1話 始まりの日
その日は特に何かがあったわけでもなかった。雷が鳴り響く、豪雨が訪れる、地震が起こるなど前兆があったわけではなかった。
強いて言うのであれば、嵐の前の静けさといったところだろうか。それでも、「それ」は人知れず少年に迫っていた。
その日人知れず、だが確かにこの世界に大きな変化があった。それはとある少年の、そしてある世界に起きた物語の幕開けだった。
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彼はこの後起きる災いに気が付くこともなくとぼとぼとコンビニから家に帰る途中だった。
「はぁ、俺はなんでこんな所にいるんだろうな」
その言葉とは裏腹に、特に悲壮感などは感じられないが少年の目には僅かに光るものがあった。
『この世界にいて君は楽しいかい、生きずらくないかい?』
突如頭に響いたその声に驚き、彼はその身に迫るトラックに気が付くことなくこの世界を旅立っていった。
(これ死ぬのかな~、死ぬんだよな~)
と、どこか他人事のように考えたのを最後に・・・
初投稿です。拙いものですが楽しんで読んでいただければ幸いです。