第5話
ホラー映画って好きよ
新しめのマンション
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詩「はい、ということで用意しましたぁ!」
詩がそういうと後に置いてあったホラー映画を取り出した。
「「えー!!!」」
詩「まぁまぁ、3人で見れば怖くないって!」
詩が2人を説得するが2人は嫌そうな顔をしている。陽と海はホラーなどの怖いものが苦手であり、特に陽は大嫌いといつも2人に言っているほど苦手なのである。
陽「い、いやー、やめとこ?夜寝れなくなるよ?」
詩「みんなで寝れば大丈夫!」
海「私は!?」
詩「え?大丈夫、俺らお前に手出すつもりさらさらないからw」
海「それはそれでムカつく…」
詩はテレビの電源をつけると、ホラー映画のDVDをセットし、再生ボタンを押す。
陽「ちょ、心の準備g」
バチンッ
詩が家の電気を消した。
ただでさえ夜に見るということで怖いのに、部屋が暗くなったことにより陽と海は詩の隣に座る。
陽「お前馬鹿なのか!?」
海「そうだよ!怖すぎる!」
詩「まぁまぁ、そんなに怖くないって!」
実は平気そうにみえる詩も少しではあるが恐怖を感じているが、表に出さない様にしている。流石声優、演技が上手い。
CMだったから喋れていたし、まだ本格的には怖がっていなかったが、遂にCMが終わってしまった。
陽「うわー、みたくないよぉ」
クッションを持ちながら陽が言う。
海「お、面白そうだけど怖いな…」
こちらも同じくクッションを持っている。
詩「さー、始まるぞ!」
2人にバレたくない詩は気を少し引き締めて集中する。
こうして、恐怖のホラー映画鑑賞は始まった。
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詩「かーいさーつーのーまえーで、引っかかる陽〜」
陽「なんで知ってんだよ!」
海「遅いから迎えに行ったら陽が改札で引っかかってて影で爆笑してたよ」
陽「なんてタイミングだ…神様俺のこと嫌いすぎじゃない?」
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映画は始まり物語の中盤、ちょうど盛り上がってくる所である。
陽「わっ!!!!!」
ビクッ
陽の驚いた声に詩と海はびっくりする。
詩「それやめてくんね?こつちが怖いんだが?」
海「うぅ〜」
陽「しょうがないだろ!怖いんだよ!」
そんなやり取りをしていると映画の方で幽霊が出てきた。
血濡れでボサボサの髪の幽霊が急にアップで出てきたのだ。
「「「ぎゃぁああああああああ!!!!!」」」
不意をつかれた為、詩でさえも思わず悲鳴をあげた。
陽は叫びすぎて喉が痛いようで喉を抑えている。
詩「ちょw海の叫び声w男らしいw」
陽「いや!笑ってる場合じゃねぇ!」
海「うるせぇ!映画に集中しろ!」
物語終盤、ラストスパートにさしさかかり、今までより怖くなってくる。
陽「ちょ、マジ無理!ほんと無理ぃ!」
海「私も駄目ぇ!」
2人は詩の側により近づきクッションで顔を隠す。
しかし、観ないなどという行為を詩が許すわけもなく、詩は2人のクッションを取り上げる。
「「あ」」
次の瞬間。
複数の幽霊の顔がテレビに映し出される。
「「「あああああああああ!!!!!!」」」
3人は叫ぶ。
そして映画が終わった。
陽「はぁあぁぁ」
海「は、ははは」
詩「怖かったねー」
3人は安堵の表情を浮かべ、それぞれの声を漏らす。
こうして映画鑑賞は終わった。
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陽「ほら食え!美味いから!」
海「詩なら食べれる!」
詩「近づけるなぁぁぁああああ!」
陽「ゴーヤチャンプルーだから!」
海「美味しく食べれるから!」
詩「うわぁぁぁああああ」
チ───(´-ω-`)───ン
「「あ、ごめん」」
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映画のエンディングが終わった。
陽「は、はやく電気つけてぇ」
海「詩!はやくして!」
詩「はいはい」
パチッ
詩は電気をつけた。
詩「いやー、怖かったね」
「「怖すぎでしょ」」
詩「まぁでも2人ともよく俺の方来なかったな」
「「…え?」」
詩「え?2人とも俺から離れてたから結構耐えるなぁって」
「「………」」
2人は青ざめている。
映画の途中、確かに自分は詩の側で観ていたはず、そして、触れる感覚も確かにあった。
もし、2人で近寄っていたのなら叫び声でわかるはず、なのに、それなのに、詩は2人共自分の側には来なかったと言った。
「「もうほんとにむりぃ……(泣)」」
詩「わ、な、泣くなよ怖いの持ってきてごめんね?」
「「そうじゃないのぉ…」」
詩「?」
その日2人は詩と手を繋いで寝たとさ。
詩「なんで俺拘束されてんだ…」
詩は恥ずかしそうにしているが、2人の手から少し震えを感じるので我慢することにした。
詩「やりすぎたかなぁ…」
実は幽霊がいたとかそんなことはなく、しっかり2人の側で観ていたのだ。
ただ少しドッキリしようと思っただけなのである。
詩「学習しないなぁ…俺」
「「ど、どうしたの?」」
詩「ううん、何でもない、ほら早く寝よ?」
朝目が覚めると2人共近寄って来ていたので抜け出し、2人が寝ている顔を写真に撮るのだった。
朝
陽「覚悟はいいか、俺は出来てる」
海「処刑」
詩「ゆるじでぐだざい(泣)」
すまねぇ陽と海…
ちょっとイタズラしてみたかったんだ…
「「くたばれ」」
うっす…