ヤイバ先輩との昼休み
次の日の昼。いつも通りに屋上へ行く。
「今日は1人か?」
「いや、エンはヤイバ先輩を呼びに行きました」
「そうか」
先に来ていたライテイ先輩の隣に座る。てか、ヤイバ先輩を呼びに行ったってところに何も言わないんだ。とりあえず、時間がもったいないから食べ始めよ。
「ユウ!先輩!連れてきたぞ!!」
エンが上機嫌でやってきた。ヤイバ先輩の手を引いて。
「無理矢理連れてきたのではないのだな?」
ライテイ先輩がなんか心配そうにヤイバ先輩を見ている。うーん、手を引いてるのを見ると無理矢理っぽく見える。
「ちがわい!ちゃんと本人の同意を得て連れてきたんだよ!なっ!」
エンがヤイバ先輩に言うと、ヤイバ先輩はゆっくりうなづいた。言わされてるって感じではないかな。本人の意思で来たような気がする。ヤイバ先輩表情変わらないからよくわからないけど。
「てか昼だ昼!腹減った!!」
エンは僕の隣に座って持っていたビニール袋からコンビニおにぎりを取り出して食べ始めた。ヤイバ先輩はどうすればいいのか戸惑っている。
「先輩もこっちへ。一緒に食べましょう」
エンの隣が空いてるからそこにヤイバ先輩を座らせる。相変わらず屋上は誰もいない。僕たちだけだ。やっぱり広々と使えるからいい。
「あ、エンのはこれね。ライテイ先輩とヤイバ先輩の分も作ったから」
タッパーに入れたおかずを広げる。
「む、すまんな」
ライテイ先輩が言うのに合わせてヤイバ先輩はお辞儀をしてくる。そういえば昨日みたいなオーラをヤイバ先輩出してないな。昨日は警戒してたのかな?
弁当を食べ終わるとヤイバ先輩は帰ろうとしていた。
「もう少しいてもいいんじゃないか?まだ時間あるし」
エンが言うと、ヤイバ先輩は首を横に振った。そのまま屋上からいなくなる。
「何か予定でもあったんだろうな」
ライテイ先輩が言う。そんなこと言うと俺らは暇人みたいじゃん。まぁ実際に暇人だけども。
「そういや、ヤイバ先輩教室でも1人だったな。あと一言も喋らなかったし」
エンが言うには教室でもあの寄せ付けないオーラを出していたらしい。でもここにいた時はそんなの無かったけど…誘ってくれて嬉しかったのかな?
「もしかして、ヤイバ先輩声が出ないのかも…」
ふとそんなことを思った。無口って言ってもここまで声を出さないってのはないでしょ。声が出ないから意思疎通ができなくてずっと1人だったってのもあり得るかも。こういうのって本人に聞いたら傷つくのかなぁ…
「あくまでお前の推測だ。…と言ってもお前の推測はよく当たるのだがな」
まぁ、それは自分でもびっくりだよ。
「こうなりゃ教師に聞けばいいんじゃないか?俺もどうなのか知りたいし」
ここまで来たら確かに知りたい。それでヤイバ先輩とも仲良くなれるといいんだけど…