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9話 あらすじを書いてみたんだ!

学校というのは毎日ある。

昨日安土さんと水族館に行って疲れたとしても、次の日には学校がある。


今日は少し早めの起床だった。

ガチで眠い。

足が痛い。

水族館に行っただけでこんなに疲れるのか?

少なくとも俺はこんなにも疲れないと思うけどな!


眠いし、寝ぐせひどいから風呂入るかー


瞬は移動し、ズボンを脱ぐと・・・


「なんじゃこりゃー-!!」

左足の太ももを怪我してるじゃあないですか。


こりゃ痛いわけですわと、思い、さっきから足が痛かったのは疲労ではなく、怪我しているからだったことを悟った。

左足の太ももが擦り傷を負っていて、風呂なんかに入ったら痛すぎて死ぬ気がするのでやめておいた。また、この怪我を見て眠気が覚めたというのもあった。


風呂に入らなかったから微妙な時間なんだよな~

そんなことを思いながら昨日の安土さんの姉の美城みき先輩の顔を思い出した。

このクズは無意識に普通に失礼なことをかました。


「あらすじ・・・書くか!」

眠気も覚め、朝なので気分もスッキリ。

足を怪我しているということ以外ならコンディションは完璧である。


やっぱり王道ラブコメで行くか・・・

俺は人よりはオタク趣味である事は自覚しているが、小説に関して言うとなんも知識がない。というより読んだことすらないかもしれない。


やっぱり小説って設定が大事だからなあインパクトある設定にしたいな。

そんなこんなで悩んでいるうちに記念すべき第一案を思いつく。


舞台はここ日本。

何も取り柄がない高校生である。

そんな人間でも一つ熱狂していることがある。

そう、今話題のe-スポーツだ。

そんな彼と偶然野良であったゲーム女子との王道ラブコメ!!


どうだ!これで!結構自信作だぞ!


よし、そうと決まれば学校に行くか。


     ◇


あ、いた。

「安土さ~ん!」

俺は今日気分が良いため、遠くから席に座っていた安土さんを呼ぶ。


「な~に~!」

やはり安土さん、ノリがいい。


「出来た!出来たよ!」


「な、何が?」


そりゃそうだ。

いきなり出来たと言われても大抵の人は「は?」ってなるだろう。

そうなる理由はもちろん主語がないから!

99%の確率でこの手の問題は主語を入れるだけで伝わるようになる。


「あらすじを書いてみたんだ!」


「お〜書いてきたんだ。見せてよ」


「はいこれ」

俺は得意げな顔つきで渡した。


「う~んと~・・・い、いんじゃないかなあ~」

みゆは俺の顔色を伺うように言ってきた。


「だよね!めっちゃいいよね!」


「はははは、一様お姉ちゃんにも見せておくね」

なぜかはわからないが、苦笑している。


いつの間にか授業が始まる5分前になっていた。


あれ?ない・・・やっべ教科書忘れた。

ここでの俺の選択肢は1つしかない。

このまま乗り切るということだ。

だが、今の俺は違う。

そう、隣の席に友達がいるからだ!

隣の席の安土さんに借りよう。

俺は申し訳なさを演じて安土さんに身を寄せる。


「教科書見せてくださいお願いします」


「うん、全然いいよ」

みゆはそう言いながら机をくっつけた。


そして、授業が始まるとなんだか安土さんの様子がおかしい。

今は国語の時間。

国語の授業では隣の席の人と意見交換をする時間が多いのだが、いつもと安土さんの言動が違うような気がする。


そう、この予想は大当たりなのである。


みゆは瞬が近くに来たときに、昨日の水族館の帰りに転んだ時に庇ってくれたことがフラッシュバックしたことでまたしてもみゆの心拍数が上がる。


そのため、心臓の音が瞬に聞こえないようにするのが精一杯だった。


好きなのがバレたくない。

そんな一人の乙女が一人増えたのであった。

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