後悔と決心
みなさんお待たせしました!
次話の投稿になります。
やったー!! 俺は壁を乗り越えたぞー!!
「よし、着いたみたいだな」
「ふぅ、そうみたいだね」
「うむ、そうであるな」
俺達は研究棟を探索した後、体育館に来ていた。
俺は体育館を見る。しかし、いつ見ても思うけど本当に大きな体育館だよな……
体育館の大きは、バスケットコートが4つ入る位で、かなり大きな造りになっていて、入学式の時に初めて見て、驚かされたことを覚えている。
「で、隼人君。すぐに体育館に入るのか?」
「いや、ひとまず中の様子を確かめよう」
「うん、僕もその方がいいと思うよ」
俺は体育館の様子を確かめるため、ドアを少しだけ開き、中の様子を確認する。
「ッ…… !!」
俺は息を呑んだ。
「うむ? どうしたのだ隼人君」
「何が見えるんだい隼人」
竜司と桜が俺の様子を不思議に思い、体育館の中を覗く。
「な!!」
「え……」
桜と竜司も俺と同じく、体育館の中の様子を見て息を呑んだらしい。
無理もない、何故なら床一面は血で染まり、その上に積み上げるように、人間の死体が置かれているからである。
「酷い光景だが、これで謎が一つ解けたな」
「ああ、そうだね隼人」
「ん? どう言うことなのだ」
竜司は分かったが、桜は分からないようだ。
「えっと、桜も建物の壁に血が付いていることは知っているだろ。そして不思議に感じたと思う。死体はどこだろうって」
「うむ、そう言う事か」
どうやら桜も分かったらしい。
「そう、つまり死体は体育館に運ばれていたってことだな」
「でも、なんで死体を集めてるんだろう」
「ああ、確かにそれは私も気になったところだ」
「うーん、死体を集める理由か……」
俺は少し考えみる。
…… ダメだ、一向に理由が分からない。
とりあえず、もう一度中の様子を確かめて見よう。そう思った俺は、早速、体育館の中を覗いて見る。
「うーん……」
やはりぱっと見た感じだと、床一面の血と死体があるだけのようだ。
次は、どこか不自然な所はないか目を凝らして見てみることにする。すると、血で所々しか見えないが、床に線が引かれている事に気づいた。
床に線か…… 確か体育館に線なんて無かったよな。どうしてこんな線があるんだろう……
そんなことを考えていると、後ろから声を掛けられる。
「うむ、どうしたのだ隼人君?」
「何か見つかったのかい隼人?」
「ああ、実は……」
俺は桜と竜司に、床に線が引いてある事を教えた。
「うーん、線か…… どんな意味があるんだろう」
「うむ、そうであるな……」
竜司と桜もその線に何か意味があるんじゃないかと考えるが、これといった考えは思いつかないようだ。
「ふぅ…… このまま考えても仕方ないな、とりあえずこの事を石田先輩に報告しよう」
「ああ、そうだね」
「うむ、そうするとしよう」
そうして俺達は体育館を離れ、特別講義棟に向かうのだった……
「コン、コン」
「すいません! 開けてください!」
俺は特別講義棟の中に入れてもらう為にドアをノックする。
すると中から声が聞こえてくる。
「ああ! 少し待ってくれ」
どうやら石田先輩の声のようだ。
ドアが開く
「やあ君達か、もう探索は終わったのかい?」
「いえ、実は……」
俺は石田先輩に体育館の事を話す。
「何! それは本当なのか吉田君!」
よほど驚いたのか、石田先輩が大きな声を上げる。
「はい…… 残念な事に……」
「はぁ…… なんて事だ……」
さすがに先輩もショックのようだ。
「ふぅ…… 吉田君、竜司君、夜桜さん、この事を知らせてくれてありがとう、引き続き探索を続けてくれ」
そう言って石田先輩は悲しそうに中に入っていった。
「クソ!」
俺はそんな悲しい先輩の背中を見て心がもやもやしてきた。
そう、これは後悔なのだろう。
あの、たくさんの助けられなかった命の……
そして、俺が昨日の内に大学を全て探索出来ていたら、もう少しこの結果を変えられることが出来たんじゃないのか、その事に対しての……
「隼人……」
「隼人君……」
その声を聞いて後ろを振り返って見る。
……どうやら2人共俺と同じように後悔しているようだ。
「ああ…… もっと強くならなきゃな……」
「うん、そうだね……」
「うむ、そうであるな……」
そうして俺達は新たに決心し、次の探索場所である、売店エリアに向かうのだった……




