表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

暗黒教団

孤児だった私が、修道院から暗黒教団に売られたのは幼いころ……。


人々から疎まれる存在である邪教徒は暗黒神ネメシスを崇拝する組織だ。

魔神ネメシスは、このアスガルド大陸の人々に叡智と魔力を授けた存在とされている。


かつてこの大陸では至高神レイアに生贄を捧げることで栄えていた。

血を愛するレイアがこの大陸を創造したのだから、人々が血を捧げることに何の疑念も抱かない。

だが、至高神の従妹である暗黒神ネメシスは人々を哀れみ、知恵を授ける。


そして、人々は何故に愛する者を愛する子を生贄を捧げなくてはいけないのかと疑問を感じる。


憤慨した至高神は暗黒神を地下の闇の世界に幽閉する。

後のその闇の世界は魔界と言われ、暗黒神を崇拝していた人々は暗黒神を救出するべく、地下迷宮を堀っていく。

この地下迷宮が後に魔界への(ダンジョン・オブ)回廊(・ザ・アビス)と呼ばれる。

暗黒神を助け出そうとした人々を彼女は悪魔(デーモン)に転生させ、魔界に住人とした。


暗黒教団はそのネメシス神復活を目的に活動している。

アスガルドの本当の神がネメシスであると信じているからだ。


その暗黒教団の魔導師である私……イングヴェイは神を信じるかといえば、否。

もしも、神がいるなら、このアスガルド大陸は何故に戦争が終わらないのか?

なぜ罪もない子供たちが飢えて餓死し、野盗や軍隊に村を略奪され、攫われた少女たちが蹂躙されるのか?


こんなことなら、私が女神になったほうがいい……。

そんな気がしてならない。


ただ、暗黒教団の唯一の救いは各地の孤児たちを買う。

目的は暗黒の力を宿す戦闘員としてネメシスの使徒を語るのだが、現実問題、子供たちに最低限の衣食住と教育が施される。

それに収入源も合理的である。

戦乱の絶えないアスガルドにおいて、勢力図とは拮抗しないものだ。

必ず偏る。

暗黒教団は地下迷宮で手に入れた豊富な魔石を使い、魔法具の生成に長けているので、劣勢な組織側に魔法武器と戦闘員を提供し、金銭を得る。

劣勢な組織は数こそ劣るが、強力な武器を得て、対等に戦えるようになる。

その魔法武器を優勢な組織も欲しくなるが、そのとき魔法具の相場を5倍~10倍へと跳ね上げる。

教団を死の商人と称する者もいる。


至高神が血を求めるのだから、戦争は正義の名のもとに行われる。



重税で生きていけなくなった農民が領主を殺し、自治権を主張した。

これを撃退するために帝国騎士団が殲滅に向かう。


生産性のない騎士団が自らの命の糧を作り出す農民を討ちに遠征する。

私は思う。

騎士団が勝ったとしても飢えて全滅するだけだ。

農民が勝てば、何も変わらずに人族は繁栄できる。


教団は安価、もしくは糧秣との交換が条件で強力な魔法剣を義勇軍と称する農民らに提供した。

重さのない鉄の剣から、炎を放つ剣、弓矢を無効化する盾まで、あらゆる武具を装備した農民は戦士となり、帝国騎士と渡り合える。


やがて、帝国騎士団との戦いが均衡となりつつ、金銭に余裕のできた義勇軍は教団に魔戦士の派遣を要請する。

私(過程の6番(イングヴェイ))を含め、教団の誇る代表的な魔戦士は7名。

戦士1番目(アレフ)、闇司祭2番目(ベス)、神官戦士3番目(ギメル)、聖戦士4番目(ダレス)、魔剣士5番目(ヘクター)、剣士7番目(ザイン)


教団最強の魔戦士たちが戦場にでるとき……。

それは殺戮の高野と化す。


遠征で疲労のピークである騎士団の駐屯地に夜襲を仕掛ける。

恐らく引くであろうルートに伏兵を配置しておく。

これで当分は騎士団は立て直しに時間がかかるであろう。


殲滅はさせない。

適度に戦いがなくては、教団の魔剣が売れないのだから……。


戦いが終われば、教団は撤退する。

義勇軍が勝とうが、帝国軍が勝とうが教団には関係のないこと。

ただ、決着はさせない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ