夫だけど、流石にここまで暗いと結構怖い」

「ほう。それでお主は寝る前に必ずトイレに籠っておったのか」

「ああ。この世界の夜はめちゃんこ暗いから結構キツイんだよ」

「ふむ。それではフーマが夜に催したら今度から妾が一緒にトイレまで行ってやるかの」

「いや、流石にそれは勘弁してくれ」

「何じゃ? 遠慮しなくても良いんじゃぞ?」

「はいはい。それじゃあ明かりを頼むぞ」

「うむ。妾は夜目が利くからこのままでも構わんが、フーマは暗いところが怖い様じゃしの」



 そんな感じでローズにからからわれながらも、俺は勇者らしく勇気を振り絞って苦手な暗くて狭い洞窟へと足を踏み入れた。

 あれ? そう言えば舞は?

 そう思って後ろを振り返ってみると、


「ちょっとフーマくん! さっきのセリフもう一回プリーズ!」



 舞がそんな事を言いながら目をキラキラさせて走ってきた。

 えぇ、普通に恥ずかしいし嫌なんだけど。


 って、舞さん?

 そんなにおれの腕をブンブン振っても言いませんよ?

 ていうか、肩外れちゃうからそろそろ止めてくれませんかね?


 そうして、俺と舞とローズも先に洞窟に入って行った3人の後に続いた。




 ◇◆◇




「お、あそこにもグールじゃな」

「マジ!?」

「と思ったらゴブリンみたいじゃ」

「おい! そういうのは普通岩とかと間違えるもんだろ!」

「おいフーマ。そっちゴブリン行ったぞ」

「はい、大丈夫です!」



 洞窟に踏み入れておよそ二時間。

 俺達は結構な頻度で魔物と遭遇し、その度に片っ端から現れた魔物をぶっ倒して洞窟をずんずんと進んでいた。


 魔物は洞窟に元々住み着いていたのであろうゴブリンやグールの他に、石を投げてくる緑色の猿の様な魔物であるグリーンエイプやタスクボアの上位互換みたいな魔物がよく現れる。

 ユーリアくんの話によると、この洞窟は時々ゴブリンやグールが出てくるだけで、ここまでの頻度で魔物が出てくる事は珍しいし、ましてや猿や猪の魔物をここで見るのは初めての事だそうだ。

 やはり、エルフの里の方から魔物が押し寄せているという説は間違っていない様である。



「せいっ………ふぅ。ゴブリンはもう飽きた」

「そんなフーマに朗報じゃ。どうやら後ろからグリーンエイプがこちらに向かって来ておる様じゃの」

「はぁ、また脇道から出てきたのか」



 この洞窟はグラズス山脈を抜けるのに人々によく使われているため、通り道となる所は土魔法やピッケルで整備された後があるし、所々に道順を示す看板も立っている。

 ただ、元々は天然の洞窟であるためか脇道や縦穴が無数にあり、そこを通ってきた魔物に背後に回られるという事が先ほどから多々あった。

 まぁ、ローズや団長さんが視界に入る前に気配を感じ取って教えてくれるから、今のところ奇襲されたことは無いんだけど。



「それじゃあ、フーマ達はそのグリーンエイプを頼めるかい? 僕はファルゴ達と一緒に前方の魔物を薙ぎ払ってくるよ」

「ああ。頼んだぞユーリアくん」

「うん、任せといて」



 そう言ったユーリアくんが、背負っていた荷物を洞窟の隅に置いて前方でゴブリンの小さな群れと戦っているファルゴさんと団長さんの方へ走って行った。

 ユーリアくんはやはりエルフなだけがあって弓をよく使うそうなのだが、この洞窟は横幅がそこまで広く無いため味方に矢が当たらないように、それなりにコントロールに融通が利く魔法を使って戦っている。

 彼が言うには、水魔法と状態異常系の魔法が得意らしい。

 今もゴブリンたちを痺れさせてファルゴさん達の援護をしているし、彼は前線に出て戦うというよりは後方でサポートをするタイプであるようだ。


 あの魔法良いな。

 俺も今度教えてもらおう。


 とまぁ、そんな感じでユーリアくんは今まで俺の周りにはいなかったタイプであるため見ていてそれなりに為になるのだが、そろそろグリーンエイプの石が届き始める頃だし、俺も自分の戦闘の準備をするとしよう。



「30メートル程先にグリーンエイプが12匹じゃな。さっきと同じ様に洞窟を崩さんよう派手な攻撃は控えるんじゃぞ」

「12匹か。今回は結構いるな」

「そうね。それじゃあ、またスイッチの練習をしながら戦いましょう」

「ああ。今度こそロスがない様にソニックスラッシュを撃つからよろしく頼む」

「ええ。私も先走り過ぎないように気をつけるから頑張りましょうね」

「おう、それじゃあ行くぞ」

「任せといてちょうだい!」



 そうして剣を構えた俺達は、互いに離れ過ぎず近過ぎないようにしながらグリーンエイプに向かって走って行った。


 近頃の戦闘にて、俺と舞はスイッチと呼ばれるコンビネーションの練習をしている。

 スイッチとは前衛と後衛を入れ替えるテクニックの事を言うのだが、俺と舞はこれを剣術スキルの後の僅かな硬直の間に行う事で剣術スキルを使った事による隙を互いに埋め合えるようになるという課題をローズから出されていた。

 因みに、このスイッチというコンビネーションはローズの治めていたスカーレット帝国の軍隊でも採用されていた技であるらしい。


 まぁそれはともかく、俺と舞はここ数日魔物が現れる度にこの練習をしているのだが、これが結構難しくて中々ローズに合格点をもらえない。



「先ずは三匹。それと、石を持ってるのが二匹よ!」

「あいよ。順番は任せるから連撃で二匹頼む!」

「分かったわ! 石はまた任せるわね!」


 先ず、俺と舞のコンビネーションは舞の覚えている剣術スキルのLV2の連続技から始まる。

 一方の俺は、舞がグリーンエイプとの距離を詰めている間に、少し後ろから石を投げて遠距離攻撃をしてくるグリーンエイプを牽制するのが最初の役割だ。



「それじゃあ行くわよ! 追雪(おいゆき)!」



 舞が技名を叫びながら、無駄のない動きで一番前にいたグリーンエイプの首を切り飛ばし、そのままの勢いで続く二匹目も(ほふ)っていく。


 問題はここからだ。

 初めの内は舞と俺との距離が離れすぎてしまって俺が前に出れなかったりもしたが、舞が俺と敵との間合いを把握する様になったり、俺が石を走りながら投げるのが上手くなってきた為、今はちょうどいい距離感を保てる様になっている。

 ただ、この後に控えているスイッチをするとなると話は別だ。


 舞の剣術スキルの後の硬直時間はコンマ数秒あるかないかというぐらいのものだし、何よりも俺が舞の剣筋を読んでどのタイミングでどこから前に出るかを瞬時に判断して行動に移さなくてはならない。



「スイッチ!」



 舞の刃が二匹目のグリーンエイプにあたる寸前、俺はそう合図を出して舞の左横から一気に前に出て三匹目のグリーンエイプに剣術スキルのLV1のソニックスラッシュを使いながら、左下から逆袈裟で斬り上げた。


 よし、今回は舞にぶつかることもなかったし、タイミングも舞が二匹目に攻撃を当てるタイミングと同じだったから、上手くスイッチができた気がする。

 俺はそんな事を思いながらも、突然舞の背後から現れた俺を見て間抜けな顔をしているグリーンエイプの首筋を片手剣で振り払う。



「ソニックスラッシュ!」



 そうして初めてスイッチが上手くいったのだが、俺と舞はまだ動きを止めない。



「ワンモアスイッチ!」



 俺の横に振り払ったソニックスラッシュがグリーンエイプの首筋に届く寸前で、姿勢をグッと低くした舞がそう言いながら俺の右側から出てきて四匹目に攻撃をしかける。



「果断!」



 お、今度は連撃じゃないのか。


 直感の力で舞が攻撃をする直前にそう感じた俺は、舞の次の攻撃がどこから繰り出されるのか予想しつつ、ファルゴさんが貸してくれている投げナイフを投げて、舞に迫っている五匹目のグリーンエイプの胸に突き刺した。

 俺の投げナイフの精度ではグリーンエイプを絶命させるには至らないが、それでも舞の攻撃の隙をカバーする事が出来た。


 そうして剣術スキルの硬直から抜けた舞が、俺の投げたナイフが当たったグリーンエイプにスキルを使わずに止めをさして、そのまま六匹目のグリーンエイプに縮地を使って一気に踏み込む。



「スイッチ!」



 一方の俺は、舞が六匹目のグリーンエイプに攻撃をしている間も走り続けて、剣を振り下ろす舞の横を通って一番最初に石を投げ当てた7匹目のグリーンエイプに攻撃をしかけた。



「ソニックスラッシュ!」


 7匹目のグリーンエイプは、俺が投げた石が丁度目元に当たった為か、右側が全く見えていなかった様で、俺の攻撃に反応することもなくそのまま倒れる。

 と、丁度その時…



(いかづち)よ、」



 後ろから舞の魔法の詠唱が聞こえてきた俺は、剣術スキルの硬直が解けると同時にさっとその場で頭を下げた。

 俺に向かって石を投げようとしていたグリーンエイプもいたが、俺はここにしゃがみこんでいるだけで大丈夫な気がする。



「サンダーボール!」



 ズバチィ!!


 グキャキャキャ!!?



 そうして、舞の雷魔法を受けた残りのグリーンエイプ五匹はそのまま黒こげになって、終いには黒い霧へと変わった。


 危ねぇ、もしも俺が頭を下げてなかったらあの雷魔法を俺がくらってたのか。

 冒険者ギルドで戦った時も同じ様な事をした気がするけど、あの時は俺が後ろだったし、まさかここまで怖いとは知らなかった。


 そう思いながらそのまま地面に座りこんでいると、俺と舞の戦闘を荷物持ちをしながら見守っていたローズがテケテケと俺達の元へやって来た。



「うむ。今の戦闘は中々良かったぞ。フーマは未だ剣術スキルの隙を完全には捉えきれておらぬようじゃが、それはステータスが上がれば次第に理解できる様になるじゃろ」

「それじゃあ、スイッチの練習は合格なのかしら?」



 舞が雷魔法で倒したグリーンエイプの魔石を拾いながらそう言った。

 さて、俺もそろそろ立ち上がってさっさと魔石を回収しますかね。

 俺が首筋を切ったグリーンエイプは死体も残ってるし、隅の方にどけておかないと。



「うむ。それはもう文句のつけようがないの。あそこまで息のあったコンビネーションを組める者はそういまい」

「ふふん! フーマくんと私ならこのくらい余裕よ余裕!」

「まぁ、相手はグリーンエイプだし、あのぐらいの数なら舞が一人でも相手に出来た様な気もするけどな」



 俺達が今戦っていた魔物はそこまで強い相手ではなく、だいたいゴブリンキングよりも少し弱いぐらいの強さしかない。

 今のレベルがそれなりに上がってきている俺からしても、少し物足りないぐらいの魔物なのだ。

 俺よりもレベルもステータスも高い舞からすると、ただの雑魚キャラにしか見えないぐらいの相手だろう。



「そんな事ないわ。フーマくんは私が動く前には動き始めてるから、素早さに差があるのにタイミングはしっかり合わせてくるし、私の欲しいタイミングで攻撃をしてくれているもの。そうね、言うなれば痒いところに手が届くといった所かしら」

「なんだそりゃ。はい、ミレン。俺の方は全部回収し終わったぞ」

「私も全部拾ってきたわ。要は凄く助かるって事よ」



 舞がローズの持っている魔石入れの袋にゴロゴロとグリーンエイプの魔石を入れた後で、クルリと振り向いて微笑みながらそう言った。

 戦闘後という事もあって感情が高ぶっていたためか、思わずドキッとしてしまったが、俺はそれを顔には出さない様にして話を続ける。



「それなら重畳だな。さて、ファルゴさん達は……ってもう終わってたんですね」



 俺がそう言ってファルゴさん達の戦っていた方を見ると、ファルゴさん達3人が俺達の方をジッと見つめていた。

 ん? なんか、ファルゴさんと団長さんが固まっている。

 どうかしたのだろうか?



「なぁユーリアくん。その2人はどうしたんだ?」

「どうやらフーマ達の今の戦いを見て驚いているみたいだね。僕から見ても2人の動きは素晴らしかったし、ファルゴ達も衝撃を受けてるんだと思うよ」

「ふふん! ユーリアさんにそう言ってもらえるなんて、光栄だわ!」

「ああ。俺としてはまだまだな気もするけど、そう言ってもらえると嬉しいな」



 そんな話をユーリアくんとしていると、硬直から復帰したファルゴさんが俺に話しかけてきた。



「っておいおい。今の戦闘のどこがダメだったんだよ」

「そうですね。さっきミレンが言った様に俺が剣術スキルの隙をちゃんと把握できてないのもそうですし、投げナイフの精度もイマイチでしたね。後はマイムの攻撃のタイミングはまだ勘で読んでるだけなんで、100パーセント成功させられないってのも問題です。今の戦闘は相手がグリーンエイプだったから良かったけど、俺が舞とぶつかってもつれでもしたら、2人揃って攻撃をくらう可能性がありますし、まだ格上を相手にするには不安が残ります」

「はぁー、やっぱりフーマ達は規格外だな。俺は今まで剣術スキルの隙とか大して気にした事なかったぞ」

「そりゃあファルゴがスキルを使うのはここぞって時だけだからだな。けど、私も今までスキルは大して使って来なかったし、今のマイム達の戦闘には驚かされたぞ」

「いやぁ、そこまで褒められると何だか恥ずかしいわね」



 舞が頰をかきながら照れ臭そうにそう言った。

 課題点はまだまだ残っているが、初めて成功したスイッチがまさかの3回連続だったし、俺もかなり嬉しい。

 そんな事を思いながら、団長さん達の方へ歩いて行って話をする舞を眺めながら口角を上げていると、隣に立っていたローズが俺に荷物を差し出しながら声をかけてきた。



「流石妾の弟子じゃな。この調子でサイクロプスも頼むぞ」

「あぁ、そう言えばそうだった。まだボスキャラがいるんだった」



 俺は未だ姿を見せないサイクロプスの事を思い出してげんなりしながら、前を歩くローズの後について洞窟の通路を歩いて行った。

4月25日分です。


遅くなり申し訳ありません。

本日中にもう1話更新します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ