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本当は正しかったかもしれない阿Q

「私思うんだけどさー…」


と突然サブ美ことサブ美(ミーちゃん)


「何?サブ美(ミーちゃん)


と、私メイ莉加


このお話の主人公は

私、メイ莉加でいきます。


「阿Q正伝の阿Qって意外と正しいのかもしれないって

思うんだ」


サブ美(ミーちゃん)


「何故そう思うのでしょうか?」


と、ちょっと不思議そうにサブディーナ先生


「はぁ?あんなどうしょもない奴のどこが正しいの?

しかも犯罪みたいな事もしてるんだし」


と、ちょっと怪訝そうに千サブさん


「そもそも阿Q正伝って何?」


と不思議そうにサブ恵ことサブ恵(エッちゃん)


「阿Q正伝とは昔の中国の物語だ!」


どや顔で自信満々なサブ美(ミーちゃん)


「それだけじゃちょっとわかんないよ~

もうちょっと詳しく説明してくれる?」


と私メイ莉加

本当に言葉の通りだよ


「阿Q正伝とは、ざっと説明すると

中国の作家の魯迅が100年前

1921年12月4日~1922年2月12日

まで新聞、晨報の習慣付録に一章づつ発表された

魯迅唯一の中編小説だ

詳しくはあとがきの参考文献を自分で調べてどうか!」


「そうなんだ~」


サブ恵(エッちゃん)


「まず、あらすじは?

私は大体知ってるけど、おさらいって事で」


ちょっとクールに澄ましながら千サブさん


そこでサブ美(ミーちゃん)

またドヤ顔で


「ざっくり説明すると主人公の阿Qは最下層の日雇い労働者の男で

その日ぐらしをしてる上に

周りから迫害を受けてせっかく金持ちになれても

運悪くすぐ貧乏に逆戻りして、しまいには

有らぬ濡れ衣を着せられて処刑されちゃうってお話」


「ひどい話だね相当、色々…」


とちょっと引き気味に、可哀相に憐れむ感じで呟く

私メイ莉加


「でもその話って主人公である阿Qの方にこそ

非がある

一番原因、諸悪の根源って結構有名だけど?」


疑問そうに千サブさん


「問題はそこだ!」


とズバッと威勢よくサブ美(ミーちゃん)


「さっきも言った様に阿Qは自分の住んでる村の連中に

迫害されてたそうじゃないか!?

まず阿Qは貧乏だからか村の祠で寝泊まりしてて

それを土地神様とか悪口みたいに言われて馬鹿にされて!

舞台と時代の設定が清朝末期って事は近代だけど

封建社会でまだまだ中世みたいなもんだから

格差社会や身分制度やそれ原因の差別もひどくて厳しい筈だ」


と力説するサブ美(ミーちゃん)


「でもその阿Qは自惚れ屋、ナルシストで

自分はこの世界で一番偉大な人物とか思って勘違いしてて

子どもがいないどころか結婚もしてないのに、もし自分に息子がいたら

自分の住んでる村の名家の趙っていう偉い人?そこの

趙大旦那の息子、通称秀才より俺の息子は偉くなるって妄想してるじゃない

それで村の人達を軽蔑してる?八つ当つたりじゃない?」


「そこはそうだけど…」


千サブさんの疑問、質問に

曖昧に答えるサブ美(ミーちゃん)

続けて


「しかも阿Qは趙大旦那の趙家と自分の家は一つの一族だった

秀才よりも目上だ!とか村に言いふらして

勿論、趙大旦那はそんなことない!と全否定して

阿Qをボコボコに殴って役人に言いつけたかで役人は罰金まで要求する

阿Qは大人しく払ったみたいだけど

封建社会なら身分高い人や金持ち相手には大人しくしてない?」


と冷静に千サブさん


「そこだよそこそこ!

阿Qが嘘さえついてなきゃ

阿Qの家も昔は大金持ちだった筈で趙家と親戚の筈だ!

何らかの事情で没落して阿Qは貧困に喘いでるのかも知れない」


「そこもそうだけど…」


サブ美(ミーちゃん)の力説に

ちょっと戸惑ってウザそうな感じの千サブさん

さらに


「その上、阿Qは頭に禿が幾つもある上に

それを村人達にランプみたいだって馬鹿にされてるじゃないか?

人の見た目を馬鹿にしていじるのは良くないよ?

ルッキズムってやつじゃないか?

悪口いわれりゃ顔真っ赤にして怒るのも当たり前だ!

それに誰も褒めてくんなきゃ自分が自分を褒めないと

やってらんないよ?」


と、ちょっと真剣にサブ美(ミーちゃん)


「それに子供って絶対に作んなきゃダメなの?

それも男の子を…

そもそも結婚って何でかんでしなきゃいけないの?」


と私メイ莉加は

そう不思議に疑問に思って言うと


「メイ莉加~そこは100年以上前の中国だよ?

男尊女卑や年功序列バリバリの儒教が色濃い国の時代と社会だ

結婚して初めて一人前の男になって

そしてその後継ぎとして息子を欲しがるように

思っちゃうよ?」


と、ちょっと呆れた感じのサブ美(ミーちゃん)


「まぁそうだね…儒教の教えを

踏まえて考えたら」


と突っ込まれてちょっとトホホな私メイ莉加

実際、そうだしな…


「けど、その阿Qは女子供とか男でも自分より弱そうな奴とか

絶対に勝てる相手には偉そうに横暴にふるまってたって話だけど?

それで自分より強そうな奴や偉い人には睨み付けるだけ

それは卑劣で卑怯じゃない?外地蔵内弁慶っての

そもそも阿Qは村人たちを軽蔑してるって事は

普段の態度が本当に悪いんじゃないの?

それだったらフォローできない」


と冷静に千サブさん


「身体的特徴を悪口で指摘!いじられたら誰でも

怒るのは当たり前だろ?先に馬鹿にした奴が一番悪い!

もしかしたら村人達の方から先に悪口を言ってたのかもしれないぞ?

それにさっきも言った通り舞台&時代設定が清朝末期で…!

いざ素手喧嘩(ステゴロ)なら多勢に無勢な時もあるし阿Qも絶対

さっきの儒教とかに影響されてたから強い奴や偉い人には

睨む事しかできなくって当然だ!」


と、これまた力説するサブ美(ミーちゃん)


「なら女子供や弱い奴にも睨むだけにすればいい

寧ろ偉い人に睨んだら後が怖くない?

いやそもそも誰相手にも睨んじゃダメだし

自分より勝てそうな相手にだけ突っかかるのが

いけないと思うけど?姑息、子ども同士の小競り合い?

それに普段の阿Qがひどいから村人達が

阿Qの身体的特徴を指摘して言い返したとかも想像できるし」


と、これまたクールに千サブさん


「でも睨んだからってさ、やっぱりこういう場合は

先に悪口言ったり手を出して暴力振るった方が

一番悪いだろ?

悪口言われたら睨みたくなるだろ?!」


と、これまた力説のサブ美(ミーちゃん)


「どっちがどう先にそうなのかの

設定はちょっとわかりませんね

魯迅の公式発表も無さげだし

詳しい方がいればそこら辺の情報をどうか」


と平静な感じでサブディーナ先生


「そこは作者に調べさせた方が良いですよ?

他力本願なんか…」


と冷たく千サブさん


「そうですね、そこでですが

作者の頭脳や知識では限界があるかもしれませんよ?

ですから念の為…」


とクールに返すサブディーナ先生


「あ…そこはそうかも、ですね

話を戻しますが、その阿Qは喧嘩で負けると

『世の中が悪くて間違ってる、今の世の中は

息子が父親を殴るようになってる

だから俺は息子に殴られただけだ』

とか思って満足してるみたいですが…?

ちょっと訳わかりませんよ?」


と意味わかんなそうに呆れる感じの千サブさん


「それは阿Qの代名詞ともいえる

精神的勝利法ですね」


とポーカーフェイスにサブディーナ先生


「自分に折り合いをつけるって必要だと思いますけどね

自己肯定感は低いより高い方が良いじゃないですか!?」


とサブディーナ先生に問いかけるサブ美(ミーちゃん)


「でも阿Qはその精神的勝利法とやらを

声高に口にするようになったって話だけど?

そういう事を言えば馬鹿にするやつは絶対いる

自衛がなってない、自分で弱点を敵に教えてるみたいなものだ

まぁすぐ敵だ味方だで決めつけるのも良くないけど」


とクールに千サブさん


「でも村人たちも阿Qに

『俺達人間は犬を躾けてるだけだ!』とか言って

押さえつけてたぞ?

んで阿Qは『俺は虫けらだ!勘弁してくれ!』

って言わされる羽目になってる

阿Qから先に殴ってきたんなら話は別だけど

そうじゃないなら村人たちも酷いぞ?」


と疑問そうにサブ美(ミーちゃん)


「今までの態度が悪けりゃ

ちょっとしょうがないんじゃない?

普段からやけ酒したり博打でお金を擦って無駄遣いしたりする

のもどうかと思うけどね…?」


とクールに千サブさん


「そこで村での祭りで隣町の人がやってる

博打場で勝って大当たりしてせっかくお金が儲かっても

『てめーは違う村のモンなのに勝ち過ぎだ!』

って理不尽な理由でオーナーみたいな人?

胴元に殴られてお金も取られるよ?

そこも精神的勝利法で『息子に金を取られただけ』

って澄ましてるし…

暴力は酷いし多勢に無勢だしね」


と、ちょっと憐れむ感じでサブ美(ミーちゃん)


サブ美(ミーちゃん)の、それを聞きながら

澄ます千サブさん


「ふぅん…あっそ」


「それに阿Qは自分で自分を殴って憂さ晴らししてる

幾らそれで自己肯定感がちょっとは回復しても

そんな自傷行為良くないぞ?」


と続けてサブ美(ミーちゃん)


「そりゃ自分で自分を殴るのは痛いよ…」


と引き気味にサブ恵(エッちゃん)


「そこでだけどその後、阿Qは

通り魔みたいなこともしてる

キリスト教を勉強して日本に留学した銭家の息子

が辮髪を剃り落とていて、その息子の事で家中大騒ぎしてるのを

知ったら阿Qは、そこの息子を偽毛唐、偽外国人って呼んで

その銭家の息子に出くわすと『ハゲ!』って言ってさ」


と吐き捨てるように千サブさん


「でも銭家の息子に杖で殴られるんだから

しっぺ返しの報復、制裁は受けてる」


と即座に突っ込むサブ美(ミーちゃん)


「言い訳が『あなたじゃなくって向こう側にいる子供に言った』

って言ってて酷いけどね

別の時だと通りかかった若い尼僧の頬をつねったりして

それでその尼僧は

『そんな事したら罰が当たって子孫が途絶えるぞ阿Q!』

と泣きながら逃げて行って

阿Qも『和尚の所に帰れ!』って怒鳴って笑ってたそうけど

本当に最低」


と吐き捨てるように千サブさん


「でもなんで村人も尼僧を助けないんだろう?

『女子供相手だと威勢が良いな』とか阿Qに言って笑ってさ

もしかして助けようとする前に

若い尼僧が『罰当たり』とかも言い返してすぐに逃げたから?

偽毛唐の方はキリスト教って事で、さもありなんの言わずもがな

かもだけど」


と私メイ莉加は思う


「だからそこは清朝末期で封建社会のほぼ中世で儒教の影響が…」


と、ちょっと困った感じのサブ美(ミーちゃん)


「尼僧って事なら宗教って権威の1つじゃない?

そこ関係の人を蔑ろにできないんじゃない?

宗教弾圧で悪名高い文革こと文化大革命は

大分先の1966年からの事だし」


とクールに問いかける感じの千サブさん


「もしかしたら尼僧は女性だから別にどうでも

って考えてたのかも…?村人達は」


とちょっと悲しげにサブ恵(エッちゃん)


「そこで尼僧の肌触りが忘れられない阿Qは

そこから子孫を残したいと思いつき

趙大旦那のところに転がりこみ

米つきの仕事で働いてるとき

近くにいた女中の呉媽(ウーマー)と世間話をしてる時

何をとち狂ったか阿Qは呉媽に

『今夜は俺と一緒に寝てくれ!』

ってお願いするんだよね…

これってセクハラで犯罪じゃん…」


とドン引きに千サブさん


「それは…無しだな」


私メイ莉加も引く…


「さすがの私も庇えないわーそこは」


と沈痛な面持ちでサブ美(ミーちゃん)


ん?男の人っぽい姿の影がどこからともなく出てきた?

教室のドアも窓も掃除用具入れも開いてないのに

何?って言うか誰…?

そんな風にちょっと考えてるうちに影が

はっきり出てきて…


「でも土下座したんだからあの時代の男にしちゃ謙虚だ

それに本当にレイプしたわけじゃないし

そこをその後、秀才に棒で散々ぶん殴られたんだし!

十分バチが当たってしっぺ返しもくらうじゃん!」


と、喋りだした…

その実体化した影を

よく見たら大サブ君じゃない?

今まで一体どこにいたの?


「はぁ?!

セクハラとかの性犯罪を正当化するの大サブ?」


と冷たく怒った感じの千サブさん


「そんなんじゃねーよ!

でも本当にレイプしないだけマシだろ?

あの時代すぐそうなる率の方が高いんだし!

ほぼ中世なんだから!」


と反論する大サブ君


「猥褻発言も十分いけませんよ」


と冷静にピシャリとサブディーナ先生


「今の時代はそうですよね…」


とバツが悪そうに大サブ君


「んで米つき場に逃げ込んだ阿Qは

しばらく米つき場で働いていると外で

隣の家のツォウチーサオが泣いている呉媽を慰めてるのを見て

ヤバいと思って屋敷の裏門から逃げ出して祠に戻ろうとしたら

役人に『お前が女中に手を出したから俺が動くはめになった

迷惑料を払え、今後趙家への出入り禁止と呉媽に何かあったら

責任を取り働いた給料をチャラにするのを約束しろ!』

と言われ、そうさせられたそうな」


と淡々と説明するサブ美(ミーちゃん)


「その日を境に村人は誰もが阿Qを避けるようになります

日雇いの仕事も小DON(シャオドン)という若者に斡旋されるようになります」


「そりゃそうなりますよ」


淡々と説明するサブディーナ先生に

そう答える千サブさん


「それで働けなくなった事により食事にありつけなくなった阿Qは

怒って小DONと長時間喧嘩をします、引き分けで終わったそうですが

やっぱりお腹がすいて村外れの寺に行き

若い尼僧に見られてるのもお構いなしに

寺の野菜畑の大根を盗んでいきます

しかし老婆の尼僧に見つかり

彼女が阿Qに立ちはだかるも無視して大根を盗んで逃げ

それを食べた後、村からも逃げ出ていきます」


と淡々と説明するサブディーナ先生


「本当にどこまでも最低最悪だな阿Qは

サブ美はこんな奴のどこがちょっとは正しいと思うの?」


と呆れた感じに千サブさん

それに対しサブ美(ミーちゃん)


「世の中が荒れてればそれに影響されて悪いことする奴も

出てきちゃうだろ?貧困が祟って犯罪をするなんて

もはや常識じゃないか?

だから世の中が貧しくなく差別も無ければ阿Qも

ちょっと変わってるけどまだ普通の人で

済んでたかもしれないぜ?」


と少し訴える感じで語り掛ける


「でも悪い事はしちゃいけないし

(まぁ悪役のていで作られた私が言っても説得力無いかもだけど)

人の生まれ持った性格は変わんないとも思うけどね」


と冷たく返す千サブさん


「それでも差別はいけないし食料は平等に公平に分配されるべきだ!

戦争の大半は貧しさが原因で起こるじゃないか?

『戦争は人を変えてしまう』

ってどっかの戦術諜報ゲームでも言ってたじゃないか?

だから貧困や差別も同じことだ!」


と訴えるようにサブ美(ミーちゃん)


「はぁ?そんなゲーム知らないし…」


と最もな事を言って澄ます千サブさん


「それで、その数か月後に阿Qは綺麗な服を着て

お金持ちになって村に戻ってきます

村人が探ってみると、彼は村を出てってから別の土地に行き

そこで(パイ)という挙人、別の大旦那の元で

働いていたみたいですが…」


「が?というと何かあるんですか?」


不思議そうにサブディーナ先生に問いかける

サブ恵(エッちゃん)


「阿Q的には白大旦那も無能に感じたらしく、さらにその土地の

方言だかの言葉遣いの違いや女性の歩き方が気に食わなくって

村に帰ってきてしまったとの事

そこでは清王朝打倒を目指す革命党の斬首の処刑があり

面白かったと意気揚々と語るのです」


と淡々と説明するサブディーナ先生


「なんかもう改めて聞いて色々人格を疑うなぁ阿Qは…」


ウンザリ呆れ気味の千サブさん


「でもそれが功を奏して村の人は阿Qを見直し

敬意を払う様になるんだよな、村人も調子が良いな

趙家のお隣さんのツォウチーサオは安値で

阿Qから絹のスカートを買い

それを他の村人に見せ『阿Qに頼めば安く買える』

と教え、その噂が広がると村の女性は

避けてた阿Qを追い掛け回すようになります」


「まー村人達の方も調子が良いんでやんの」


と、ちょっと呆れた感じのサブ美(ミーちゃん)


「んじゃ私が説明します!良いですよね?

サブディーナ先生」


「ええ、かまいませんよ」


サブ美(ミーちゃん)にそう答えるサブディーナ先生

積極的なサブ美(ミーちゃん)

なかなか良いんじゃないの?と思ってる感じの表情だ


「それを知った趙大旦那は阿Qを呼び出し

『それなら自分達にも売ってくれ』と頼みます

それに対し阿Qは商品は売り切れてしまったと

いまいち乗り気じゃない」


と説明するサブ美(ミーちゃん)


「なんでなんだ?」


と不思議そうに大サブ君


「それを怪しく思った村人が阿Qにそこを聞くと阿Qは

『実は手練れの泥棒についてって白大旦那の屋敷で盗んだものを

受け取る手伝いをしてたけど中で騒ぎになったから

盗品を持って村に帰ってきた』

とかペラペラしゃべりだす始末」


と説明するサブディーナ先生


「もう…ダメ過ぎてなんて言って良いか…」


と呆れ果てた感じの千サブさん


「そんな中、革命軍が中国各地を占領し始めた頃

趙家の船着き場に白大旦那が船で

『革命党に襲われた、助けてください』

と助けを求める、その船には衣装箱も乗っけていて

趙大旦那は白大旦那を助けて衣装箱などの財産も預かるのです」


「ほうほう」


と私メイ莉加も気になり

サブディーナ先生の話に聞き入る


「そこで白大旦那がここまで逃げてくるのは

革命軍が攻めてくるからだろう

と村では噂になり、それを聞いた阿Qは白大旦那でも

怖がる革命軍に対し阿Qは憧れ

『良いぞ謀反だ!』と革命を賛美する歌を歌いだします」


と説明するサブディーナ先生


「寝返りが早くない?」


と私メイ莉加も不思議に思う


「それを村人たちは怖がり趙大旦那も心配そうにします

その時、趙家は高価な衣服を衣装箱にしまうのを見た阿Qは

大喜び、もし村人達が命乞いしても助けてやらないぞ!

そして財産や女中のウーマーは自分のものになる!と思い

浮かれます」


と説明するサブディーナ先生


「まぁ自分を馬鹿にした奴は見返したいし助けたくもないわな」


と当然の様にサブ美(ミーちゃん)


「本当それだ!

でも俺だったら恩を売ってやってもいいと思うけどな!」


と、ちょっと意地悪そうに笑いながら大サブ君

サブディーナ先生は説明を再開し


「革命党員のヘアスタイルが村で流行ると当然

阿Qもそれにしようと思いつきます、しかし小DONが先に

そのヘアスタイルをにしてたので、先を越されたと

怒り狂い、こうなったら革命党に入り本物になるしかない!

と革命党の知り合いを足掛かりに革命党に入ろうと

しますが門前払いされます」


「あらま」


と、ちょっと残念そうなサブ美(ミーちゃん)


「その後、居酒屋でやけ酒をし祠へ戻ろうとする阿Qは

小DONを見かけます彼は

『趙家のお屋敷で略奪が!』と言い逃げていきます

小DONの後を追いていった阿Qは革命軍が趙家の家財を

略奪していくのを目の当たりにします」


「はい、それでどうなりましたか?」


と私メイ莉加は続きが気になるので不思議そうに

サブディーナ先生に聞いてみる


「そこで阿Qは

『何で俺に断りなく趙家から略奪してるんだ?』

と苛立ちながら祠に戻りました」


「サブディーナ先生、なんで阿Qは縁もゆかりも無い上に

門前払いされた革命党の連中が挨拶に来ると

勘違いしてるんですか?」


とウンザリした感じの千サブさん

それに対しサブディーナ先生は


「門前払いしたあいつらが全部悪い

と、考えてるそうです」


そう答える、それに千サブさんは


「ほんっとうにわけわかんない…」


さらに意味がわからなそうに

ウンザリする


「そのことで阿Qや村人は

ざまぁとほくそ笑みながらも怯えて暮らしていました

でも略奪から数日後、阿Qは警察や兵士に

包囲され連行されて留置所に入れられます

そこで尋問を受けるのですが腰が抜けたのかひれ伏してしまい

『立って話せ!』と脅されます」


と淡々とサブディーナ先生


「そりゃ無実の罪で連行されて

こんな状況になれば

怖くてそうなるかも…」


と、ちょっと同情した感じでサブ恵(エッちゃん)


「そこで幹部らしき男性が出てきて

『奴隷根性めはっきり言え、数日前趙家で略奪をした

仲間はどこにいるんだ?』

と聞かれ阿Qは

『知りません、俺を無視してどこかに持ち去ってしまいました』

と愚痴りました

幹部らしき男性はさらに『ほかに何か?』と聞き

『ありません』としか阿Qは答えられない」


「そりゃ無実の罪じゃそうとしか言いようがないな」


サブディーナ先生の説明に

そう言い放つサブ美(ミーちゃん)


「そこで側近が書類を持ってきて阿Qに署名をさせようとします

文字の書いたことのなかった阿Qは

『書けません』と答えると側近は

『じゃあ簡単に丸を書けばいい』と指示して丸を書かせますが

上手く描けません

そしてまた牢屋に戻されます」


「へー阿Qは字が書けなかったのか

まぁ昔あるあるだな」


サブディーナ先生の祖の説明に

澄ました感じで大サブ君


「そこでも阿Qは丸が上手く描けないのを気にしますが

でも人は生まれたら留置場に入ったり時には

丸が上手く描けない事もある筈だ

丸が上手く描けなかったのは最大の失敗かもしれないけど

これから生まれる筈の息子や孫が上手く描くだろう

と、お得意の精神的勝利法で思い直します

そして阿Qは眠りにつきます」


「本当に都合よく考えるんだな…」


サブディーナ先生の説明に

そういうしかなくなってる感じの千サブさん


「翌朝、阿Qはまた連れ出されます

そこで幹部らしき男から

『何か話すことはあるか?』と聞かれ阿Qは

しばらく考え込むと『ありません』と答えます」


「それで、どうなるんですか?」


私メイ莉加は気になってくる…

のでサブディーナ先生に聞いてみる

そうしたら


「その直後阿Qは側近に喪服のようなチョッキを着せられ

留置所、役所の外に連れ出されます

大勢の観衆の前で車に乗せられ銃を持った兵士に連れていかれ

阿Qはもしかして俺は処刑されるのか?と想像します

そこでも阿Qは精神的勝利法なのか

誰だって首を斬られることくらいある、と考え直します」


「ひゃー!そんな時までにそう考えれる

そのタフな精神

逆に見習いたいぜ!」


大サブ君はサブディーナ先生の説明の阿Qに

かなり驚いてる感じだ…


「その観衆(ギャラリー)の中に趙家の女中であった

ウーマーを見つけます

実はウーマーは阿Qがトラブルに見舞われているとき

役所に勤めるようになった、とあります

でもウーマーは阿Qではなく銃に見とれています」


「それで…?」


私メイ莉加はサブディーナ先生に

聞いてみる…


「そして阿Qは銃殺で処刑されてしまいました…

そこで見物人達は銃殺刑じゃ物足りなかったらしく

『斬首刑の方が面白かった』などと言い放ちます、その上

『役人に長いこと連れまわされてたのに遺言も無いのはな』

と観衆に愚痴られる始末です…

以上が阿Q正伝のあらすじでした」


とポーカーフェイスに占める

サブディーナ先生


「う~ん…なんというか…」


私メイ莉加は感想に困る…


「これは当時の中国本土の国民性を批判した

風刺作品です…」


サブディーナ先生は

そう教えてくれるけど…


「サブ美、あんたこの話の主人公の阿Qがどこがどう

正しいと思うの?

そんなとこなんてどこにもない感じに思えるけど?

ワケわかんないよ?」


そう疑問を投げかける千サブさんに

サブ美(ミーちゃん)は…


「それは…!」


続く

参考文献

ウィキペディア

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BFQ%E6%AD%A3%E4%BC%9D


杜矢A士のアニメーション文学 Eiji Moliya's Animation Literaturez

https://www.youtube.com/channel/UCURzxOQAUBDD_2D-nsk_3uA

魯迅著「阿Q正伝」をアニメで読破!

https://www.youtube.com/watch?v=rqlOIO0i7Pg&t=311s


ポンティアーノ伯爵夫妻の本棚

https://www.youtube.com/channel/UCWjUP1ivMwKLm4mK-5zFvTA

【阿Q正伝①】ネガティブ思考なあなたへ~狂ったポジティブ思考で死刑になった男の話【魯迅】

https://www.youtube.com/watch?v=-o47Ilj_Vlo&t=2s

【阿Q正伝②】危険なストレス解消法!あなたは真似できますか?【魯迅】

https://www.youtube.com/watch?v=Qz2C807rs4I

【阿Q正伝③】惨めな阿Qを我々は笑うことができるのか?【魯迅】

https://www.youtube.com/watch?v=EBV9uvoBmtE

【阿Q正伝④】ボーっと生きているあなたへ~冤罪で死刑になるQ様【魯迅】

https://www.youtube.com/watch?v=Xmeyx7AQbyw

【阿Q正伝⑤】処刑される阿Q・感想と解説【魯迅】

https://www.youtube.com/watch?v=TleqFSPDfYw

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