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39. 夏恋
何となく
今年の夏は特別なものになる気がした
涼やかなワンピースを着た君
髪を後ろでまとめる仕草も
団扇をあおぐ姿も
どれもこれも魅力的で
一緒に歩けることが
とても甘酸っぱい
幸せにあふれているように思えて
◇
COVID-19の所為で花火大会は中止
仕方ないね
二人で夕涼みがてら
手持ち花火を楽しむことにしよう
線香花火の細やかな灯火が
君の横顔を映し出す
おそらく僕は惚けていたんだろう
それだけ君は美しかった
僕の靴に少し焦げ目ができて
二人で大騒ぎ
◇
君は自分のことを私って言わずに自分の名前で言うよね
君の名前は好きだからそれでもいいんだけどね
でも子供っぽいその癖も含めて君の全てが好きになる
ねぇ、こっちを向いて。夏美
島猫。 様ご提供
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