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第二話(臨死体験?)

ある日、アパートでテレビを見ていた。それはNHK大河ドラマの春日局が流れていた時代の事。


万年床に体育座りをしてドラマを見ていると、そのテレビの裏側にあるすりガラスの向こうにオッサンの顔だけが浮かんでいるのが見えた。


まぁいつもの事か。と少しだけ気にしながらなるべく見ないようにしていると、何故か隣の3畳パソコン部屋が気になり出した。


なんだ?


と思いつつもテレビを尻目に三畳部屋に目をやると、塗り壁の角の所、床から1メートルくらいの所にも顔が現れて部屋の中を覗き込んでいるのが見えた。


なんか気持ち悪いので、見なかった事にして仕切りのカーテンを閉めてまたドラマを見始めたのだが、今度はどうにも眠くなってしまった。


当時は朝方3時ごろまで起きて6時に起床って事を繰り返していたので、20時過ぎた頃に眠くなることは無かったのだが、何故かその時は目を開けていられない程に睡魔が襲って来た。


あれ?


と思うまもなく眠ってしまったようで、テレビも蛍光灯も点けっぱなしのままだった。はずなのだが、ふと目を覚ますと部屋の中が真っ暗。蛍光灯もテレビも消えていて何にも見えない状態になっていた。


『おかしいな、何で暗いんだろ』


と布団の上で仰向けに寝返りをうった途端に金縛りがきた。


またかー。


その頃は金縛りには何回もあっていたので慣れっこになっていたのだが、慣れていても気持ちいい物ではない。

何とか振り解こうと頑張っていたとき、いきなり馬乗りになって首を絞めて来た奴がいた!


『なになになになに!?!?』


ギューっと首を絞めてくる手の感覚に、呼吸できない苦しさ。

何とかしようともがこうにも体が金縛りで動かない。

相手も気配だけで何にも見えない。


『あー、これはダメかも分からんね』


と苦しい中考え始めたら、心臓の鼓動があれほど早鐘のように打っていたのに、急に大人しくなり、苦しさが消えると同時に鼓動も止まったのが分かった。


『あー、死んだのかー』


と、ぼーっと考えていたら、上半身がふわっと起き上がり、真っ暗なはずの部屋の中を見回す事ができた。

そこは部屋の中にある物全てが青く綺麗に光っており、自分も青く光っていた。


『綺麗だなー』


しかも体の重さ、というか、全てから解放されたかのような体の軽さを感じて、爽快感さえあった。


『気持ちいいなこれ』


フワフワした感じのまま、まだ抜けていない自分の足を見ると、途端に後ろから引っ張られる感覚があった。

まさにバタン!と言った感覚で自分の体に入ると、今まで止まっていた鼓動が復活して呼吸が始まった。


短距離を全力で走った後のような鼓動と呼吸をしながら起き上がると、そこに首を絞めていた何者かの気配もなくなり、ひたすら夜の部屋の景色が目の前にあるだけだった。


「これって臨死体験か?」


と、脂汗をかきながら荒い息のなか考えていた。


臨死体験ですかねー?


続くかも。

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