2.シャルロッテの夜
シャルロッテは眠る前に、いつも本を読む。
最近、一番好きなのは、『ドラゴンスレイヤー』という本のお話。
悪いドラゴンがお姫様を連れ去ってしまい、主人公の勇者は冒険をしながら仲間を集め、強い武器と防具を見つけて、最後にはドラゴンを倒してお姫様を救い出す。
そんなお話。
なぜこのお話が好きなのかというと、このお姫様が、自分と重なるのだ。
ドラゴンに連れ去られたわけじゃないけど、私も、このお屋敷にずっといる。
恐ろしいモンスターに、縛りつけられている。
私は、ここを出たらダメなのだ。
物語の中の勇者様のような素敵な人が、いつか、私を縛りつけるあの恐いモンスターを倒してくれたらいいのに。
そうしたら、私は今すぐここを出て、いろんなところに行けるのに。
行ってみたいところがある。
もしここを出られたのなら、海と言うところに行ってみたい。
ずっと遠くまで水が広がっているそうだ。
一年に一回ある月虹の時には、夜の海が七色の光輝いて、とっても綺麗らしい。
いいな、どんな景色なんだろう……。
シャルロッテはそんな妄想にふけりながら、今日も眠る。
次回より第二章がはじまります!
#少し書き溜めたいので、1週間ほど間をあけると思います。すみません。(2020/6/9)
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