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MoonDarker:Soul  作者: pap1dem0.
Chapter 1 -聖霊都市編-
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1/1

Episode:1

これは、未来への希望がない”自分”と、未来へ期待はしていないが、

後悔のないように今日も生き抜く”キミ”が描く物語だ。

小さい頃から家族に手離され、自分の意思だけを頼りに生きてきた黒野陰文は、

とある駅に向かって、足を運んでいる最中だった。


自分が座った席には結構人が座っていたけど、自分が乗った次の駅の、

“現代都市駅”に到着した時に、座っていた人々は、大量に電車を降りていった。

…さっきの人達がふと現れて、そしてまた、何処かへと去ってゆくように、

自分の友達も去って行ったんだっけ…。

…それにしても、こんな日が、あと何日続くんだ…?

いつも夜中まで、町中をフラついている日が———。

こんなに長い間、それを繰り返していたら、いずれは自分の中にある何かが、

壊れてしまうかもしれない。でも今更悔やんだところで、もう遅い。

それくらい自分は…取り返しのつかないコトをしたんだから。

『本日もご乗車頂きまして、誠にありがとうございました。

間もなく終点、聖霊都市に到着致します。お忘れ物のないよう、ご注意下さい。』

聖霊都市…どうやら、何処だか分かんない場所まで来ちゃったらしい。

でもその終点の”聖霊都市”と言う場所で電車は止まったので、

そこてオレも降りるしか無かった。


コレまでの自分に対する倦怠感と、今の生活に対する疲労感を感じたのか、

自分の身体が、限界に近づいていたコトを知った。

立っているだけでもキツく、倒れ込んでそのまま寝てしまうかもしれない。

限界に近いその意識で、近くに休める場所は無いか、

閉じそうな目にグッと力を入れて、必死に探した。

「...!」

近くにベンチがあったので、そこをめがけて走った。

そのベンチに座った時には既に、オレは眼を閉じていた。


…あのまだ楽しかった頃の思い出が愛しいなー…。

大抵アニメや漫画のキャラクターとかは、親無しで生活してるコトが多いけど、

現実ではこれは、ありえないコトじゃないかと思う。

でも、両親に会った時に何と言えばいいのか、今のオレにはまだ分からない。

いや、分かるはずがない。分かったとしても、オレは今、会いたくない。

最後に…ちゃんとしたご飯食べたののいつだっけ…。

まるで作業のように、ずーっと同じモノを胃に流し込んでいた気がするな…。

これは本当に…最初から決まっていた展開なのか?

…もしや、これらの展開がオレは元から”孤独”だったとでも、

この世界が気付かせたいのか…? いや、考えすぎか。

そりゃ小さい頃は家族と暮らしてたけど、

ソイツらにも結局は裏切られたみたいなモノだからな…。

…今自分に起きているコトは、”自分の味方をしてくれるやつは、

もうここにはいない”と言える。今のオレは、そうとしか思えなかった。

それに…この絶望的な現状からすぐ明るい未来へ進めると、思っていいのか?

オレを独りにしたも同然の世界でだぞ? 夢の夢でしかないよ、そんなコト。

…そもそも…今オレは、自分の”心”と会話している。

それも今までずっと、それを繰り返してきた。他人との会話なしで。

その時点で、オレはとっくに”孤独”なんだ。

そんな絶望的な状況の中で、この先”運命の人”が訪れる…?

…そんな漫画みたいな展開、起きるモノなら、起きてほしいモノなんだけどな…。

憂鬱だったけどオレは立ち上がった。一体何が、原動力となったコトやら…。

夜なのにまだ明るかった都会の方に向かって歩こうとしたその時、問題トラブルは発生した。

…刃物がオレの背中に刺さった。


「———!!」

思わず叫び声を上げそうになったが、叫べる程のの体力は残ってなかった。

誰だ、と後ろを見たものの、後ろには誰もいなかった。

…じゃあ、この攻撃は一体…?

「———ッ!!!」

刃物は次々と、色んなところを刺していく。

そしてその刃物が、オレの脳味噌へ向かおうとしていたので、

オレはもう眼を瞑った。死ぬかと思ったけど、何かが弾かれた音と共に、

オレは意識を失った。オレはココで、もう終わりなのかもしれない。


...それにしても、今までのこの旅路は何だったんだ…。

無限にあったやりたかったコトに、一つも手を付けられてなかったせいか、

それとも今まで不満しか抱かなかったせいなのか、その後悔が本当に大きい。

…ダメだ…水に流せ……。

いつまでもそんなコト気にかけるから…オマエはすぐに、

立ち直ることが出来なかったんじゃないのか…?

…でも過去を気にかけたところでもう無駄か…何も考えず、眼を閉じろ……。


———しばらくすると、血だらけになっているカゲフミの近くに、

一人の男性がやって来た。その男性は、倒れたカゲフミを見ながら、

そっとほくそ笑み、去っていった。


…意識が朦朧とする…。救急車のサイレンが聞こえる…。

そしてそれは段々と大きくなっていく…。誰かが通報したんだろう…。

…それからのコトはあまり分かっていない。意識が完全に上の空だったからだ。

でも段々と意識を取り戻していって、オレは静かに目を開けた。

そこには医師と看護師らしき人がが数人かいた。

「…やっと起きた。心配したよ。目を開けることが無かったんだから。」

どうやらかなり長い間、意識を取り戻せなかったらしい。

でも...今の人の声で、ココは自分の行きつけの病院だってコトは分かる。

「…オレは今…どんな状態なの?」

「…一応手術は成功。でもね、それもかなりギリギリだったかな。」

「…アレは誰がやったのか…分かってたり…しないの?」

「それがね…まだ不明のままなんだよ。でも、無事で何より。

だから今日は家に戻って、ゆっくり休んでね。自分で、起きれそう?」

起きれそうだったので、ベッドから出ようとした。

「…大丈夫。…!!」

立ち上がっても痛みが殆ど無く、何とか歩くコトは可能だった。

「この服…今日着てた服じゃないな…。」

それに違和感を感じながら、オレは受付へと向かった。

とりあえず受付らしき所に着いたオレは、近くにあった椅子に座った。

知ってる人がいたので、その人の元へ走った。

「…お爺ちゃん!!」

オレは、お爺ちゃんに抱きついた。お爺ちゃんは、泣いていた。

「…本当に無事で良かったぞ、カゲフミ…。」

「お爺ちゃんが、ココへ連れて来てくれたの…?」

涙で目がいっぱいになっていたのか、目に見えるモノが全部ぼやけていた。

「もちろんだとも…。さぁ、帰ろうか…。オレ達の家に。」

「うん…帰ろう…!!」

オレ達は立ち上がり、駐車場へと向かった。


「…キミがカゲフミ君、かな?」

お爺ちゃんの車に向かおうとしていた時、見知らぬ人に話しかけられた。

色白な肌に、薄青の輝く瞳。肩まで伸びている黒髪は、

近くにある街灯で綺麗に照らされていた。

…こりゃいかん。すっかりその容姿に見とれてしまった。

「そう…ですけど、そもそもアナタ誰なんスか!? 警察に通報しますよ!!?

スマホとかそういう通信手段はないからどうするコトも出来ませんけどね!!」

「待って待って、ワタシは君を通報した人だって〜」

「…へ?」

さっきまで確かにこの人に抱いていた嫌悪感は、一気に吹き飛ばされた。

この人、悪い人じゃ無いっぽいなー…。

「ねぇお爺ちゃん、この人がホントにオレを通報したのー?」

「したぞい。」

「いやホントなんかい!!」

かなり即答で返された。

「…いやーそれは失礼しました。ホンットにすいませんでした」

本当に申し訳ない気持ちで、オレは軽く頭を下げた。

「いやいや全然、むしろキミが無事で良かったよー。それじゃ、

もう夜遅いから、家でゆっくり休んでねー。」

「…はい。今日は色々、ありがとうございました!」

「いやいやとんでもないよー。またどっかで会おうねー!」

「…はい!」

その人は笑顔で、オレ達が車で家に向かうのを見えなくなるまで見届けてくれた。

「…メッチャ良い人じゃん、あの人。」

「そうじゃろ〜?」

「あれ、ていうかオレ、もうすっかり元気じゃん。」

「ハハハ、何を言う! 子供はやっぱり元気が一番じゃぞ〜!」

「うん、そうだね。」

こんなに前向きになれたのは、初めてだった。

そして、爺ちゃんといれるこの時間ときが、ずっと続いて欲しいと思った。


-To be continued to Episode:2-

初投稿でしたが、どうでしたか? 面白かったと思ってもらったら幸いです。

こちらのエピソードは3回大型修正を加えたので、

“三度目の正直”と言いますか、本当に自分が描きたかった物語が、

やっと完成した気がします!! これからも先の展開を、

是非お楽しみに!! 作者からは以上です。


次回 Episode:2「聖霊都市」

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