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世界情勢エッセイ

100年続くイスラエル・パレスチナ問題 いったいなぜ争い続けるのか?

作者: 中将

※本稿は各宗教についてほとんど知らない方に対しても分かりやすく解説しています。

 詳しい各宗教の教義とは異なる可能性があることをご容赦ください。

筆者:

 今回はご覧いただきありがとうございます。


 さて、今回はユダヤ人がパレスチナに移住して100年、イスラエル建国から約80年続く「イスラエル・パレスチナ問題」についてみていこうと思います。

 この際ですから歴史を振り返り、問題はなぜ発生したのかについて分析していきます。



質問者:

「50年前の第4次中東戦争で、エジプト軍がイスラエルに宗教的な祝日の日を狙って奇襲攻撃をかけ、エジプト軍が大勝利を収めた出来事がありました。今回のハマスもここをついてきた可能性は十分にあり得ます。」テレ朝ニュース23年10月7日より


 とかあるんですけど、ここは随分前から争っていますよね?

 何でそんなに争いが絶えないんですか?



筆者:

 物凄くザックリと解説させていただきますと、

 エルサレムには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、それぞれの聖地になっています。

 というのもこの3つの宗教はいわゆる「旧約聖書」と呼ばれるものが共通しており、

 その「約束の地」とされているのがエルサレムなのです。


 特にイスラム教の一部の過激派はジバード(聖戦)を行えば天国で救われる保障があるという経典があり、自分の教理に真っ向から反してエルサレムに居座るイスラエルを敵視しているのです。


 それに対してイスラム教のユダヤ人は「自分たちこそ約束の地に相応しい選ばれた民族」とし、真っ向から戦いを挑んでいるのです。


 この2つの宗教をバックに従えている国は特に争いが絶えないのです。


 参考程度にキリスト教がエルサレムについて争っていないのは、すでに救世主である「イエス・キリスト」が現れ、「再臨」を待ち望む形なので場所そのものにこだわっていないわけです。

また、ユダヤ人がエルサレムを占有することについては近年同意していそうですからね。

 (かつては、イエス・キリストを処刑したということでメインにユダヤ人を迫害していたのはキリスト教徒でした)



質問者:

 なるほど……三者三様の価値観があるので争いが起きているわけですか……。

 宗教観の違いともなれば一朝一夕に解決しそうにありませんね……。


 ところで、イスラエルはアメリカやイギリスが支援していますけどあれはどういうことなのでしょうか? 



筆者:

 そもそもどうしてイスラエルという国が建国に至ったのかについて理解があると、イギリス、アメリカの支援と抗争の原因が分かります。


 話は凄く遡って、ローマ帝国によって古代イスラエル王国が滅んだ紀元前後まで戻ります。

 彼らユダヤ人は国は滅びても「約束の地」について諦めず、何世代にもわたってヨーロッパ各地を迫害(最も大きいのがドイツ)されながらも渡り歩いていました。


 そんな中、行きついた先がイギリスでした(イギリスでも一時追放されたりした)。

ユダヤ人はアイデンティティを維持しながらも金融分野などで目覚ましい発展を遂げ、イギリスでの「貴族」の地位を手に入れたりしました。

 かの都市伝説などで有名な「ロスチャイルド家」もその一つです。


 そんな中、第一次世界大戦でイギリスが戦勝国の1つとなり、

 1917年にバルフォア宣言で、ユダヤ人がイギリスに協力する代わりに、パレスチナに「民族郷土」(ナショナル・ホーム)を作ることを承認しました。

 そして、オスマン帝国から1918年にイギリスに割譲されると、ユダヤ人たちが移り住んできたわけです。

 


質問者:

 それでもともと住んでいた、オスマン帝国時代からもともと住んでいたアラブ人たちとの長い争いが始まったのですね?



筆者:

 いえ、当初はあまり数は少なかったようです。

1922年6月3日チャーチル白書で設定された、ユダヤ人のパレスチナへの移民枠の拡大、

 そして1930年代にはドイツナチス党の権力掌握でヨーロッパからの大量のユダヤ人流入が起こりアラブ人との間で土地を巡る対立が深まり、1936年にはついにパレスチナのアラブ反乱が起きました。



質問者:

 なるほど、やはりナチスから歴史が動き出したのですね……。



筆者:

 第二次大戦後にイギリスは各地の植民地を維持できなくなったことやイスラエルとパレスチナの対立の激化からついに植民地支配を諦め、1948年にはイスラエルがついに独立宣言をしました。


 それに対してアラブ諸国がイスラエル独立を阻止しようと1948年からの中東戦争に発展したのです。

 そして、イスラエルが独立を守ってくれとイギリスとアメリカに支援しました。この両国には大統領に対してはそこに住んでいるユダヤ人が金銭的に支援していることや、第二次大戦でもお金を出したこともあって防衛にお金を出しました。


 また、アラブ諸国の後ろには旧ソ連などの東側諸国が付いており代理戦争の様相を呈しています。


 この流れが今の21世紀、令和の時代にも引き継いでいる感じですね。


 ただ、今回はパレスチナ・ハマス側が仕掛けましたが、元をたどれば入植政策によって外部から来たユダヤ人によって問題が起きたのです。

 つまり、パレスチナ側は平和に住んでいたところを100年前から“侵略”されたという見方もあるので“被害者”と捉えることもできるのです。

 

かといってイスラエルとしても「ユダヤ人の約束の地」のために散々迫害の歴史を歩んできましたからね。


ここら辺は本当に複雑なところで、どちらが「善」か「悪」かで一言で言いきれない状況なのです。


 

質問者:

 まさしく100年前やもっと昔から見ていかないと何もわかりませんね……。



筆者:

 ちょっとざっくりし過ぎていていっぱい端折っちゃっていますけどね(笑)。


 ここ数年のイスラエルVSアラブ諸国の中でアラブ諸国の筆頭格はイランです。


 イランがパレスチナを支援するとともに、シリアやレバノンの武装組織「ヒズボラ」を支援し間接的な攻撃を断続的に仕掛けているわけです。


 イスラエルは最近ではこの根源であるイランを敵視しており「オクトパスドクトリン」を打ち出してイランを直接攻撃しようという考えもあるようです。



質問者:

 なるほど、事実上のイスラエルとイランの対立な訳ですか……。



筆者:

 エゼキエル書38章ではロシアを先頭にイラン、エチオピア、 リビア、ドイツ、ポーランド、アルメニア、トルコがイスラエルの富を狙って攻撃を仕掛けてくる世界最終戦争の予言があるようです。

 一部ではこの戦争が「エゼキエル書38章」の戦争なのでは? と言われています。


 ただ、ここでエゼキエル書とは別に問題なのはこの2か国が核兵器保有国だということです。

 

 イランはまだギリギリ核保有国ではありませんが、ウラン濃縮度が90%に近く、90%に達すると核兵器以外では使用できないと言われている危険水域です。


 とにかく宗教観の対立が根深ことから一度大爆発してしまえば核戦争にあっという間に到達しかねません。



質問者:

 なるほど、思ったよりも大変なことなのですね……。


 

筆者:

 日本人として見たら「ほぉ~ん遠い国でまた大変ね」という風に思われるかもしれませんがただの対岸の火事として眺めてはいられません。


 先ほども申しました通り、アメリカ、イギリスとイスラエルは深い繋がりがありますから

戦闘が激化すると「軍事支援」を行うことが想定されます。


 そうなると日本に対しても「経済支援」を行うように要請があるでしょう。

 そうなるとまたしても国民の負担が増えていくのです。(個人的には国債を発行すれば良いと思っていますが“世間“がそれを許さないでしょう)


 また、この地域の紛争は更なる原油高やガソリン価格の上昇につながっていきます。

 このように僕たち日本人も“大火傷”するような対岸の火事なのです。



質問者:

 なるほど、日本にも影響が出るかもしれないのですね。



筆者:

 さらにイランの後ろにはロシアと中国もいるでしょうから、台湾有事のリスクも上がっていきます。


 というのも、アメリカはオバマ大統領時代に「2方面以上戦えない」と世界の警察を半ば諦めていますから、イスラエル・パレスチナ問題が起きれば「3方面目」の中国も動く可能性があるのです。


 台湾有事の際には尖閣諸島を奪取しないと航空での旋回が難しくなるのでこれも日本が他人事ではなくなってきます。



質問者:

 なるほど、危機がいよいよ迫ってきているのかもしれないわけですか……。



筆者:

 少なくとも今後そう言った視点で注視していく必要があります。

 勿論何事も起こらずに平和でいて欲しいですけどね……。

 これ以上罪のない民間人が巻き込まれて欲しくないですからね。


 ということで本日はご覧いただきありがとうございました。

 僕は日本の政治経済、マスコミの問題とともに注目の国際情勢について個人的・独自的な視点で解説しています。

 

 よろしければ今後もご覧ください。

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