休日
俺は目覚めた。
「あーまた俺意識失ってたんだな。」
想にとってはごくごく当たり前だった。
「今日は休みだったな。課題やったら気晴らしに久々に図書館でも行くか。」
そう言って、想は課題にとりかかった。
課題を手早くすませ想は図書館に行き、いろいろと物色した。
想は本が好きだった。
何故なら、本はどんなジャンルにしろ、その作者の伝えたい内容や思いがあるからである。
物色してると、ふと見覚えがある人影がいた。
そう、美影である。
向こうもこっちに気づいたようでこっちに来た。
「あら、あなたも何か探してるの?」
「うーん。まぁいろいろとな」
「ふーん。にしても、いつも思うけど何であなた人と話すときそう目を話すのかな?」
「何て言うかな。俺自身、人から全く話されることなんてなかったら話し方がよくわかんないんだよ。」
「あっそうなの。あなた結構、好青年のように見えると思ったけどそうじゃなかったんだ。」
「そうだね。元々人が苦手でもあったし、俺なんていうか人の眼中に入ってるかもわかんない、不安定な存在なんだ。」
「なんか悪いこと聞いちゃったね。」
「気にすんなよ。俺自身もこう話しかけて右往左往して、今までになに体験できて嬉しいんだよ。」
「そう、ならよかったよ。」そう言った、美影はまた静かに目を細めて遠くをみるようになったが、すぐに俺の視線に気づいたようで元に戻した。
俺自身も気にはなったが、あまり詮索しないほうが、良いと思いそのままにした。
そのあと、俺と美影は好きな本について討論しあった。
想は美影と別れた帰り道こう思った。
何だろ、彼女といるとすごい楽しくて今までに感じたことのない気持ちになれる。
美影は何故、俺に会おうとしたのか少しわかったかもしれない。
そう、想は思って、人生初の楽しい休日を過ごしたのであった。