休日
「ん、8時か…ちょっと寝坊かなぁ」
日曜日の朝。当然学校は休みだ。寝坊って言ったけど、別にやることはない。平日と比べたら寝坊だなってこと。
ピンポーン。チャイムが鳴る。
「はーい、どなたですか?」
「…ライテイだ。今、大丈夫か?」
ん?ライテイ先輩?なんで?
「あー。ちょっと待ってて。5分くらい」
パジャマはさすがにダメだろう。すぐにポロシャツとズボンの楽な格好に着替えて、顔も洗う。
「ごめん、お待たせ」
「いや、大丈夫だ」
ライテイ先輩の私服見るの初めてだなぁ。ジーパンに黒のジャケット。普通にかっこいいよ。
「立ち話もあれだし、上がってよ。ちょっと汚いけど」
「む、すまんな」
部屋に適当に座らせて、お茶を出す。
「で、何の用?今日なにかあったっけ?」
「いや…友とは、このように家に遊びに行ったりするものなのだろう?」
まじか。これは今まで友達がいなかったで許されるレベルじゃないな。常識の範囲のやつだな。
「んと、遊びに来るのはいいんだけど…」
「…やはり、間違いか?」
「時間早すぎ。あと事前に言っといてくれないと」
「…なるほど」
なにメモしてるの?メモすることじゃないよね?
「まぁ、せっかく来てくれたんだし、今日は一緒に過ごそうか」
「あぁ、頼む」
こうなるとエンも呼ぶべきか?仲間外れにするとあとでうるさそうだし。
「エンには連絡している。そのうち来るだろう」
おい、早いな。ただ家主の許可はとろうな。
ピンポーン。あ、来た。多分エンだ。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。
おい、連続して押すな。うるさい。
「今開けるから。落ち着け!」
開けてもなおインターホンを押し続けるエンにちょっとキレる。
「おう!おはよう!」
「…おはよう。まあ入りなよ」
いつも通りのハイテンションでなんか疲れた。もう怒る気もしない。
「で、なにするんだ?」
それは僕が聞きたい。君たちはなにをしたいの?なんで僕の家に集まったの?
「2人は休みの日なにしてるの?」
今まで1人なわけだったから、なにをしているのか気になる。まぁ、自分の好奇心で聞くだけだよ。
「散歩か、読書だな。あとは体を鍛えるくらいか」
ライテイ先輩は結構落ち着いた感じだね。
「俺は筋トレか、買い物行くな。外に出てる方が多い。ユウはなにしてんだ?」
まぁ、エンは思っていた通りだね。
「僕は…勉強か読書、かな。あまり外には出ない」
家にいる方が楽だしね。
「…だから服が少ないのか?」
…まあ、それもある。あとはあまりおしゃれに気を使ったことないし。ちょっと2人して可哀想な人を見る目をしてるの?こんなの人それぞれでしょ?
「そうだ、今日は買い物行こうぜ!ユウはここら辺の地理はないだろうし。それに1人より安全だろ?」
確かに。買い物するにしても近くのスーパーくらいだ。服とか生活雑貨買うところも知っていた方がいいよね。あとはここら辺に人間はいなくて全部獣人だから、ちょっと心細いし怖いと思ってた。エンにしてはいい考えを出してくれるな。
「俺も大体の店は把握できている。案内と、荷物持ちはできるだろう」
荷物持ちって…そんなことお願いしないから。なんかズレてるんだよなぁ、ライテイ先輩は。まぁ、頼りにはなるんだけど。
ってなわけで買い物に来ました。
「こういう時は服が先か?」
「え、服屋行くの?」
「当たり前だろ?ユウはもう少しおしゃれに気をつかえよ」
ライテイ先輩もうなづいてるよ…服ってとりあえず着ることができれば良くない?…いや、やめとこ。いろんな人に反論される気がする。あんまり乗り気じゃないけど服屋に行きます。
「さて、どんなのがいいかな」
「選んでやる」
エンとライテイ先輩がどんどん売り場に入って行く。自分で選ぶと安くて地味なのを選ぶから、2人が選んでくれてものすごい助かる。
1時間くらい選んでくれた服を試着とかして、とりあえず2着くらい買うことにした。白の薄い上着と水色のシャツ。あとはズボンを買おうと思ったんだけど…
「全部穴空いてる。尻尾用の穴だよね?」
「…そうだな」
「縫えばいいんじゃねえか?」
エン、それは恥ずかしい。家にジーパンが2着くらいあるから買わなくても大丈夫かな。うん、買わないにしよう。
「小さくなった服をやろう」
「あ、俺のもあるからもらってくれ!今度持ってくる!」
「うん、ありがと」
2人がおさがりの服をくれるらしい。ちょっとそういうのって嬉しいよね。その分お金うくし。
雑貨屋は…場所だけ見ることにしようかな。場所覚えとけば必要なときに来れるし。
「入らなくていいのか?」
エンが聞いてくる。
「うん、必要なものは揃ってるし。今はいいかな」
「そっか。じゃあ次は…」
そのあとは本屋とかゲームセンターとか娯楽施設も見て回った。獣人しかいないところを人間1人で歩きたくなかったから、2人がいてくれて助かった。そうこうしているうちにもう日が傾いてきている。
「もう暗くなるから、そろそろ帰らなきゃね」
「…そうだな、帰るか」
「おー!帰ろう!」
3人で僕の家まで帰った。実質2人は僕を送ってくれたんだけなんだけどね。明日、屋上で会う約束をして別れた。さてと、お弁当の下準備でもするかな!