59. ねぇ、君に伝えたいことがあるんだ。
リヴィングストン・ラーネッド氏の書簡「父は忘れる」に強く影響を受けています。著作権的には切れているとは思いますが、問題があるようでしたらお知らせ頂くと幸いです。
ねえ、美香
僕は君のことが大好きだよ
それなのに、最近は厳しいことばかり言っていた気がするんだ
挨拶をきちんとしなさいとか
食事作法をきちんとしなさいとか
遊んでばかりいないで勉強しなさいとか
君がまだ小さな子供だということを
考えなしに叱りつけていたんだ
美香はまだ7歳だというのに
◇
僕はいつも仕事が遅くて、美香が普段何をしているのか
何が好きなのか知ろうともしなかったね
これからは一緒に過ごす時間を作ろうと思うんだ
一緒にご飯を食べて
一緒にテレビを見て
休みの日には一緒に遊びに行こう
◇
僕の誕生日
君は手書きの似顔絵をくれたね
「おとうさん、いつもみかとおかあさんのためににがんばってくれてありがとう」
それを見た時、僕は金槌で頭を殴られたような気分になったんだ
なんて愛らしい天使がいるんだろう
そして、僕は今まで何をしていたんだろう
◇
いきなり変わることは難しいかもしれない
でも、少しずつ努力したいんだ
いや、努力させて欲しい
君はまだ小さい女の子なんだ
僕はそれを忘れていたんだ
◇
これから少しずつ理解のある父親になるから
見守っていて欲しいんだ
お読みいただきありがとうございます。