表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

ななちゃんと、おねがいのたなばた

七夕ということで、ななちゃんファン様のひな月雨音さまが、ななちゃんのSSをくださいました。

「ただいまぁ」


「あっ、かなしゃんでちゅ」



 お絵描きをしていたななちゃんは、大好きなお姉ちゃんのかなちゃんの声に、ニコニコしながらお出迎えをします。



「なな、ただいま」


「おかえりなしゃい。がっこ、たのちかったでちゅか?」


「うん。今日はね? ななにおみやげがあるんだよ?」


「おみあげぇ?」



 かなちゃんは鞄を開けると、クリアファイルに挟んでいた一枚の紙を取り出しました。



「なんでちゅか? どちてひらひらちてるでちゅ?」



 今日は七夕なので、友達と一緒に、短冊を作ってお願い事を書いたのだと、かなちゃんがお話ししてくれました。



「おねがい? いちだけ、おねがいかくでちゅか?」


「そうだよ。書いたら教えて? あとで一緒にかざろうね」



 ななちゃんは悩みます。


 たくさんたくさん悩みます。



「どうちようかなぁ? おやちゅ、いぱぁいくだしゃいにしゅるかなぁ? おっちいイチゴしゃんくだしゃいにしゅるかなぁ?」



 するとそこへ──



「ただいまぁ」



 パパもお仕事が終わって、帰ってきたようです。


 お出迎えはママがします。



「お帰りなさい。お風呂沸いてるから、ご飯の前に入って来ちゃって?」


「うん。ありがとう。ななぁ? パパと一緒に……」



 ななちゃんはペンを持ち、短冊とにらめっこ中の為、パパの帰宅に気付いていない様子。


 ネクタイを外しながら、パパはななちゃんの背後に歩み寄ると、そのまま抱き上げました。



「さぁ、つかまえたぁ! パパのかわいいお姫様は、何をしていたんだい?」


「あははっ! ぱぁぱっ! ななね? おねがいしゅるのこと、かくでちゅよ?」


「なるほど。短冊にお願い事ねぇ? それで、ななは何をお願いするんだい?」



 ななちゃんの頭をなでながら、パパは続けます。



「パパなら、家族みんなが笑顔でありますようにって、お願いするかな?」


「みんなでちゅか?」


「うん。ママも、かなも、ななもね」



 ななちゃんは、パパのお願いには、ひとつ足りないことがあると気がつきました。



「なな、きめたでちゅ」



 そういうと、持っていたペンで短冊に、スラスラと何かを書き始めました。



「……ん? これは……そうか」



 ななちゃんのお願い、それは──



「ぱぁぱ、まぁま、かなしゃん、なな、みぃんなわらってまちゅ」



 そう──


 まだ文字が書けないななちゃんは、家族4人が手を繋いで、みんなで笑っている絵を描いたのです。



「ぱぁぱのみんなに、ぱぁぱいなかったでちゅ。だからなな、みぃんなかいたでちゅ」



 とっても優しいお願い事に、パパは少しウルっとしてしまい、ななちゃんのことをぎゅうっと抱きしめました。



「ななぁ? 書けたらかざるよぉ」



 画用紙に竹の絵を描いて、かなちゃんが戻ってきました。



「なながペッタンしゅるでちゅ!」



 この優しいお願いは、もう叶っていると、ななちゃん以外の3人は思いましたが、口にする者は誰もいませんでした。



「でちたぁぁ!」



 短冊に描かれた絵のように、4人で並んで手を繋ぐ──


 七夕の夕暮れ時、ななちゃんのお家は、笑顔に溢れています──



「お夕飯のお支度終わるから、はやくお風呂に入ってください!」


「はいでちゅ!」



 元気なお返事をして、手にはお気に入りのおむつを持って、パパの手を引くと、お風呂へと向かうななちゃんでした──



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ