少女について
夕方になった。
僕は、昨日彼女に言われた通りの橋へきた。
すでに、彼女はいた。
「あっきてくれたんだ。」
「うん。君のことが気になってね。」
「じゃあ、昨日言った通り私のことについて教えるね。私の名前は美影。」
「え、上の名前はどうしたの?」
「ごめん。いつか教えるときが来るかもしれないし、来ないかもしれない。」
「何だよ、それ。曖昧だな。」
「それよりさーあなたの名前も教えて。」
「あーそうだったな。俺の名前は空也 想だ。」
「へー想って言うんだ。良い名前だね。」
「そんなことより、何でこの橋から俺を見てたんだ?」「そうだったね。それを聞きに来たんだね。分かった教えるよ。なんというか、あなた私に似てる気がしたの。」
「え?どういうことだ。」
「誰からも気づかれず、相手にされない、いるのかさえもわからない。何だかそんな気がしてね、私と似てると思ったの。だからこの橋であなたを見てたの。」
そう言う。彼女の目はどこか寂しげにみえた。
そして、俺は直感でわかった。
この子も俺と同じで過去に何かを抱え込んでるのだと。
そんな、彼女を俺はほっとっけなかった。
だから、俺は意を決して彼女にこう言った。
「なー俺達一緒にいないか?似た物同士一緒にいないか?」
「いいの?私といたら、あなたを不幸にしてしまうかもしれないよ」
「いいさ。不幸なことなんか慣れてるし。」
そう言い、俺は手を差し出した。
それに答えるかのように美影も手をだした。
この出会いこそが、この物語の始まりだ。