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7話 魔法を使ってみよう パート2

 遅れてしまいすいません。

 目が覚める。これほどよく眠れたのは前世含めていつぶりだろうか?

 体の上では、琴葉が眠っていた。そのあまりに気持ちよさそうな姿に起こすのは可哀そうだと思ったため、俺のベットに寝かしておく。


 結局、あのまま母さんの膝の上で眠ってしまったらしい。その後自分のベットに移されたようだ。

 今までは7歳児を演じていたからある程度平気だったが、高校生としての記憶を受け入れた俺は、非常に恥ずかしかったりする。だが、それ以上に母さんの温もりは暖かく心地よいものだった。

 そして、初めてできたこの居場所、それをくれた母さんには、感謝は尽きない。母さんなら気にしなくて良いと言いそうなものがだが、その感謝だけは忘れてはいけないと思う。


 そして、これからは自重をやめようと思う。と言っても、何かこれ、というものがあるわけではないのだが、今まで隠すべきだった現代の知識などを隠さないというだけだ。

 強いて言えば料理とかの時に前世の料理を作るとかだろうか。


 そして、自分を受け入れることができた今、試したいことがある。それは、今魔法を使ったらどうなるかということだ。 

 正直、あの時病んでたから、花が淀むのも当たり前だと思う。だから、今なら、どうなるのか試してみたいのだ。

 そして、それを母さんに見てもらいたい。


 ということで、母さんを呼びに行った。


「母さん、魔法使いたいから、見てくれる?」


 あの時とは違い、特に気負いもなく話すことができるというのは、精神的にすごく楽だし、何より母さんに対して、何かを取り繕う必要がないのは、素直に嬉しい。


「もちろんいいわよ」


「ありがとう」


 そうして、連れたって向かう―――必要もないので、ここで、魔法を使う。

 まずは、花に魔力を注いでいく。以前のように存在の揺るぎを感じ、成長をイメージし現実を歪めていく。そして、


「よっし、母さんと似た花になった」


 そこにあった花は、コバルトブルーの美しい花が咲いていた。そこで、俺は、深く安堵した。

 存外に緊張していたらしい。おそらく大丈夫だろうと思っていても不安は残っていたみたいだ。


「やっぱり私の息子ね。奇麗な花じゃない」


「ありがとう。じゃあ、前の琴葉にあげた果物生やしてみたい」


「あれ難しいのよ。でもやってみるものよね、いいわ。やってみなさい」


 そうして、種を渡され、その種の存在を感じる。そのときに、母さんが含み笑いをしていたのが気になったが、とりあえず、やってみることにする。


「さっきと同じような感覚でいいんだよね」


 そういうと、母さんがうなずいたので魔力を注いで行く。存在の揺らぎを感じ、成長の過程をイメージする。そのときに、以前母さんが育てたものをイメージする。

 すると、以前のものには劣る、非常に弱いが輝きを宿したリンゴができた。


「母さん、できた…ってどうしたの?」


 そこには、表情を驚愕に変え、唖然としている母さんがいた。


「い、いえ、それが初めてで成功できたのに驚いただけよ」


 どうやら、この果物は、育てる難易度がかなり高いものらしい。母さんも幾度となく失敗したらしく、俺が失敗して、それをかっこよく教えるつもりだったらしく、それで悔しがっていたようだ。

 曰く、


「あなた、確か17歳で、母離れするような年じゃない。だから、エルにかっこいいところ見せたかったのよ」


 とのことである。


「別にそんな心配しなくてもに、母さんを尊敬してることはしてることは変わらないのに。だって俺たち、か、家族でしょ」


 少し照れてしまい、噛んでしまったが、母さんが感極まったような表情をしていた。


「そうよね、私たち家族だものね。これからずっと」


  こうして、魔法を使ってみた俺は、そろそろ起きるであろう琴葉のところへ行こうとしたのだが、母さんに引き留められた。


「なに?」


「あなたに一つ、教えようと思う奥義があるのよ」


 奥義と聞き、否が応でも心が躍る。


「それってどんな奥義!」


 思わず声が大きくなってしまったため、メアリは苦笑していたが、質問にはしかっりと答えてくれた。


「奥義と言っても、技術みたいなものなのだけどね」


 そうして、一拍起きはっきりとした声で母さんは言った。


「遠距離の魔法発動よ!」


 遠距離の魔法発動ということは、手を触れずに魔法を発動するということだろうか?


「そんなことができるの?」


「できるわよ、空気中の魔素を伝って、魔力を糸を伸ばすようなイメージでそこに魔力を注ぐの」


 言われて、自分の魔力を糸状に伸ばすイメージで魔力を引きずり出す。

 が、伸ばし始めてすぐに魔力が消えてていく。


「なんか、魔力が無くなって行くんだけど?」


「うーん、確かにかに聞いたことがあるわね。魔力との親和性があまりにも高い人は、自分の魔力と、大気に満ちる魔力との区別がつきずらいから、自分の肌に触れる範囲でないと、魔法がほとんど使えないって」


 なん・・・だと。

 夢の派手な魔法戦、弾〇ごっこが出来ないというのか。


 冗談はさておき、おそらく水の中で汗をかいても気が付かないのと同じようなものだろう。自分の中の魔力が外に出たときに、空気中の魔力と同化してしまうような感じだと思う。

 でも、母さんの魔力が発せられた時には分かるのに、自分の魔力はわからないのはなぜなのだろうか?

 母さん曰く、魔力の親和性が高いというのは、自分の魔力の質が、空気中のものに近いため、感じやすいからであるからということだった。

 だから、他人の魔力は空気中に出た、異物として捉えることができるようだった。


「でも、魔力との親和性が高いのって、悪いことばかりではないんでしょ」

 

「もちろんよ」


 もしそうじゃなかったら、引きこもる。多分三日は出てこない。


「あまり派手ではなないのだけどとても便利なものよ。例えば、昔聞いた話だと魔法の前兆が読み取れたり、魔力の回復速度が速くなったりするとかね」


 地味だが、有用そうな能力だな。

 あれ?でも、俺は何で戦う前提なんだ?

 でも異世界で魔物なんている世界なんだから、戦う機会ぐらいいくらでもあるだろう。だから、戦う力は、いくらあっても困らないだろいう。


「確かに便利そうな能力だね、でもそれ他の人にはできないの?」


「確かにできるわ。でも、感度が桁外れなのよ。戦闘中だったらその気が付くまでの時間が勝敗につながったりもするは。だから、とても強い能力と言えるわね」


「じゃあ、前衛として魔法剣士とかできそうだね」


「そうね、あなたはアベルに剣も教えてもらっているのだから、相当強くなれそうね。いつか、私たちを超える様なレベルにも」


 確かに、アベルは強いって聞いたからな。そんな人に鍛えてもらえるんだ。俺だって強くなれるはずだ。

 

 でもアベルって、どれぐらい強いんだろう?あれがこの世界の常識とかだったら、俺この世界で生き残る自信ないぞ。まあ、王族自らスカウトするぐらいなのだから、相当に強いのだろう。というかそうであってくれ。(懇願)


「それは楽しみだな、いつか、旅にも出てみたいし」


 そういうと母さんは、何故か沈痛な面持ちでため息をついていた。

 

「そうよね、いつかあなたも出て行ってしまうのよね」


 そういうことか、いつか母さんと別れるってことになるのはすごく寂しい。でもいつかは、自立しなければならないと思う。

 今ですら高校生のくせに、完全な紐で精神的につらいものがある。だから、いつか自立はしなければならないと思う。それに―――


「別に、それが今生の別れになるわけでもないのだから、大丈夫だよ。それに、旅立つって言ってもそんな直ぐにって訳じゃないんだから」


「そうね、それまで私に教えられること全部教えてあげるから。だから、旅に出ても必ず帰って来るのよ」


「うん、わかった」


 よし、そうと決まればこれから、修行とか頑張って行かなきゃな。


 こうして決意を新たに決めた俺は、()()()()()でこの世界を歩み始めるのであった。



 


 

 これからも不定期ながら、投稿させていただくので、ぜひ読んでください。

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