黒原 珠理の存在
私にとって彼女は休息の地だ。
ふわふわした綿菓子みたいに柔らかくて甘い存在。
彼女は誰よりも自由なのだ。
縛られずに生きている彼女の傍だから、警戒心を捨ててボクも休める。
ふらりと何処かへ行っては帰って来ないような自由人。
いつだってのらりくらりとして笑っている。
自由人で食えない子。
根拠のない大丈夫だけど彼女が言えば気持ちが丸くなる。
ただ問題としては、本当に何を考えているのかわからない時があることだ。
いつも通りの笑顔にごまかすような適当な言葉。
何が本心で何が嘘なのかが危うい。
それが彼女だ。
クスクスと笑いながら周りを引っ掻き回すことだってある。
その度に彼女は満面の笑みでボクを見るんだ。
「どうかな?楽しかった?予想外だったよね?」
そういった雰囲気を出すのだ。
そしていたずらっ子みたいな顔をする。
ボクの予定通りだった創作が崩される時。
それは彼女が引っ掻き回す時なのだ。
苦笑するボクを見て彼女は何よりも楽しそうに笑う。
彼女はボクにとっていつだって予想外の存在なのだ。