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72話

目が覚めて周りを見渡すと騎士と役人の服装をした若干お酒臭い二人の男性が居た。なぜ、同じ部屋にいるのだろう。私が目を覚ますと役人の姿をした男が声をかけてくれた。「気分はどうですか?」気分?とても爽快です。「それなら良かった。」と優しく微笑んでくれた。何が何だか意味がわからない。リチャードと名乗った男性が説明してくれた。改めて部屋で一晩中警護にあたってくれていた男性達にお礼を言った。イチコ妃殿下に、あれほど気をつける様に言われたのに、まさか本当にここまで危険な目に遭うとは思わなかった。警護の騎士もアークランドから来てくれていたが、あの騒動で怪我人の搬送に力を貸してあげる事態になっていたし、何より病院の敷地内だと安心していた。 ほんの少し外の空気が吸いたかっただけで、騎士に声をかけずに一人で行動したのがいけなかった。私が目覚めたと知ってドアの外で警護についてくれていたアークランドの騎士が入って来てくれた。相手が口を開く前に直ぐに謝った。「あれだけイチコ妃殿下から何度も何度も何度も何度も言われたのに本当にごめんなさい。」「こちらこそすまなかった。」と微笑んでくれた。「はらわた煮え繰り返って無い?」いや。と微笑んで「だが、これを知ったらイチコ妃殿下はかなり気分を害されるのは間違い無いな。」と言われて血の気が引いた。恐らく言われる。どちらかと言うと声を荒げる感じはしない。静かに叱責される気がする。

「あのッ!!!この近くで土産物売り場は有りませんか?」意図した事が伝わったのか皆に笑われてしまった。


初めに「気分はどうですか?」と声をかけてくれた男性はアレクシスと名乗ってくれた。彼とその友人リチャード、それにアークランドの騎士と、この国の騎士、私の友人で教師をしているリリーとの六人で街に出ることにした。イチコ妃殿下のお土産も勿論だけれど、ある人を場合によっては探して欲しいと相談すると快く引き受けてくれたのだ。病院の方はあの後、患者の容体も安定したので心配は必要ないと報告が有ったと教えてくれた。お城で、それぞれシャワーを浴びて身支度をしているとリリーが到着した。着替え終わった皆さんと一緒に出かけた。私の身形が高価な整った物だったのでリリーがびっくりしていた。正式な言伝で相手に失礼が無いようにと用意された服だからと説明し、リリーの案内で生徒の一人、アンの家へ向かった。お世話になっている親代わりのお二人にカーテシーの挨拶をした後、アルベルト殿下の書簡と預かって来た品物をお渡しし、少しお話しをした。そしてアンの兄「アシェル」の住所へ案内してもらう様にアンにお願いしたら、後ろから声がした。「俺がアシェルです。」

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