ゲームの始まり
時を遡ること5か月前、去年の話である。
東の宮から僕を呼ぶ声がする。そう感じたのはいつぐらいだったろうか・・・
いざ到着すると
「口に気をつけな」
とどこからか声がする。
導かれるは靖国神社、果たして何が彼を導き何をさせようとしているのか。
「瀬織津姫との約束を違えるなよ」
参拝後に低い声でどこからともなく聞こえてくる。
(一体何なんだ?!)
青年は変な気分で聞いていた
時は少し過ぎ夜中の東京。
「はぁはぁ・・・」
息を切らしながら『何か』から逃げる青年がいた。
名前はりゅうちゃん、そのように呼ばれるその人だ。
少しでも立ち止まると命を狙われる。そのようなゲームになぜ自分が参加しているのか見当がつかなかった。
追いかけてくるように見えるのは瀬織津姫だろうか、はたまた違うモノなのだろうか?
「ん?」
また変な異臭がする・・・こういう時はターゲットオンされた合図らしい。誰にも教えてもらってないのに何から何までルールを熟知している。
(なぜ?ここはどこだ?)
青年は混乱していた。あまりにも情報量が多い。まるで鏡の中の回廊だ・・・
同じ景色が永遠と続く・・・時折、鏡の中を通った感覚に襲われる。これは結界だ。
幾重にも張られた結界、渡り歩くのに少しコツがいるらしい。ミスをすると最初に強制的に戻される。