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明日の君に会うために  作者: 橘葵維
1/5

終わり

初投稿でクオリティは高くありませんがそれでも楽しんで頂けたら幸いです。

 「私……佳くんが好き」

「僕も葵が好きだ」

  うん、今回のも良かった……そんなことを思いつつプレイしていたギャルゲのエンドロールを見ていると、


「おはよ佳!早く始業式行こうよ」

 あぁ、やっぱり来た……そんな満面の笑みとでかい声を撒き散らして僕の賢者タイムを邪魔したこいつ、叶恵(かのうめぐみ)は僕、宮野佳(みやのけい)の幼なじみで家族ぐるみで仲がいい。

 

  僕らは同じ桜ヶ丘高校に通っているのだが、何度か学校をサボったのが恵にバレこうして頻繁に迎えに来るようになったのだ。

 そして今日は桜ヶ丘の始業式で僕らは2年になる。


「あー、悪い準備して行くから先学校行っててくれ」

 まぁ嘘だが

「とか言ってほんとはサボる気でしょ!?」

 バレた。いつも抜けてるくせになんでこんな時だけ鋭いんだよ……仕方ない仮病を使うか。


「実は最近あんまり寝てないせいか風邪ぽくて体調が悪いんだ。だから先生に風邪ひいたから休むって伝えてくれ」

 仮病と言っても春休みに徹夜でゲームすることが続いたせいか体調が悪いのは本当だ。


「ほんとに?早く追い返してゲームしようって魂胆じゃないでしょうね?」

「いや、ほんとに違うって、あと頭痛いからボリューム抑えて」

「あ、ごめん……たしかに言われてみれば顔色が悪いわね。 うん、わかった先生には私から言っておく」

「さんきゅ」

 よし、これでゆっくりできる。

「じゃあ私そろそろ行くから、お大事に」

 部屋を出ようとした恵は

「あ、そうだ」

 そう言って振り返った。

「明日なんの日覚えてる?」

「恵の誕生日だろ?」

「なんだちゃんと覚えてるじゃない

 プレゼント楽しみにしてるね」

「病人にせがむなよ」

 もう買ったよ。なんて言うと調子乗るから絶対言わないけど

「ふふっ、冗談よじゃあ私もう行くからお大事にねゲームしちゃダメだよ」

「おう」

  そして恵が部屋を出てベッドに入ると春休み明けで久しぶりに家族以外と話したせいか僕は睡魔に襲われ眠りについた。




 目を覚ますと窓からオレンジ色の光が差し込んでいた。

 スマホで時間を確認すると午後5時を回っている。

 どうやら徹夜した疲れがここで回ってきたらしい。


「水飲も」

 僕はベッドから起き上がり下へ行く。

 ちなみに僕の家は2階に僕の部屋と母さんと父さんの部屋、それから父さんの書斎があり1階にリビングと和室という一般的な構造だ。


 リビングに入ると母さんが険しい顔つきで電話をしている。

 何かあったのかな?と思いつつ冷蔵庫から水を取り出しコップに注ぐ。


 そしてしばらくして電話を終えた母さんがなおも険しい顔つきで僕に向かい重々しい口を開いた。




「……恵ちゃんが、亡くなったそうよ」


「……え?」

 その言葉は僕を絶望の縁に追いやるには十分すぎる言葉だった。

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