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第3話 初めての戦闘は苦い思い出

威圧感の正体それはなんなのか。俺にはまだわからないでもレイは分かるらしいその正体と俺がなぜこんな所に来てしまったのか。


「はぁはぁ」


急に走るからめっちゃ疲れる。森の中をひたすら突き進み。着いた。森林と言っても遜色ないところに大きな穴が開いていた。それは周りの景色を見てから見ると不自然な程に綺麗な円を描いて開いていた。


「剣?」


威圧感の正体それは禍々しいオーラと煌びやかな光のオーラどちらも両立していてそれでいて恐怖感と安心感が同時に押し付けられる不思議な感覚が俺を襲った。遠目だから分からないがその剣に彫りが施されていて生半可な力では叩きおられないぞという力強さを感じた。


「やっぱりね」


剣を視界に入れてレイはそうやって呟いた。


「やっぱり?」


どういうことだ?ここに剣があることを知っていた?でも威圧感に気づいた様子は無かった。いや俺よりもレイの方がこの世界のことをよく知ってるしここに剣があることも周知の事実なのかもしれない。そう考えることにした。

すると、剣の近くにどす黒いオーラを纏ったマンモス級の巨体をした化け物が居た。


「…………とりあえずあいつに喧嘩売ってくるわ」

「は?」


なんで?意味がわからん。あんな奴に喧嘩を売る?何言ってんの?


「ちょ、ちょっと待てよ」

「なに?」

「喧嘩を売るってことは勝算があるんだよな?」

「いいえ」

??????

さらに何を言ってるのかわからん。頭でも打ったのか?

「まずあいつはなんなんだよ。あの剣も」

誰しもが真っ先に思い浮かぶだろう疑問をレイへと投げかける。すると、

「あのでかいのは魔物よ」

「魔物?」

やっぱりファンタジー要素あるじゃん!魔物って言うくらいなんだから魔法とか魔族とか居るのかな?いやそんなことよりも

「妖術で行けんの?」

「あいつの場合ほとんど攻撃効かないわね」

「どういうことだってばよ」

意味がわからず某アニメの某キャラクターの語尾が写ってしまったのも無理はないだろう。じゃあどうすりゃあいいんだ。

「じゃあどうすんだ」

ストレートに聞いてみた。すると、こんな返答が帰ってきた。

「あんたが倒せばいいじゃない」

ん?へ?はぇ?

「は?何言ってんの?この世界に来てやったこと階段を降りるしかやった事ない俺に出来ねぇって」

「じゃああの剣使えば?」

いやいやいや明らかに選ばれし者しか抜けませんよみたいな面してる剣俺にぬけるわけねぇじゃん普通に。常識的に考えてさぁ!ほんとJKだわJK。

と意味の無い思考をずっと繰り返す。無理もないただでさえ知らない土地に来て分からないことだらけで俺の家がどうなったかも分からねぇのに。

「抜けるわけねぇだろ!いかにも面食いですよと言わんばかりなあの剣を」

「面食い?」

「そこは触れなくていいです」

やばい色々とまとまってない、どうすりゃいいんだマジで。

「とりあえず行ってくるわね」

「ま、まって」

俺の言葉は届かず崖から飛び降りマンモスみたいな化け物と対峙していく。

そして次々と攻撃を繰り返していくが全くと言っていいほど効いた様子はパッと見見受けられない。

地響きが凄い…砂煙も30~40m程はある崖を丸々覆い被さるぐらいには舞っている。するとものすごい衝撃が地面に響く。砂煙がどんどん晴れていくと、そこには頭から血を流し、壁に激突して動かないレイの姿があった。

「俺のせい…俺のせいだ…」

剣を取って倒せばいいだけの事…なのに足が震えて1歩も動けない。その場に立ち尽くしているだけ。俺は今まで楽しい事ばかりの異世界生活が来たと思っていた。でもそれは大きな間違い。ここは俺の住んでいた世界よりも弱肉強食の世界であり弱いやつはどんどん死んでいく理不尽なクソみたいな世界だった。恐怖…人間なら誰しも感じたことのある感情。それを抱くことは悪いことでは無い。むしろ無い方がおかしい。だって恐怖という感情は自然界において必要不可欠な感情であり、時に逃げさせてくる最強の言い訳。簡単に言えば、自然の摂理である。

「……クッ…また"あの時"に逆戻りかよ」

そうやって呟いた時ある言葉が脳裏に過ぎる。その言葉はドラマだったかアニメだったかはたまた偉人の言葉なのか俺にもわからん。調べる気力もない。ただしその言葉は、俺の心に大きく響いて後々の人生に多大な影響を及ぼすことになる言葉。

『怖いのは最初の1歩だけ』

瞬間俺の足は崖から飛び降りる準備をしていた。剣を視界にきちんと入れる。ゴールはあそこだ。剣を抜いてぶっ倒せるならぶっ倒す。

無理そうだったらレイを回収してすぐ逃げる。てかレイがなんも音沙汰ないから生きてんのかもわかんねぇや。生きてるか分からないついさっき会ったばかりの女の子を救う…ねぇ。なかなかにロマンチックだな。後で膝枕という名のご褒美してもらわないとな。

「…はぁ………」

クソデカため息を吐いていく。

いざ崖のとこに来てみると逃げたくなるな…怖い怖い怖いだけどもう引き返せねぇぞ!

「行ってやる…」

そう小声でつぶやき飛び降りる。瞬間やつはこっちの存在に気づく。

「てかナチュラルに飛び降りたけど死ぬくね?」

焦りと困惑からかはたまた先着が飛び降りていたからなのか感覚が大幅に鈍る。

その刹那、さっきまで微動だにしていなかった剣が抜けてこっちに向かってくるマンモスもどきの横を通過に俺の目の前に飛んでくる。

「うおっ」

剣が自我を持ちこちらへ来たことの驚きと焦りが混ざって変な声が発せられる。

その剣はそのまま俺の手へとすっぽりとハマり瞬間電流のようなものが流れる感覚に陥る。だが、不快なものでも身体に悪影響を及ぼすものではないと瞬間的に理解する。俺は、俺の中にあった恐怖と焦りを吹き飛ばし落下している最中でも冷静に物事を考えて、最善の行動を瞬時に導き出す。

そうして、俺は剣を使って地面に向かって大きく振って威力を相殺した。

「なんかできたんですけど」

威力軽減とともに腕に大きな負荷はかかり、ジーンとした感覚に襲われるが、折れたような感覚も痛みも無かった。それよりか、安全に着地できた驚きと、安堵が感情の7、8割ほどを占めている状況だ。

そうして、改めて馬鹿でかの禍々しいオーラを放っているモンスターと対峙する。

「外野から見てても威圧感(プレッシャー)が凄かったのに、目の前で見るとやべぇな」

語彙力の低下。それは、そのもののやばさを引き立てるこの場で一番信憑性のある証拠。

だが、さっきまでと違い、恐怖よりもワクワクが勝っている。自分自身のことなのに意味がわからない。

「おいバケモン!やろうぜ……」

傍から見たら大怪獣バトルにでも見えただろうか、それを感じさせる気迫があった。

一瞬後ろで壁に激突し、気を失っているレイを視界に収めまだ息をしていることを確認し前を向く。

剣の構え方もろくに知らないド素人が、自分が一番やりやすい構えを取る。

てか、今更だけどこの剣軽いな…なんでだ?一応向こうでは鍛えてはいたけど…剣って結構重たいイメージあるんですけど?

そう思いながらどう攻めようかと考えたところにその瞬間だけ、意識が完全に消えた。







「あり…えない…!」

今にも気を失いそうに弱っている私は目の前の光景を見て、無意識のうちにそう言葉をこぼした。

とんでもないスピードで魔物を一刀両断する様を見たら誰でも思うことだろう。何が起きてるのか、理解が追いつかない。そして回復する手を止めてじっくりとその戦いを見る。

全然目で追いつけなかった…いやあんなスピードを素で出すのはこの世界でもかなり限られてる。

戦いの行く末はシューの踏み込みによる土煙によって遮られ、ギリギリ状況を掴めるくらいだった。

そうして煙が霧散していくにつれて全貌が見えた。足は見るに堪えないほどの怪我を負っていた。紫色の足を見たあと次は上半身、上半身は、最後に転んだのを合わせてもほとんど無傷で終わっている。剣は、その後吹き飛んだのか関係ないところで傾いてぶっ刺さっていた。足以外は目立つ損傷もなく命に別状はないだろう。

早く自分の回復が終わったら彼を治療しないと。





??????

「チッ」

この身体だとこの程度にも耐えられねぇのか。完全顕現とは言えねぇなぁ。

でも"あいつら"はこの地に到着してるらしいしそれまではこいつを見守っとかねぇとな。にしても懐かしい剣だ。こいつを頼んだぜ。

シューの意識を攻撃の時だけ乗っ取った彼は今後登場することは無いがどのようなふうにシューと絡んでくるのか……





意識が回復した途端足にものすごい激痛が走った。

今後かなり重要な伏線が隠されまくってますねはい。回収を楽しみにしていてください。いつになるか分かりませんが。


筋肉が裂けるのってめっちゃ痛そうですよね。まあ要するにシューはそんな感じです。想像しただけで気分が悪くなりますねぇ。

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