第13話 神クラスの奴隷商人の奴隷なので、主に逆らう奴は潰します。
ご好評いただいた短編を連載版でお届けします!
短編では入りきらなかった話やシーンもちょっとずつ入って、より詳しく奴隷を描いてます!
本日、連続投稿13話目です!
冒険者ギルドのイレド奴隷商に対する特別扱いにゴミクズスレイが驚いています。
冒険者ギルドのギルド長は恐る恐るこちらを窺っていますね。
「良く言えました。ですが、ここのゴミクズ冒険者が、イレド様にまた暴言を吐きました。これについてはどうお考えですか?」
「ゴミッ……!」
ゴミが何か言っていますが、無視します。
「も、申し訳ありません! 冒険者には登録の際には、必ず説明しているのですが、しっかり聞いていなかったのかと……それに、スレイ様は、貴族の出身ですので……」
「関係ありますか?」
「いえ、その……!」
「分かりました。見せしめも必要でしょう。このゴミクズの家を潰します。調べたところ、碌な家でもないようですし」
「おいおいおい、随分な言い草だな、奴隷女!」
ゴミクズが、顔を真っ赤にしてこちらを睨んでいます。
不正の塊のゴミクズ貴族の家のゴミクズが何を言ってるんだか。
「何か?」
「何か、じゃねえ! さっきからゴミクズゴミクズと! なんて言い草だ! どうやら、立場の違いってのを分からせてやる必要があるようだなああ!」
だから貴族は嫌いです。
身分の違いを絶対だと思っている。奴隷には何をしてもいいと思っている。
あの方とは全然違う。奴隷をちゃんと人として見て下さるあの方とは。
そして、私にとって立場の違いは三つだ。
神であるあの方と、私達あの方の奴隷、そして、それ以外。
それ以外でも最底辺のゴミクズは、自身の奴隷兵団に命じ私を囲み、襲わせてきます。
何も学習してないのですね、ウチのアクアとは大違い。
「やってしまっていなさい、忠実なるイレド様の奴隷達」
「「「「「はい」」」」」
剣の一振り。それで、私の目の前の敵共が吹っ飛んでいきます。
「護衛奴隷、リオ。ご主人様の覇道を邪魔する者は全部斬る」
左の敵共は植物魔法によって拘束され動けなくなっていますね。
「魔導奴隷、アリエラ。ご主人の敵は私の敵、消す」
右の敵共は足や手を正確に射貫かれ戦闘不能に陥っています。素早く正確、いい仕事です。
エルフとはいえ、目が見えない状態で風魔法と聴覚だけで獲物を逃がさないのは天才と言えるでしょう。
「狩人奴隷、サジリー。主殿に害なすものはどこまでも追い詰めてやる」
背後の敵共は、武器を破壊され、戦意を失ったようですね。
流石、使い潰されボロボロにされながらも国崩しを行い、殺戮人形と呼ばれた古代兵器。
「機械人形奴隷、ラブ。主の敵、排除完了」
そして、あのゴミクズには、あの子が……。
「ひ、ひいいいいいいいいいい! な、なんなんだ、お前は!」
「あなたに覚えてもらえなくていい。わたしはあの人の心にさえいられればそれでいい……。毒竜奴隷、アクア」
身体中に毒が回り、のたうち回るゴミクズ。素晴らしい。
イレド様にふさわしい、毒竜奴隷という存在の誕生です。
「さて。では、このゴミクズの家を潰しますか。ビスチェ」
私が声を掛けると、雲に乗った人魚がやってきます。
「はいは~い、人魚奴隷、ビスチェ登場ですよ~」
「ビスチェ、聞いていたとは思いますが、このゴミクズの家を潰してきなさい」
「はいは~い、じゃあ、水の球で文字通り潰してくるわね~」
そういって、ビスチェが雲を操り、空を飛んでいくと、十分後、大きな音と共に何かが崩れて行く音が聞こえます。まあ、最強の水魔法の使い手と呼ばれる彼女であればこのくらいは朝飯前でしょう。
「いいですね、ギルドマスター。これは見せしめです。イレド様に違和感を持たれぬ為の工作には、多少の事は目を瞑ります。ですが、度を越え、イレド様と私達の生活を侵すようなことがあれば……私達は、それを潰します。それが国であったとしても。必ず」
私が睨みつけると、ギルド長はこれでもかと背筋を伸ばし、
「は、はい! この度は誠に申し訳ありませんでした! 冒険者ギルド、商業ギルド、錬金術ギルド、皆々様のお陰で我々は生きていることを肝に銘じ、今後は絶対にこのような事はないよう致します!! イレド様の筆頭奴隷、嫁奴隷、ヴィーナ様!」
からの、ギルドマスターの土下座、そして、周りの様子を確認し、私達は冒険者ギルドを後にします。
まあ、暫くはイレド様に何かしようという愚か者は現れないでしょう。
現れれば、潰す。
それだけですが。
「アクア、よく出来ました。これで貴方も立派なイレド奴隷衆の一人です」
「あ、ありがとうございます! ね、姉さま達を見習って、立派に勤めを果たして見せます!」
アクアは、瞳を潤ませながら両こぶしを握り決意を見せます。
そうですね、イレド様の奴隷になれたことを誇りに思って頑張ってください。
「ねーねー、ヴィーナ。ボクとアリエラは、力有り余ってるから、もう少し魔物狩ってくるよ。冒険者ギルドも弱っちい冒険者しかいないからさ。魔物が万が一にもご主人様襲わないように徹底的に潰しておくよ」
「分かりました。お願います」
冒険者ギルドでも最高ランクの彼女達ならあっという間でしょうし、危険は全て潰しておくに限る。
「ヴィーナ、さん。あの、冒険者ギルドには釘がさせたけど」
「ええ、商業ギルドにはティアラさんから手を回して大金持って買いに来そうな商人は先に潰してもらいましょう。念のため、王にも伝えておきましょう。私達を買ってやろうなどという馬鹿な家臣は潰せと」
私がそう言うと、コクコクと頷いて、アリエラはリオの後を追っていきます。
「さて、ビスチェは先に屋敷に戻り、引き続き、水の衣で家を火事など災害から守り続けてください」
「は~い、じゃあ、先帰ってるね~」
自身の身体を浮かすほどの魔力雲を操りながらビスチェが帰っていきます。
「ラブ。イレド様に気付かれずに、屋敷の外壁にミスリルを混ぜ込む作業はどうなってますか?」
「……78パーセント程完了。三日以内には」
「その二日の間にイレド様に何かあったらどうします。ジェルの配下を使ってでも、急ぎなさい」
「了解。ジェルの死霊兵が使えるならば、今日中に完成させる、主の為に」
「私も、ジェル殿の配下を借りるとしよう。屋敷を守る罠のレベルを上げたい」
「ええ、お願いしますね。サジリー」
イレド様には、指一本触れさせない。私達以外の誰にも。
屋敷に戻ると、イレド様は目を覚ましたようで、再び、私達の将来の計画を練って下さっていた。
「あ! おかえり! ヴィーナ、どこかに行っていたの?」
「……ええ、金銭を調達してまいりました。これで暫くは大丈夫かと」
「そっかあ、よかったぁあ、ごめんね、いつもいつも」
「いえ、大丈夫ですとも。イレド様は、私達奴隷の事だけ考えて下さっていればいいのです」
そう。私達のことだけ。
そうすれば、私達が、貴方を一生養ってみせる。
何の苦労もなく、美味しいものを食べ、温かい寝床で、楽しく幸せに暮らせるように。私達が。
その為に、出来ることは全てやってきた。
「うん! 僕、頑張るよ! みんなが高く買ってもらえるように」
イレド様は、再び、私が用意してあげた最高級の紙に、私達の明るい未来を描いていく。
ああ、なんという幸せ……!
「イレド様、私達が『高く買って欲しい』のは、貴方様だけですよ」
何故、この方が『神クラス』の奴隷商人なのか。
決まっている。この方が、神だからだ。
私の神。
誰よりも奴隷に優しく、奴隷を愛して下さる。奴隷の神なのだ。
どこまでも高めてみせる。自分を。この方の一番お傍にいるために。
自身でつけた嫁奴隷の名に恥じぬように。
そして、何もかも不自由なく、それでいて、私達から離れられないように尽くす。
「死霊奴隷、ジェル」
私が呼ぶと、影から相変わらず不健康な白さの肌を持ったジェルが現れる。
「ふわ~い、なにカナ? ヴィーナ?」
「アクアの夜の技術は?」
「ああ……もうばっちりダヨ」
「よろしい。あと、ラブとサジリーに死霊兵アンデッドを貸してあげてください。イレド様の為です」
「それ言われちゃねえ。わかった。イレドちゃんの為に、貸しちゃうよ。パパにまたおねだりしよーっと」
死霊王が娘にアンデッドをおねだりされるとはシュールな絵ですね。
まあ、私としては夜、イレド様が寝ている間に働く人材が増えるので助かるだけですが。
「頑張りましょう。全ては愛するご主人様の為に……」
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