12.スモールマジックドラゴンへの進化
俺は周囲に敵がいないことを確認してから、進化することにした。
【――進化を開始します】
俺の周囲に七色のオーラが発生し回転をはじめた。前と同じだ。球体になって俺を包んでいる。
うーん、いい気分だ。
風呂に入っているみたいな。
ぼんっ!
オーラが弾ける。
俺はミニチュアマジックドラゴンからスモールマジックドラゴンに進化した。
【――条件を満たしました。ボーナスSPを支給いたします】
【――条件を満たしました。SPによるスキル取得が一部開放されました】
【――条件を満たしました。スキル『竜魔法Lv2』を獲得しました】
【――スキル『竜魔法Lv2』の効果により、魔法『竜の爪』を獲得しました】
【――ステータスを表示します】
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名前:リュート
種族:竜人種/スモールマジックドラゴン
レベル:1
SP:4042(+500)
HP:2100/2100
MP:2400/2400
攻撃力:710
防御力:710
敏捷性:710
魔法攻撃力:910
魔法防御力:910
魔法:
『火球』、『水弾』、『水の龍』
『氷の槍』、『切り裂く風』、『突風撃』
『風の障壁』、『飛行』、『雷の矢』
『雷鳴』、『閃光』、『雷歩』、『雷帝』
『土の槍』、『治癒』、『回復(小)』
『強化加工』、『器物召喚』、『魔力灯』
『忍び寄る闇』、『疾風迅雷』、『大嵐』
『乱気流』、『癒しの風』、『癒しの雨』
『肉体増強』、『竜への変身』
『人への変身』、『竜の爪』
スキル:
『言語理解』、『根性』
『HP・MP自動回復上昇Lv1』
『MP消費緩和Lv3』、『格闘Lv2』
『片手武器Lv3』、『集中Lv2』
『範囲攻撃Lv2』、『隠密Lv3』
『防御Lv2』、『恐怖耐性Lv5』
『麻痺耐性Lv5』、『毒耐性Lv5』
『精神汚染耐性Lv5』、『石化耐性Lv5』
『雷属性魔力操作Lv3』
『水・風・回復属性魔力操作Lv2』
『火・土・付呪・召喚・特殊・闇属性魔力操作Lv1』
『★煙の支配者』、『☆ドラゴンブレス』
『☆竜の闘気』、『☆竜魔法Lv2』、『л』
称号:
『異世界からの来訪者』、『耐えるもの』
『クインティプル』、『一のダンジョンを超えたもの』
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おぉ、強くなったぞ!
それに、また成長してる。
「おお! 背が高いぞ!」
といってもまだ子供だ。十二歳くらいか?
いいぞ、この調子なら元の年齢に戻れるかもしれない。
ちなみに、ダンジョンでボロボロになった鎧は元に戻っている。どうやらMPで修繕できたみたいなのだ。仕組みは分からないけど、念じたら直った。
この成長した体に合わせて、ちゃんと鎧も大きくなっている。裸じゃあないぞ。
ついでにドラゴンの姿も確認しておこう。
ぼんっ!
「みゃー!(ちょっと大きくなってる!)」
バレーボールから大型犬くらいに成長している。戦闘能力も上がっていそうだ。
ぼんっ! 元に戻る。
よし、続けて開放されたスキルをチェックするか。
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SP:4042
取得できるスキルは以下のとおりです。
・視覚強化Lv2:300
・聴覚強化Lv2:300
・嗅覚強化Lv2:300
・HP10%アップ:1000
・MP10%アップ:1000
強化できるスキルは以下のとおりです。
・火属性魔力操作Lv1→2:500
・土属性魔力操作Lv1→2:500
・付呪属性魔力操作Lv1→2:500
・召喚属性魔力操作Lv1→2:500
・特殊属性魔力操作Lv1→2:500
・闇属性魔力操作Lv1→2:1000
・水属性魔力操作Lv2→3:1000
・風属性魔力操作Lv2→3:1000
・回復属性魔力操作Lv2→3:1000
・雷属性魔力操作Lv3→4:3000
・HP自動回復上昇Lv1→2:800
・MP自動回復上昇Lv1→2:800
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さて、どうしようか。ダンジョンの経験を考えると、MPはやっぱり重要だと思っている。
煙の支配者に魔法属性を合体させるあれは、魔力を結構使うからな。
あとは、視覚強化も気になるな。これって、暗い所でも見えるようになるのか?
…………。
よし、決めたぞ。
・視覚強化Lv2:300
・聴覚強化Lv2:300
・MP10%アップ:1000
・MP自動回復上昇Lv1→2:800
・土属性魔力操作Lv1→2:500
・召喚属性魔力操作Lv1→2:500
・特殊属性魔力操作Lv1→2:500
以上にする。
そして、こうなった。
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名前:リュート
種族:竜人種/スモールマジックドラゴン
レベル:1
SP:142
HP:2100/2100
MP:2400/2640
攻撃力:710
防御力:710
敏捷性:710
魔法攻撃力:910
魔法防御力:910
魔法:
『火球』、『水弾』、『水の龍』
『氷の槍』、『切り裂く風』、『突風撃』
『風の障壁』、『飛行』、『雷の矢』
『雷鳴』、『閃光』、『雷歩』、『雷帝』
『土の槍』、『地震』、『泥の沼』
『治癒』、『回復(小)』、『強化加工』
『器物召喚』、『魔法の矢召喚』、『魔力灯』
『毒の霧(麻痺)』、『忍び寄る闇』
『疾風迅雷』、『大嵐』、『乱気流』
『風塵』、『土人形』、『癒しの風』
『癒しの雨』、『肉体増強』
『竜への変身』、『人への変身』
『竜の爪』
スキル:
『言語理解』、『根性』
『視覚・聴覚強化Lv2』
『HP自動回復上昇Lv1』
『MP自動回復上昇Lv2』
『MP10%アップ』、『MP消費緩和Lv3』
『格闘Lv2』、『片手武器Lv3』
『集中Lv2』、『範囲攻撃Lv2』
『隠密Lv3』、『防御Lv2』
『恐怖耐性Lv5』、『麻痺耐性Lv5』
『毒耐性Lv5』、『精神汚染耐性Lv5』
『石化耐性Lv5』、『雷属性魔力操作Lv3』
『水・風・土・回復・召喚・特殊属性魔力操作Lv2』
『火・付呪・闇属性魔力操作Lv1』
『★煙の支配者』、『☆ドラゴンブレス』
『☆竜の闘気』、『☆竜魔法Lv2』、『л』
称号:
『異世界からの来訪者』、『耐えるもの』
『クインティプル』、『一のダンジョンを超えたもの』
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新しく覚えた魔法、『地震』、『泥の沼』、『魔法の矢召喚』、『毒の霧(麻痺)』、『風塵』、『土人形』。あとは『竜の爪』か。
また試してみよう。
さて、腕試しがてらちょっくら狩りに行くか。
虫以外のやつを食いたしな。
適当に腹ごしらえしたら、いよいよ脱出だ。
* * * * *
進化をしてから十日が経った。
あれだけ手強かった森のモンスターを、そこまで脅威に感じなくなった。
進化して俺は強くなったようだ。Aランクに近いBランクあたりだろうか。今ならば、いつだか逃げた大蛇やゴリラにも勝てそうな気がする。
俺は森を一直線に、東の方へ進んでいる。太陽の昇る方角だ。
別にどちらでも構わなかったんだけど、分かりやすい方向にまっすぐ進むことにしたのだ。
飛んで脱出しないのは、やはりあの猿の存在のせいだ。
この森のどこかにやつがいると思うと、空を飛んで無防備な腹を見せるわけにはいかなかった。
強くなったとはいえ、やつと戦って勝てるイメージが沸かない。
あいつはヤバい。マジでヤバい。
特にあの六つの目玉がヤバいのだ。
あとから考えてみると、あの猿のステータスの中に『魔眼』というキーワードがあった。
あの時、俺が動けなくなったのはあのせいなんじゃないだろうか。
あの目を攻略しなければ、勝ち目はない。
「よし、今日はこのあたりにするか」
視覚強化のおかげなのか、それとも薄暗いダンジョンを歩いていたせいなのか、夜でも多少視界が利くようになった。
暗いのが苦手な俺も、森でなら過ごせるようになったのだ。
俺はいい感じの大木を見つけると、そこへ上って葉の中に隠れるようにした。空からは見えにくし、地上からも見えにくい。
結局俺はあの拠点に帰ることができなかった。ここがどこだかも分からないのだ。作りかけの枕はちょっと心残りだけど、仕方がない。
でも拠点に戻れなくても安全は確保できそうだ。
ダンジョン生活が長かったせいか、以前よりも、危険を察知する能力が上がっている気がする。適度に気を抜いても、いざという時は勘が働くのだ。
少し眠るか。この体だと眠らなくても平気だけど、やっぱり精神的に疲れ方が違ってくる。それに俺は人間なのだ。だから、夜は寝る。
といっても熟睡じゃあない。ちょっとでも違和感があれば目が覚めるような、極めて浅い眠りだ。でも、これで十分。
今日もかなり歩いた。山が近づいてきてる感じがする。
このまま出られるだろうか。
おやすみ……。
…………。
……。
――キャキャ。