バー村上。ヌコの隣で僕はその会話を密かに盗み聞きしている!!!!
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「永遠の18歳とか口が裂けても言っちゃダメだニャ!!!!
人として最低だニャ!人間のクズだニャ!!!」
ここはバー村上。人と動物が集う都会の隠れ家的バー。
緩やかな音楽は僕らの荒涼とした気持ちを快く癒し、グラスの打ち合うしなやかな音色は、僕たちの心を一層の静けさへと誘う。
今日は猫がいる。
こないだは、カエルが来ていたが、パンダが来た時は「ファンに見つかるとやばいから…」と言って、帽子とサングラスを深々とかぶっていた。マスター(ちなみに犬)は僕らにいつも特別なカクテルを差し出してくれる。
こないだのマスターのオリジナルのカクテル、「グリーンスプラッシャー・ザン・エニシングパラダイス」は、とびきり上等な味わいだった。
まるで脳髄にドロップキック。そのくらいスープレックスな味わいだった。
僕はそんなマスターの作る最高なカクテルが、舌の上で上等なメロディを奏でるのを感じながら、僕はカウンターの端から、猫の言葉に耳を澄ましている。
ちなみに僕はリアル人。正真正銘の人間。
僕がこのバーの存在を知ってから、僕はここの常連になった。
ただ「都会の隠れ家」だけにナイショにしといてくれ。
特に保健所には。
さて、猫の話。
彼は今日もとびきり吠えている。猫だから鳴いているというのが正しいのかもしれないが、彼もこの店の常連だ。猫だけに「ヌコ」と仲間内からは呼ばれている。
先程の発言は、彼が女子との集い(合コンと呼ぶ)に行った際、自己紹介の時、臆面も無く「永遠の18歳でーす!」と平気で言った女に対するイキドオリだった。
ヤツの怒りは本物だった。
誤解ないように言っておくが彼はリアル猫だ。肉球もあればツメも研ぐ。ふわふわとした動く物体を見ると追いかけずにはいられない悲しい性があるが、とにかくリアル猫だ。愛称とか怪物の類ではない。
その合コンの相手が人なのかリアル猫なのか、そんな事はどうでもいい。
このバーではそこまで相手を詮索するようなことはしない。
それがこの店のルールだ。
その♀(←猫か人か分からないのでとりあえすこうしておく)がその言葉を発した瞬間、「きゃはっ」みたいな顔をした事が、ヌコには本当に許せなかったらしい。怒りを収める事が出来なかったらしい。
いろいろな怒りが駆けめぐる。それは言葉にならない、生物の根元的激情の発露だ。とにかく殴りたくなってくる衝動に激しく駆り立てられてくる。
その発言が仮にメグライアンの口から発せられたものだったとしても(ちなみにメグライアンは世界最高の女だ)それを拳で黙らせる権利は全生物が有してるように思う。
この事については、僕もある意味、完全に同意見だ。
自分が永遠の18歳だと思ってようが、永遠のセブンティーンだと思ってようが、それは全くの自由。自由なのだ。
ただ大切な事は、そういう気持ちは心の中に秘めておいた方がいいという事。決して口に出してはいけない。出さない方がいい。
かく言う自分も永遠の30歳だと思っている。
この30歳という年齢はヒジョーにビミョーなのだが、実際30歳を経験してみると、実に居心地の良い事が分かる。
都合が良い時は大人顔出来て、都合の悪い時にはまだまだ若造っす!ヅラをする事が出来る。実に利便性の良い年齢だ。
ただ僕が心で永遠の30歳と思っているという事は、決して口には出さないようにしている。微妙過ぎて誰も意味が分からないからだ。
「アニマルプラネットをつけっぱなしにしてると、一日四回は出産シーンを見る事になるんだニャ…」
突然ヌコが話題を変えていた。少々疲れてきたのかもしれない。彼が「永遠の…」の女性を殴ったのか、とりあえず怒りは抑えて、その場の雰囲気をなごませる事にしたのかは既に不明だ。もうそれはどうでもいい事だが。
アニマルプラネットを知らない乞食共の為に説明を加えてやると、それはケーブルテレビでやっている動物専門のケーブルテレビチャンネルの事だ。
朝から晩まで嫌気が差す程、動物、動物、動物ばかりが流れてくる。
間違って朝から晩までつけっぱなしにしてしまっていると、動物見るのも嫌になってくるぐらいだ。
とにかく死骸(←野生生物の世界じゃコレはエサ)そしてフン、そして必ず訪れる『出産シーン』の連続は、ハッキリ言って『濃い』
濃すぎる。
日曜の昼下がりとかに見てしまうと、正直、かなり萎える。野生生物の見せるその圧倒的な『生々しさ』は、軽やかな日曜の昼下がりを全てブチ壊す程の強力な破壊力を持つのだ!!!!
それが軽く四回以上は流れる。出産シーンだけでもそのくらいはある。
見なきゃいいじゃん…と言われればそれまでだが、違うんだ…。そういう話じゃないんだ…。
「アニプラのナレーションは淡々とし過ぎてて不気味なんだニャ!淡々過ぎてスプラッタ度をより一層高めるんだニャ!」
確かに音楽もなく、淡々とナレーションだけが流れるアニマルプラネットは、ある意味不気味度が大変に高い。CM以外はたいてい地味だ。
上級者向けというか、コアマニア向けというか。志村のやってるバラエティ寄りの動物番組とはレベルがまるで違う。
それにしてもアニプラ見ていてつくづく思うのだが、そこに時々登場する世界的動物学者、デイビッド・アッテンボロー氏などは実に風格がある。知性的で紳士的。イギリス人の彼は古き良き英国紳士の風を今に運んでくれる。彼は動物を愛すると同時に「学者」でもあるのだ。
対して我らが日本の動物マスター、「ムツゴロウ氏」などは、どうしてこうも「変態おじさん」というイメージがつきまとうのだろうか?
僕のムツゴロウさんのイメージとしたら、満面の笑みで動物のフンに指をつっこみ「あったかいデスネー!」などと平気でほざく、『奇人』を通り越し『変質者』の域に入る現実逸脱者のイメージだ。
ただ、あんなムツゴロウさんですが、東大に在籍していた事もある、ある意味「学者」だ。
ただその時、「ムツゴロウさんすげぇ!」と思うよりも「東大そんなもんか?」と思ってしまうのが、ムツゴロウマジックなのだと思う。
「キダタローとキタローの違いが分からないんだニャ!」
ヌコはまた吠える。
ちなみにこの話、オチは無い。
ただ、キダタローは関東では思ったより知名度が低いという事だけを付け加えておく。
やれやれ。
<次回予告!>
マスターの正体がたぶん明かにされる!!!(と思うw)
<他にもたくさん作品があります!>
お気軽にお越しください!(^▽^)/
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