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ようこそ吹き溜まりの世界へ  作者: ジャッカス
10/32

0章ー10

 コニー・ボートは緊張と怒りの中で戦場を見ていた。

 門の大破と敵の奇襲による報告におり飛び起きたコニーは準備を終えると直ぐに前線へと出た。そこでは一方的な戦いが行われてた。

 敵は十人前後。その内戦っているのはたったの二人。それだけだというのに訓練された騎士や兵士は防戦一方であった。

 コニーは二人には面識があった。一人はチャーリーを名乗る火を自在に扱う召喚者。もう一人は自称連続殺人鬼ダーマ。

 チャーリーは笑いながら手に現れた火の玉を投げるとそれは着弾と共に爆発した。守りを固める騎士たちは大盾で防ぐも爆風と間髪入れず続く攻撃に誰も近づくことはできなかった。

 反対にダーマは接近戦をしていた。兵士や騎士は次々と攻撃を繰り出すも相手は防御もせずただ攻撃を全身で受けていた。

 兵士の一人は大斧を胸に叩きつけられるも、ダーマは平然と両手で兵士の頭を掴み防具ごと頭を潰した。

「どうした?こんなものか」

 胸の斧を引き抜くダーマは向かってくる騎士に勢いよく腕を突き出した。盾で守りを固める騎士は剣を振り上げるもダーマの細い腕はまるで紙でも破るように容易く盾を貫きその奥にある鎧とその奥にある体を貫いた。

「元気のいい心臓だ。よく動いてる…ぜっ」

 腕を引き抜くダーマの手にはいまだ脈打つ心臓が握られてた。

「おいおい、もろい、もろいな」

 鼓動が弱くなる心臓にダーマは持ち上げると垂れてくる血を浴びそれを口にした。その姿に騎士や兵士たちは怯んだように足を止めた。

「特殊能力モンスター…何度見ても厄介でいて不快だ」

 睨むコニーは背中の大槍を手にすると、背中から淡くオレンジ色に光る翼が生えた。

「おっ、あんたは元親衛隊長。やっと出てきたか」

 低空で空を飛ぶコニーは一気にダーマの元まで行くと勢いを殺さず槍で突き刺した。

 串刺しにされたダーマは笑顔を浮かべるも次の瞬間槍は爆発し遠くへと吹き飛んだ。

「ダーマ、貴様の悪行もここまでだ」

 睨むコニーは地上へ降りると大槍を逆手に持ち地面に向けた。

「さすが元親衛隊長。腰抜けのくせに腕は一流か。ええと固有能力の飛翔と英雄の武器の風槍か」

 体に風穴が開き全身が焦げていてもダーマの笑顔は変わらずゆっくりと立ち上がった。

「そんじゃお前ら出番だ。全員動けー」

「うーいっ」

 ダーマの言葉にこれまで傍観していた者たちはゆっくり動き出した。それに反応するようにコニーは地面に槍を突き刺した。

「させん!」

 コニーはそう叫ぶと槍を抜くと再び背に翼を生やし空に飛ぼうとした。だが次の瞬間地面に叩きつけられるように倒れた。

「ぐおっ…重力使いの…チャンか」

 苦しそうにしながらも槍を杖に立ち上がるコニーはその場から一歩動くと何事もなく立ち上がった。

「これであんたの薄汚い翼はもいだ。次に槍、次は手、次は足。最後はあんたの首。それでこのお遊びは終わりだ」

「できるものならやってみろ。貴様ら程度にこの首が取れると思うな」

 そう言うとコニーは槍を再び地面に突き刺した。その直後コニーを包囲しようとしていた召喚者の一人が突然火柱に包まれた。

「バカが。貴様らの能力は全員知っている。戦いはこれからだ」

「やってくれる」

 青筋を立てるダーマに他の召喚者たちも表情を変えて各々の武器を構えた。

「本堂…おい変態ジジィ!隠れてないでてめぇも………あっ?」

 怒鳴るダーマは姿を見せない本堂に怒鳴りその姿を探すも見つけた時その姿に固まった。

「ん?……ん?」

 間抜けな顔で固まるダーマにコニーも続けて見ると、そこには白旗を必死に振り回す本堂の姿があった。

「吾輩は降参!降参するでござる!だから助けてくれでござる!いや、助けてください!」

 必死に叫ぶ本堂にコニーは自分に向けられたものでないと気付くと小さな赤い点が本堂の胸で動いてた。

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