庭付一戸建てモフモフ付きへの道 vol.2
~迫る住宅ローンと手弁当~
今日のお昼は手弁当。
今までは現地調達だった。
正直、カツカツ。
今月もあと三日後に迫りくる期限。
そう、住宅ローン引き落とし日。
冒険資金も底をつきそうだ。
やはり、自分にはキツかったか?
土地代も含めて、借りられるだけ借りた。
あの時、日銭を古びた電卓で365倍した。それを更に7倍。
「……これが、あなたの限界です」
メガバンクさんはそう言って、静かに電卓を伏せた。
その言葉を鵜呑みにした。
『限界』の言葉の重みは、直ぐに自分を襲って来た。
今までの資金の自由が明らかに減ったのだ。
金貨を眺めながら、変動金利で助かった。
心の底からそう思っていた。
マイホームに帰ると、庭に見慣れない草が植えられていた。
まさかそれが、噂のあれだとは、その時は気付きもせずに、深い眠りについた。
~自給自足生活始まるよ~
朝一で、妻に自給自足生活の始まりを告げられた。
まさか、あの草が、ただの草じゃなかったなんて思いもよらなかった。
妻はムゲンソウと言っていた。
その意味を理解するのにそんなに時間は掛からなかった。
毎日、弁当にあの草が入っていたのだ。
正に∞(無限)。
~噂の外構工事~
そんな生活にも慣れてきた頃、妻が、そろそろ外構工事がしたいと言って来た。
そう、うちは外構工事がまだだったのだ。
正直、家の価格には外構工事も含まれていると思っていた。
しかし、リバライさんは、外構工事はうちでも出来ますが、別料金です。とハッキリ言ったのだ。
え?うそ!無理無理、モームリ!!
あの時、隣に妻がいなかったら、心の声全開で発狂していただろう。
仕方がない。遂に、この時が来たのだ。
~どこまで出来るか、DIY?~
妻にDIYをする旨を伝えた。
「それしかないわね。」
そう、本当にそれしかなかった。
しかし、思っていた以上に、材料や植木代は嵩んだ。
毎日、敵を倒して日銭を稼ぎ、外構DIYに励んだ。
どれくらい経っただろうか。え?2か月?
結構経っていた。
そして、遂に、外構DIYも終わった。
ホッとしたのも束の間。
あの事件が起きた…
つづく。