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11話 森を出たい

 大変長らくお待たせしました。(待ってる人いたか分からんけど)

 俺は、あの後少し考え事をしたくて一人で歩いていた。

 琴葉は母さんに預けてきた。


「まさか、ドライアドの立場ががここまで悪いとはな」


 多分この世界での身の振り方も考えなきゃだめだよな。母さんの話し方から町や村にすら入れないのだたと思う。


「でも、あれ?母さんって偶に村で買い物に行ってたりしたよな。どうやって行ってたんだ?」


「それはな、髪の色を変えてたんだよ」


「あぁ、なるほど―――っわあああ」

 

 って、え?は?何?

 混乱しながら、後ろを振り向くとそこには、アベルがいた。

 マジで心臓に悪いな。しかも、アベルってとこが最悪だ。俺の本能に刻み込まれた、恐怖の体現者。


「は?」


 アベルは呆けているが、この辺りは枯れ葉があって、どうやっても足音が出る状況だ。驚くのもおかしくははないだろう。

 どうやって近づい出来たんだ?マジでアベルは何者なんだ?

 謎は深まるばかりである。


「それにしても、髪の色を変えるってどう言うこと?」


「髪の色が魔力の属性を表すことがあるのは知ってるな?」


「うん、俺と母さんは緑の植物系の魔法だよな」


「あぁ、あれは一般より強い魔力を持った持った人間だけだけなんだ。ようは、自然に髪にまで魔力が流れて、それが髪の色を自然に変えるんだ」


「へぇ~。それで?」


「それでってお前。だったら髪に行く魔力を止める、もしくは、上書きしちまえばいいだろ」


 なるほど、そうすれば少なくとも見かけ上はドライアドだとバレないというわけか。


「アベルってもしかして、脳筋じゃない?」


「あ゛?」


 そういって、文字道理目にもとまらぬ速さで、俺の頭に手を伸ばしアイアンクロウをかます。

 おい、まて、それ以上は中身出ちゃうから、頭蓋骨ミシミシ言ってるから。


「ごめん、ごめんってば。そろそろ死んじゃ、死んじゃう、あばばばば」


「おい、大丈夫か…返事がない、ただの屍のようだ」


「いきてるよ!勝手に殺すな。てか、前から思ってたんだけど、アベルってなんで地球のネタ知ってるのさ」


 前から、〇ロリーとか、ム〇スカ大佐、おまけにドラ〇エだ。それは、気になるだろう。


「これ地球のもんなのか?俺の師匠が俺の修行の時に行っていた言葉まねしてるだけなんだけどな。あ、因みに師匠は元勇者な」


 あ、アベルの師匠、日本人だ。しかもかなり俺よりの(オタクよりの)人種だ。

 勇者?俺それ嫌いなんだよね。あの、滅私奉公の精神が気に食わない。自分のやりたいことしろって思う。

 そして、それに酔ってる感じがなんとも不愉快だからな。

 所詮ラノベ読んだ感想でしかないが、行動がクズ過ぎなければ自分のやりたいことやってる魔王とかの方が個人的には好みだと思う。単なる妬みかもしれないけどね。


 それはさておき、アベルの師匠ができる技量ってことは、チートでも貰ってない限り、大分昔に異世界に来たはず。ネタとしてそんなの知っているっておかしくないか?

ファンタジーお約束の、時間がずれてるってやつかな?

あんなとこ、戻るつもりはないからどうでもいいんだけどね。


「そうだよ、アベルの師匠は多分同郷の、同種の人間だと思う」


「どうでもいいんだけどな。じゃあ水魔力の使い方でも覚えるか」


師匠(勇者)に興味持ってあげなよ。ま、俺もどうでもいいけど。でもそれは面白そう。教えてよ」


 今、俺は、俺の体内に一種類、つまり植物系の魔力しか感じ取れない。だから、水魔法は、イメージ云々のレベルじゃない。だから、町に行く、ひいては将来自立するために、有用なことだ思う。

 何より面白そうだ。


「じゃあ、こっち来い」


「うん」


 軽はずみなこの行動を、俺はすぐに後悔することになる。


「ほい」


 アベルが、軽く俺の頭に手を置く。そして、―――


「ん?―――あががががががが」


 何か体内に不愉快な異物が流れ込んでくる。数舜後、それが何か、遅れて理解する。

 おそらく水属性の魔力なのだろう。以前、アベルが俺の回復をしていた時のあれに似ている。


「あっ―――んっ―――」


 アベルがむかつくくらいに楽しそうな笑い声をあげる。

 いつか、一泡付加してやる。

 と、心の奥に一つやることリストにかきこっみつつ、さっきの感覚を思い出す。


 冷たいような、温かいような、不思議な感覚が流れ込んでくる。液体()であり、個体()であり、気体(水蒸気)である。

 つまり、水の取りうる姿の全てがイメージとして流れ込んできた。


 だが、それを自分の意志でなくもともとあった、元々あった魔力がかき乱されて最悪の気分だ。気持ち悪いにもほどがある。


「お前なんかエロイな」


「うっさい」


 気持ち悪くて、思わず出てしまった声を揶揄われ、憮然としながら返す。


「ガハハハッ、それが、水属性の魔力だ。感覚忘れるなよ」


「忘れたくても忘れらんねぇよ」


 力なく答える俺に、アベルが、悪そうな顔をして近づいてくる。

 そして、スパっ。


 アベルがどこからか取り出したであろう――その仕草は目でとらえられなかった――ナイフで、俺の手を切り裂いてていた。――切り裂いていた?


「いっつあぁぁぁ―――な、なにすんだよ!」


「自分で直せ」


 は?

 この痛みで?集中もままならないままで?

 なんだあの鬼畜。流石に無茶があるだろ。こちとら、中身はともかく7歳児だぞ。

 ま、アベルも5歳児の時から時からバカみたいな修行してるらしいし、しょうがないっって言ったらしょうがないのか?

 ―――いや、ないわ。うん、流石におかしい。

 以上、現実逃避終了。


「前の感覚は覚えてるだろ。それを思い出して治せ。自分が危機なんだ。少しはやる気になるだろ」


「荒療治なんてもんじゃねぇ」 


 むかつくほどにやついた顔を全力で殴りたい衝動を抑えながら、(殴っても痛いの俺だし)必死に深呼吸を繰り返す。


 ようやく落ち着いてきた。アドレナリンも出始め痛みも引いてきた。

 だから、なんか視界がゆがんでるけど気のせいだ。頬を伝う温かいものなんて無いったらない。

 

 早いとこ治さないとな。

 

 まずは水属性の魔力の感覚。流水みたいに不定形だけど、個体でもある。そんな理解しずらい感覚。それに魔力を調整していく。もともと魔力とかよくわかんないし、割とやりやすいな。

 それを、手に集中させていく。


 すると、手が水色に光り始める。おかしいな?植物系の魔力使ったときにはこんな光無かったのに。

 

 そして、以前アベルが俺に使った、回復魔法を思い出す。


 多分だけど、人の体の半分以上は水分っていうし、それが体を活性化させてるって何かで読んだから、それで傷を無理やり直してるんだと思う。自己治癒力を高めて体内のエネルギーを消費する的な感じのはず。

 だって傷を治された後って、ちょっとぐったりするもん。


 というわけで傷の周りに魔力を集中させる。そして以前の感覚を思い出しながら、傷がつながっていくのをイメージする。

 所詮は、前世も高校生なので細胞がどうなってるかなんて詳しいことは分からんが、ないよりはましだと思う。

 

 ほんの少しだが、傷が修復されていく。


「なかなかやるじゃねぇか」


 今は褒められても、怒りしかわいてこない。


 このサディストが。


 などと、くだらないことを考えていたら、意識がふわふわとしてきた。体から魔力が、減ったように感じる。

 植物系の魔力使ったときは何ともなかったのに。魔力が減ったてことか?だが、これだけで?


「あー、お前植物系の魔力が流れてるし、変換効率くそ悪いみたいだな」


「ここまで、極端なもんなの?」


「ま、原因としては二つだな。一つ単純に練度不足。いずれはもうちっとましになるだろう。問題はこっちなんだがお前の植物魔力は純度が高すぎる。だから、変換するときあほ程効率が悪い。

 一回無属性に戻して使うわけだからな」


「他の人は、そうでもないのんだ?」


「ああ、多少は無属性の魔力がある。というか、無属性の割合の方が多い場合が多い。メアリやお前は圧倒的少数派だ」


「ちょっとうれしいかも」


「マザコンかよ」


 失敬な。憧れの母親と似ているといわれて、嬉しくない息子がどこにいるのだろうか。否、いない(反語)

 

「へっ」


 そして、そっぽを向く。


「はあ。あとは、その魔力を髪に流す練習だけしておけば、いつかは町にも出れるようになると思うぞ」


「ありがとう」



 そうして、俺の訓練には自分でかすり傷は直し(それ以上のけがだと、治しているとすぐに魔力が枯渇する)、寝る前には、水魔力話垂れ流し、変換効率話上げるという訓練が追加されたのだった。

 

 そして、数か月後俺は、いよいよ近くの村に行くことになった。


 勝手ながら一応受験生なんで、終わるまで投稿しないと思います。

 誠に申し訳ありません。

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