勉強したくねー
さて、俺は今、数学の問題集を見ている。
ここで問題です。俺は文系でしょうか、それとも理系でしょうか。正解は、…………あれ?俺って勉強自体苦手だからどっちでもないぞ?でしたー。
涙が出そうになったのでちょっとこれ以上はやめようか。
あー勉強したくねー。
しかし、勉強しなかったらどうなるか。
赤点しか取れず。親にしばかれ。そして。そして。
絶望しかないこの結末だけは避けたい。つまり、勉強しないといけないんだよね。しかしながら、某CMではないけれど、俺は勉強が嫌いだ。ぜったい合格してやるぜ、とは言わないけどさ。
ちなみにこれはテスト勉強だが、テストは明日だ。明日何のテストがあるか、知らない。わからない。プリントもらった気がするが、どこに行ったんだろうな。きっと旅に出たんだ。そう言う事にしようか。うん、そうしよう。
…………。あ、プリントがあった。なになに?明日は…………数学Ⅱと、英語と、物理、か。
つい、上を見た。白い天井が目に入る。
天井がぼやけて見える。あー今俺泣いてるわー。
何故、テストはいい点数を取らなくてはならないのだろうか。別にいいじゃないか。個性で色々片付ける気はないけど、なんかもう良いんじゃないかな。
「お前はやればできるんだから頑張れよ」
多くの大人に言われてきた言葉だ。やればできる、やらなかったらできない。当たり前、ではない。やらなくてもできます、なんて奴はたくさん見てきた。もしもそいつらを天才とするなら、天才なんていくらでも居ると思うんだ。
つまり、そいつらは別に天才でもなんでもない、ちょっとできる人達な訳だ。
あーニートになりたい。ニートになってダラダラ生きたい。それか転生したい。異世界行ってみたい。
いやまあ知ってるよ?無理だってことくらい知ってる。でもさ、行きたいじゃないか。
勉強しろよ俺。
勉強するか!
ノート、教科書、ある。
こっから俺のターンだ!
ま、まずは数学Ⅱだ。
え、えーと?え、ちょっと待って、なんでサイン・コサイン・タンジェントのグラフとか作ってみた?あ、だめだ全然分かんねえや。
数学捨てた。
英語?お、覚えゲーなら勝つる。単語をサクッと華麗に覚えてやんよ、おー俺やってやんよ!
ちょ、ちょっとどういうこと?か、カテイホウ?聞いたことありませんな。授業でこれやったっけ?全く覚えてないぞ?覚えゲーなら勝つるって言ってたやつだれだよ!謝れ!全力で俺に謝れ!
ごめんなさい僕が言いました許してください!
なんかテンション高いな今。深夜テンションか、そうか。
数学と、英語なんてなかった。いいね?
さて、物理の時間がやってまいりました。
みたいな感じで勉強してたあの頃が懐かしいよな。
あんなことできたのも定期考査だったからだよな。あの頃の俺をぶん殴って勉強しろクソったれ、ってどなりたいぜ。こうやって受験で苦労してるのは妖怪のせいではなく、過去の俺のせい。
今ならぜったい合格してやるぜ、なんて大声出せるな。
友達もほとんど皆大学決まって遊んでるもんな。妬ましいもんだけど…………はあ。
ただひたすらに問題と向き合って座ってる時間が一日の半分を占めてるからな。後の半分で最低限の生活をおくっている。過去に戻っても俺は勉強しないで遊んでると思う。人って成長しないから。
諦めてニートになりたい。諦めてもいいよね?今すぐ人生ほっぽり出してテキトーしたい。
もっかいやり直そうかな。今の人生だとただログインボーナスだけもらってるゲームみたいなもんだし。
俺は人生のリセットボタンに手を添えて、せーのっ、
ポチッと押した。
真似は絶対にしないこと。
でも勉強はちゃんとした方がいいと思います。