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5.ウニ型球体

 俺は触手を持つ球体と対峙していた。


 球体が、その触手をムチのようにしならせる。


 俺は左手の盾でガードした。


 がん、がん、がん。と衝撃が盾を通して伝わる。


 俺はそのまま突き進み、


「オラァ!」


 盾で敵の体を吹っ飛ばした。


 敵がのけ反った。俺はすかさずハンマーを振り上げ、思いっきり丸い体をぶっ叩いた。


 ぼんっ! と破裂する。破片が飛び散って通路の壁や天井にぶつかった。


【――スキル『防御Lv2』を獲得しました】

【――レベルアップしました】

【――ステータスを表示します】


□□□□□□□□□

名前:なし

種族:魔物のコア

レベル:8(+1)

SP:64

HP:19/19(+2)

MP:0/0

攻撃力:7(+1)

防御力:7(+1)

敏捷性:8(+1)

魔法攻撃力:0

魔法防御力:0


スキル:

『言語理解』、『片手武器Lv2』

『集中Lv1』、『防御Lv2』

『★煙の支配者』、『☆パーツ作成』


称号:

『異世界からの来訪者』

□□□□□□□□□



「フウ……。カッタゾ」


 あれからひたすら探索を続け、球体生物を今のを含めて三十体倒した。


 ステータスに変化はないが、疲労感がヤバい。


 どこかで休憩したいが、敵はどこにでもいるのだ。


 だいたい虫みたいなやつばかりで、たまにさっきみたいな触手のあるやつと、車輪があるやつがいたが、盾とハンマーを駆使して危なげなく勝利することができた。


 レベルは8まで上昇。SP64を手に入れた。


 あとはスキルの防御とかいうやつも手に入れた。どういう効果があるのか分からないけど、あって困るもんじゃないだろう。


 何となくだが倒した敵の数に対して獲得したSPが少ない感じがする。だいたい2しか貰えないのだ。


 最初の頃は一体倒すと4上がるときが結構あったはずなんだが。


 うーん、なんでだろう?


 まあいいか。進もう。


 通路は相変わらず入り組んでいて真っ白だ。


 かなりの距離を移動しているが変化は感じられない。


 ここに出口はあるのだろうか?


 あったとしても、俺はここを出てどうするのだろう?


 せっかく生き返ったんだから、今度こそ幸せになりたいと思うけれど――。


 そんなことを思いながら曲がり角を折れた時だ。


 ――これは。


 上へ行く階段がある。


 階段の先は突き当りになっているようで、その先がどうなっているのか、ここからでは分からない。


 俺は階段を上ることにした。


 上の階へ到着する。


 地面に見たこともない記号が黒い文字で大きく書いてある。


 これは数字の『2』と同じ意味を持つ記号だ。


 なんで俺は『2』だと分かったんだろう。……もしかして言語理解ってスキルのせいか?


 この『2』は普通に考えると二階という意味だろうが、この先に出口はあるだろうか?


 まあ、せっかく訪れた変化だ。進んでみるか。


 ここも一階と同じく白い通路になっている。


 通路は左右に分かれていて、目立つものは見えない。とりあえずこれまで同様左へ進むことにした。


 それからしばらく行ったところで、通路の奥から、ガリガリガリと奇妙な音が聞こえてきた。彫刻刀で木を削るような音だ。


 なんだ、なんの音だ?


 奥は左に折れていて、音の正体は分からない。


 ガリガリガリガリガリ――。


 しばらく待っていると、音の正体が姿を現した。


「――ナッ!」


 なんだこいつはッ?


 でかいッ!


 今まで見たやつの五倍くらいある。


 さらにその球体にはウニのような針がたくさんついていた。


 このゴリゴリした音は、針が壁や床を削る音だったようだ。


 ウニ型球体がこちらに転がってきている。


 ……う、あれに轢かれたら穴だらけになってしまうっ!


 俺は反転して、全速力で走った。


 ガリガリガリガリ――。


「ウ、ウオオオオオ!」


 なんというプレッシャー。


 音に追いかけられている。


 ま、まずいぞ。やつの方が速いかもしれない。ここまでしばらく一本道だった。このまま無事に逃げ切れるだろうか。


 どうする? 戦うか?


 だが、あの針と回転をこの盾で防げるイメージが沸かない。


 ガリガリガリガリ――。


 ち、近いッ! もうダメだッ! 追いつかれるッ!


 使うしかない。


 ――煙の支配者。


 ぼわあん。


 通路が一気に真っ白に染まる。


 と同時にガリガリという音が収まった。煙がウニ球体を抑え込んだのだ。


 ほっ。よかった。とりあえず危機は去った。


 俺は身をひるがえし、ハンマーを構えるとゆっくりとウニへ近づいた。


 さて、この針をどうし――


 ばしゅっ!


「ナニィッ!?」


 突然、やつの針がミサイルのようにこちらへ飛んできた。


 めきっ!


「ウ、ウゥ……! シマッタ」


 俺のボディに針が深く刺さっている。煙で止めようとしたが一手遅かった。


 びきっびきき!


 刺さった針を中心に俺の体に亀裂が入っている。体の温度が一気に下がったような、何かが失われていく感覚があった。


 ばしゅっ! ばしゅっ! ばしゅっ!


 続けて何本か発射される。


「ウオオオオオッ! ハァ、ハァ! ア、アブナイ」


 全ての針を煙を使って空中でキャッチした。警戒していたおかげで止めることができた。


 煙が針を離す。カランカランと鉄パイプでも転がしたような音が鳴った。太くて固い針だ。


 こいつのうちの一本でも俺の体に届いていたら俺は死んでいただろう。ぞっとする。


 だがチャンスは訪れた。


 こいつは飛ばせそうな針は全て飛ばしきったようで、ボディががら空きになっている。


「カクゴシロ。ブッコワシテヤル」


 煙でこいつの体を固定し動けなくした状態で、ハンマーを使って本体を叩く。


 がんっ、がんっ、がんっ!


 かなりの回数を叩いてから、ようやく本体にひびが入った。


 そこからさらに叩くこと数十回。


 ばきん。亀裂が大きく入った。


 何度も見たから分かる。こいつはもう破裂する。


 数歩引いて盾を構えた。


 ぼんっ!


 ウニ型球体が派手に飛び散った。盾が破片を防いだ。


【――スキル『片手武器Lv3』を獲得しました】

【――レベルアップしました】

【――レベルアップしました】

【――ステータスを表示します】


□□□□□□□□□

名前:なし

種族:魔物のコア

レベル:10(+2)

SP:84

HP:7/22(+3)

MP:5/5(+5)

攻撃力:8(+1)

防御力:8(+1)

敏捷性:8

魔法攻撃力:3(+3)

魔法防御力:3(+3)


スキル:

『言語理解』、『片手武器Lv3』

『集中Lv1』、『防御Lv2』

『★煙の支配者』、『☆パーツ作成』


称号:

『異世界からの来訪者』

□□□□□□□□□


 一気にレベルが2も上がったぞ。


 SPも一気に20獲得した。


 格上を倒すとこうなるのか?


 煙の能力がなかったら倒せなかっただろう。たぶん素の能力ではやつの方が上だったのだ。


 俺は体に刺さった針を抜いた。痛みはないけど、ダメージがある実感はある。


 俺は油断してたんだろう……。能力に慢心した結果だ。反省しなければ。


 それにしても、少ししか能力を使っていないのに全身がだるい。ヤバいぞ。次に使ったらもう立てなくなりそうだ。


 この階層のやつは、もしかしてみんな強いのか? 今回は助かったが、次はどうなるか。


 戻ることも考えなければ――。


【――条件を満たしました。ボーナスSPを支給いたします】

【――条件を満たしました。SPによるスキル取得が一部開放されました】


 ……は? なんだって?


□□□□□□□□□

SP:284(+200)


取得できるスキルは以下のとおりです。

・火属性魔力操作Lv1:200

・水属性魔力操作Lv1:200

・風属性魔力操作Lv1:200

・雷属性魔力操作Lv1:200

・土属性魔力操作Lv1:200

・回復属性魔力操作Lv1:200

・付呪属性魔力操作Lv1:200

・召喚属性魔力操作Lv1:200

・特殊属性魔力操作Lv1:200

□□□□□□□□□

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