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21. 君に近づく距離

少しずつ


少しずつ


近づくたびに動悸を感じる


心がキュッと締めつけられる


これは病気なのかしら


あなただけに反応する病


秒速一メートル


あなたが歩く速さ


胸がトクンと早鐘を打つ


少しずつ少しずつ


近づいていく


少しずつ近づいて


少しずつ遠ざかっていく


あなたの足音が遠ざかっていく


気がつけば瞳には涙


桜の花びらのようにハラハラと流れ落ちる


ある映画で言ってたよ


桜の花びらは秒速五センチメートルで舞い降りる


私の涙も舞い降りる


幻想を打ちこわすように足音が遠ざかっていく


あなたのことを好きになったよ


あなたのことを好きになったよ


あなたのことを好きになったんだよ


私の足は歩き出す


秒速五センチメートル


秒速一メートル


もっともっと速く


もっともっと速く


あなたの元へ……




あなたに伝えたいことがあるんだ


あなたに知ってほしいことがあるの


ただ、あなたに




驚かないで


聞いてね







お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 映画か、ドラマのワンシーンのような 「あなた」が「私」の横を通りすぎ、 しばらくして、意を決したように「私」が振り返る そんな場面が浮かびました。 描写が素敵で、何回も読み返しました。
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