それぞれの告白
「お前みたいな人間は学園にいらないんだよ!」
見晴らしの悪い公園に連れてこられ突き飛ばされる。当然のように僕は尻餅をつく。それを見て獣人2人は笑っている。こうなるような予想はしていた。それも覚悟の上だったし。
「なんだその顔は?気に入らねえな!」
鰐獣人に右頬を殴られる。
「ぐっ…うぅ…」
相手からしたらかなり手加減してるんだろうけど、人間にしたら骨が折れそうなくらいだ。
「おい、俺にもやらせろよ!」
狼獣人に起こされまた殴られそうになる。その時だった。
「俺のダチに何してんだ…そいつから手を離せ」
声がする方を見る。そこにはエンさんがいた。
「なんだよお前、人間とダチとか馬鹿じゃねぇの?」
獣人2人は大声で笑った。
「聞こえなかったのか?そいつから手を離せ」
「邪魔なんだよ!」
鰐獣人がエンさんに殴りかかる。それをいとも簡単にかわし、エンさんが鰐獣人を殴った。そのままエンさんは凄い速さで狼獣人に近づき殴った。狼獣人の手から解放された僕はそのまま倒れそうになる。が、エンさんが支えてくれた。
「大丈夫か?…ちょっと遅かったみたいだな」
エンさんは僕の右頬をみて申し訳なさそうに言った。エンさんに殴られた獣人2人はまだ起き上がれないらしい。
「軽く急所殴った。後遺症とかは残らねぇよ」
エンさんはいつも通りニッと笑う。そして倒れ2人に向かい、
「こいつに手を出したら容赦しねぇ。覚えとけ」
睨みつけながら言った。
「助けてくれてありがとう、あとごめんね」
倒れてる2人を少し介抱してエンさんと2人帰路を歩いていた。助けてくれたお礼と、傷つけてしまったことの謝罪をした。
「俺な、中学の時、ちょっとした事件の濡れ衣着せられてな。喧嘩とかよくしてたからな、周りから問題児として見られてた。その事件から俺は周りから避けられた。濡れ衣だってわかった時でもな。今まで仲の良かったやつにも。…1人は寂しくてよ。学園入っても俺のこと知ってる奴多くてな。だから俺のことを知らないお前に話しかけて…」
エンさんは少し泣きそうになりながら話してくれた。僕が理由を聞いた時、エンさんは自分を拒絶されると思ってんだろう。やっぱり寂しかったんだよね。仲良くなれると思ったのに。
「僕もね」
僕もエンさんに話さなきゃいけないことがある。
「僕も中学の時、いや、その前からずっと1人だった。僕に流れる血が原因」
「血?」
エンさんが聞き返してくる。
「僕には、人間と獣人、2つの血が混ざってる。父親が獣人で、母親は人間。そのせいで僕の体はちょっと他の人とは違う。ほら」
僕はさっき殴られたところを見せた。ついさっきまで腫れていたのにもう治っている。
「治癒能力が高いの。獣人よりもね。そのせいで…両親は殺された。人間と獣人間の恋愛とかも禁止されてるし。人間は、僕を実験しようとして、両親はそれを頑なに拒んだから。僕は逃げてこの獣人の地域に来たんだ。知り合いもいたから。…僕の治癒能力をばらしたのは仲のいい友達だった。それから僕は人間不信に陥って…だからエンさんのことも疑った」
この事実は正直割り切っているから、なんともない。ただ避けられる原因になる。それでもいいから僕はエンさんに打ち明けた。
「ユウ…大変だったんだな。俺は馬鹿だから難しいのはわからねぇ。でもよ、もう1人じゃないんだぜ?」
エンさんは僕の肩を叩いた。…エンさんはこんな僕を受け入れてくれた。
「エンさん…ありがとう」
お礼を言った瞬間、涙がこぼれる。
「お礼を言いたいのは俺もだ。俺を信じてくれたから打ち明けてくれたんだろ?…俺たちはダチだ、ずっとな」
エンさんは僕の頭を撫でた。誰かといるっていうのはこんなにもいいことなんだ。
「あ、俺のことは呼び捨てにしてくれよ。ダチだからな」
「わかったよ、エン」
エンも友達と呼べる存在ができて嬉しいんだろう。ダチを強調してくる。
「もう遅いから送ってく。さっきみたいのがもういないとは限らないからな」
「うん、よろしく」
2人でいろんなことを話しながら帰った。明日からの学園生活がものすごく楽しみになった。
表現力も乏しいので伝わりにくいと思います。うまい表現が見つかったら修正しようと思ってます。