H1 森のくまさんの名前
ある日 森のなか くまさんに 出会った
花咲く森の道 くまさんに出会った
小三のとき、学校の音楽のテストで、これを歌った記憶がある。
「今回のテストは『森のくまさん』です。しっかり練習しましょう」
音楽の先生だった井丸は、ダミ声でそう言い、俺の方をチラリと見た。
これは悪意があるだろ。ほとんどの同級生も俺を見ている。
顔から火がでそうなぐらい恥ずかしくなったが、気づいていないふりをして、無理やり前を向いた事は、今でも覚えている。だからこの曲は嫌い・・・トラウマになっている。
そもそも何故俺の名前が『三熊 森』という変な名前なのかを説明しよう。
もともとの名字は佐藤だった。だが元の父が、道端の石に躓き、打ち所が悪かったのであっけなく逝く。
それは俺が五才の頃の事。そして母、旧姓小林 千秋は「一人でこの子を育てるなんてできない!」と思い、今の父・・・三熊 重明と結婚する。
まあそんなことだから、こんな名前になったのだ。
だがこの名前で助かったこともある。中学生の時、もともと話すのが上手くない陰キャの自分も、この名前で憶えていたクラスのキャピ系の人たちと、お近づきになる事ができた。一か月経つとみんな離れたが、それを面白そうに観ていた隠れ陽キャの人と仲良くなり、そこにもう一人来て、『友達』になれたのは良かった。高校になっても仲良くしている。
だが、やっぱりこの『三熊 森』という名前はもう嫌だ(>_<)
『三熊』+『森』=森のくまさん。(;・∀・)
え、ぁ、はい。私は『森のくまさん』は好きですよ。普通に。