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語り手A
荒廃した戦地。そこらじゅうに転がっている敵が味方かわからない死体。
もう争う必要はない。戦争は終わったのだ。ここにあった家の…おそらく家の跡地にあったラジオは、確かにそう言っていた。
僕はこの軍隊で唯一生き残った。
無我夢中で徹底命令を伝えるために走っていた。だが、気がつくと、周りにいた仲間や敵は全員息をしていなかった。
つまり、英雄などではない。
人を殺すことも守ることもしていない。家族や友人の行方も知らない。守り切れなかった、とかではない、普通に知らないのだ。
インタビューでの主人公になるに値しない、凡人以下のカスだ。
主人公になれそうな奴…強いていうなら、訓練で出会った名前も知らない…もしくは忘れたあいつだろうな。
なんか怪我した仲間を見捨てずゴールまで連れて行く、的なことをした奴ではない。あいつはそんなことしない。
だって戦場ではそんなことをしていたら二人とも死ぬ、それを理解していた奴だから。
あいつ、どうなったんだろうな。死んだかな。軍違うからわかんないわ。
あーあ。戻ってもどうせ家ないし、家族も生きてるかわかんないし。
ま、せっかく生き残ったんだし適当に生きるか。




