君のリズムに

依頼が届いたのは、静かな夜だった。
送られてきたのは、言葉もメロディもない、ひとつのコード進行だけ。
依頼主は、無名ながらも注目されつつあるバンド《Hz.49》。
──「あなたの言葉で、この世界に触れてほしいんです」

音楽に明るくないナズナは、戸惑いながらも言葉を探し始める。
それはまるで、自分の“何か”と向き合うかのような時間だった。

「私は、誰かを助けたい」

そうして生まれたのは、一篇の詩──
“君のリズムに”。