13. こじらせた恋だってことに早く気づいてっ
言いたいけど言葉に出来ない
おはようって、声をかけられてふっと振り返るとあなたがいて
お日様のような笑顔
陽だまりをつくる
どう応えればいいんだろうって
ドキドキ、そわそわ、所在なさげに
まるで怪しい人みたい
ねぇ、いつも僕と話してる時は
そわそわして落ち着かない感じだね?
気づかれた〜
どうしよう、どうしよう
心臓は大きく鼓動を打ち
何か気の利いたことでも出てくればいいのに
私の口からはひゅっと風を切ったような音が出るだけで
その後はえー、とかそんなことないよってかすれた小声が
朝の校舎に消えていく
ねえ僕はもっと君とおしゃべりしたいな
そんなこと言ったって
私はもういっぱいいっぱいなんだよ
何を話せばいいっていうのよ
今日はいい天気ね、とか
今日私日直だから、とか
ああ馬鹿馬鹿、ホントはいっぱい話したい
なのに口から何も出て来ない
そんな私を困ったように見つめるあなた
やめて、そんな顔しないでって心の中で叫んでる
何か気の利いたこと言わなきゃって
心の中では思うのに
えっとね
言葉が紡げない
私ずっとあなたに恋してる
片恋を拗らせてる
恋の成就は自力本願
分かってる
分かってるんだけど
それでも、ねぇお願い気づいてよ
他力本願、願ってる
私の初恋あなたに届け
お読みいただきありがとうございます。