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生活初日とライオン獣人

教室の1番後ろの席。先生が気を使ってくれてこの席になった。僕は時雨ユウ、人間です。自己紹介がおかしい?えっと、人間は僕1人だから。…今も周りの視線が気になる…。


ここは人間以外の種族が主に通う学園。ちなみに男子校。学園名は募集中とのこと。僕は人間だけどこの学園に入学した。理由?それは…。

「ユウ、だったよな?この後何があるかわかるか?」

隣の席の獣人さんが話しかけてきたので、この話はあとまわしで。この獣人さんは立派な鬣にゴツい体。ライオンの獣人かな?

「HRやったあと昼休み、そのあと教科書配布で終わりです」

「そうか、ありがとな!」

ニッと笑うライオンさん。なんで名前を知ってるのか気になったけど、よくよく考えればさっきクラスで自己紹介したな。興味なかったから名前なんて覚えてないけど。そんなこと考えてたら先生がきたからHR開始だ。ちなみに担任は年配の竜人。赤いから火竜だと思う。まぁ、先生にも興味無いんだけどね。


HRは校則とかそんなことの確認だけ。他の学園と変わりなさそう。んで、今は昼休み。初めは僕のことを珍しそうに見ていた人たちも外へ出たり、仲のいい人とお昼を食べてる。自分に興味持たれたく無いから、ちょうどいい。1人でお昼にしよう。

「な、一緒に昼食おうぜ!」

僕の返事も聞かないで机くっつけるライオンさん。こういうのは何を言っても聞かないからやりたいようにさせとこう。

「改めて、俺はエンってんだ。風音エン、よろしくな!」

「僕は時雨ユウ。よろしく」

相手が名乗ったら僕も名乗らなくちゃいけないよね。まぁ、エンさんに興味無いからマイペースに弁当を食べ始める。

「へぇ、手作りか?」

「まぁ、ね」

料理嫌いじゃ無いからね。それに1人暮らしだし。エンさんはコンビニのおにぎりか。袋に5つは入ってるな。

「なぁ、その唐揚げ、もらっていいか?」

僕のメインに目をつけるとは。なんか物欲しそうな目をしているんだが。

「…いいよ、ほら」

爪楊枝持ってきてたからそれに刺して渡す。

「マジか!ありがとな!!」

そこまで喜ぶことか?よくわからん。

「これ、冷凍食品じゃ無いよな?味が全く違う」

「朝自分で揚げたやつ」

「朝からって、お前凄いな!」

何故か褒められる。エンさんは悪い人じゃない。けど…


教科書配布も終わって放課後。特にやることも無いから早めに帰ろ。学園周辺は人間なんて居ない。暗くなると正直安全とは言えない。人間なんて弱い生き物だから。獣人とかの方が力とかも強いし。

「ユウ!一緒に帰ろうぜー!」

校門あたりで声をかけられた。エンさんだ。一緒に帰るくらいならいいか。聞きたいこともあるし。


「あの」

すこし歩いたところでエンさんに声をかける。

「なんだ?」

「エンさんはなんで僕に関わるんですか?」

そう、これが聞きたかったんだ。人間が珍しいからなのだろうけど。獣人同士でいればいいにって思ったから。

「…そうだよな。…俺なんかといたら…迷惑だよな…」

…なんでそんな悲しそうな顔をするんだろう。なにか傷つけることを言ったのかな…

エンさんは下を向いて拳を強く握っている。泣きそうなのか、体が震えている。

「…ごめんな」

僕が謝ろうとする前にエンさんは走って行ってしまった。僕はその後を追った。獣人と人間じゃ獣人の方が速いから追いつかないだろうけど。傷つけられたときの痛みはよく知ってる。僕のせいでその痛みをあじあわせたくないから。

「よう」

いきなり手を掴まれる。知らない狼獣人と鰐の獣人だ。


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