この町の片鱗
ここに来てから幾分か月日がたった。未だネカフェ生活ではあるがもう少しお金が貯まればすごく狭いがアパートには住める金額にはなるだろう。郷に入っては郷に従えと言うようにルールなのかはわからないがいくつかこの街でしか見たことがない物があった。例えば高級車が今の俺でも有り金すべて払えば1日レンタルできたり、個人の場合一日のうち誰かにお金を送金できるのはたった3万だけだったり。そして人にも特徴があった。何よりもの特徴は何かしらのマークの印が服につけている人がそれなりにいる。服の模様とかではなく上から縫い付けられている感じだった。そんなこの街独自の感覚にまだ慣れない頃だった
私はその日、ある二人組のお客を運んでいた。ふたりとも赤い背景にイナズママークの印がついた服を着ていた。目的地に着き、支払いの話を切り出すと
「ああ?払わねぇよそんなもの」
支払いを拒否されてしまった。こちらとしてもそういう負けにもいかず再度支払って貰おうとすると
「いいからさっさと扉開けろ。それと他に伝えないほうが身のためだぜ」
その言葉とともに突如銃を突きつけられる。私は従うしか無く無賃で下ろすしかなかった。
やがて日が沈みかけた頃休憩のためタクシーを止めカフェでコーヒーでも買う為に外に出たときだった。
銃声が聞こえた
音がした裏路地に私は走り出していた。音のもとに着くと先程の男たちがエプロンからカフェの店員と思しき男性に私と同じ銃を突きつけていた。
「無銭つってテメェがサツ呼んだから面倒なことになったじゃねえかよ。どう落とし前をつけるつもりだァ」
その時、
「あんたら、ここでなにしてんの?ここは内の管轄や」
反対側の路地裏に男が立っていた。姿は逆光の関係でよく見えない。
「悪いけどこのことは上の方にも言わせてもらうで」
その言葉を聞いた男二人は慌てて逃げていった。
「所であんたって口は硬い方か?」
余程の事がなければ。そう返すと
「なるほど。それとその顔、何が何だかわかんないって顔やな。ええわ、着いてきな教えたるわこの街の色んな事」
彼、ミーク・オルバースさんとの初めての出会いであった。そして私の運命が決まった瞬間でもあった。
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