41. 葵へ
葵へ
君が僕たちの元に来てくれて、僕と優奈の世界は大きく変わったよ
何もかもが初めてのことばかり、戸惑うことも多かったよ
葵へ
君は大きな声でよく泣く子だったから僕達はその度にあたふたしたよ
夜中に何度も起こされたこともあったよ
おかげで僕と優奈は寝不足さ
葵へ
君は友達を作るようになったね
君が交流範囲を広げるのは嬉しいけれど
なんだかさみしい気分にもなったんだよ
葵へ
君が初めて反抗した日
僕は叱ったけどほんとは嬉しかったんだよ
もう君は自分で自分のしたいことを決められるんだね
葵へ
君が一人旅した時
僕はずいぶん心配したんだ
でも優奈は落ち着いていて
僕のことをたしなめたんだ
あぁ自立ってこういうことなのかなぁって思ったよ
葵へ
君が彼氏とやらを家に連れてきた時
僕はどうやって引き離してやろうかと
心に黒い影を宿していたよ
でも、あまりにも好人物だったから僕は
結局嫌味の一つも言えなかったよ
葵へ
愛する葵へ
君がこれからもずっと幸せでありますように
君が愛情に包まれた人生を過ごせますように
僕も優奈も祈っているよ
いや、そうじゃないね
確信しているんだ
ただ、愛してる
ただ、愛してる
ただ、愛してる
今までも
これからも
君はただ僕らを見つめ
弾けるような笑顔を見せた
愛する葵へ
僕らの精一杯の想いを贈るよ
お読みいただきありがとうございます。