再会
次の投稿からは、毎週日曜に投稿したいと思います。
第1講義棟は、全部で8階まである。
そして俺が今いるのは、1階の入ってすぐのところだ。
さて、まずは1階から探索して行くか。
俺は周囲を警戒しながら慎重に歩いて行く……
そうして5分くらい教室を順番に見て行っていると、ある部屋にアイツ等がいた。
そう、ゴブリンである。
幸いにも、まだこちらに気付いていないようなので、奇襲をかけることにする。
そして、俺は3匹いるゴブリンの1体に向かって走っていく、ステータスが上がったおかげか、いつもより速く走れる。
「ギィ! 」
ゴブリン達がこちらに気が付いたようだ。
だが、もう遅い。
まずは、1匹目のゴブリンを蹴りで倒す。
そして、すかさず2匹目ゴブリンまで距離を詰め、拳を連打し倒す。
その間に残ったゴブリンが腕を振るってくる。
それを軽く避け、体制の崩れたゴブリンに向けて、蹴りを放つ。
ゴブリン達が光になって消えていく。
前回、ゴブリン3匹を相手にした時は、もう少し苦戦したけど、今回は全然苦戦しなかったな。
やはり、PPを速に割り振って正解だったようだ。
そうして俺は、自分が強くなっている事実に嬉しくなりながらも、慎重に探索を進めて行く……
「ふぅ、少し疲れたし、休憩するか」
そうして、モンスターに見つからない所で小休憩をとることにする。
俺はあの後、ゴブリンと戦闘をしながらも、順調に探索を続けて、今は6階にいる。
結構ゴブリンを倒したので、レベルが2上がって5になった。
そして、獲得したPP4ポイントを力に3、速に1割り振った。
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Lv:3/10→5/10
力:30→33
速:21→22
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しかし、誰もいないよな……
この様子だと、8階まで登っても誰もいなさそうだが、念のため確認だけはしよう。
俺は、そう決めて少し目をつぶることにした……
そうして、5分くらい経ったところで上の階からの
「ドン! 」
という大きな音で目が覚めた。
俺はなんだ⁉︎ と驚きつつも確認しに行くか、行かないか考える。
多分あの音からして、誰かがモンスターと戦っているんだろう。
ここで自分以外の生存者を見捨てる理由はない。
よし、行こう!
俺は、急いで7階へと向かう……
そして、7階の音がした場所に着いた。
そこには、俺がよく知っている男と、成人男性くらいの大きなゴブリンが戦っていた。
男がこちらに気付き、安心した顔でこちらを見る。
「やあ、隼人! 無事だったのか」
そう、この男こそ俺の親友、桐原 竜司である。
髪は金髪で、前髪は、目の高さに切られ、横髪は耳が少し隠れるくらい、後ろ髪は、綺麗にされている。
顔は、優しそうな顔で、どのパーツもレベルが高い。
体格は、俺よりも細く、少し背が高い。
そして、成績優秀、運動神経抜群のハイスペック野郎である。
大きなゴブリンの腕が竜司に向かって振り下ろされる。
竜司はそれをギリギリ避ける。
「とりあえず隼人、一緒に戦ってくれるか? 」
「ああ、いいぜ! 」
俺は、大きなゴブリンに向かって走る。
そしてその間にステータス確認をする。
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レア度:N
ボブゴブリン
階位:3
HP:84
MP:20
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強さは、HPから判断すると俺の1.5倍くらいか。
1人だと厳しいと思うが、今回は2人なので、多分いけるはず。
とりあえず、試しに攻撃してみるか。
「おい竜司! 少しボブゴブリンの気を引いてくれ」
「分かった! ボブゴブリンの気を引けばいいんだね」
竜司が大胆に動き、ボブゴブリンの気を引く。
俺はそのスキに、走った勢いのまま、ボブゴブリンの足を思いっきり蹴る。
「ギイ! 」
ゴブリンが怯んいる間に、離れてすぐにステータスを確認する。
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HP:84→72
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蹴りでダメージが12か、意外とダメージ入ったな。
よし、この調子で行くか。
「竜司! 次は俺がボブゴブリンの気を引くから、そのスキを狙って攻撃してくれ」
「了解! 次は僕が攻撃すればいいんだね」
そして俺達は、交互にボブゴブリンの気を引きながら攻撃していき、ボブゴブリンを倒した。
『ボブゴブリンを1匹倒しました』
『経験値を24獲得しました』
ふぅ、やっと倒した。
さすがに、ゴブリンよりも強かったな。
それよりも、
「竜司、ここの生存者は、お前だけか? 」
「いや、8階に何人かいる」
「他にはいないのか? 」
「正直、分からない……僕も、必死に逃げて来たから……」
「そうか……とりあえず8階に上がってから考えるか」
「そうだね」
そうして俺は、竜司と一緒に8階に上がっていく……