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ナビの5ルートをよく見ると、最後のルートに希望ルートというのがあった。
なんだ、マシなのもあるじゃない。
「じゃあ、希望ルートで。」
「了解シマシタ。希望ルート ニ 沿ッテ 目的地ヘ オ連レ 致シマス。」
それからこのヘンテコなナビは普通のナビの如く、順調に麗しヶ丘公園に向かって誘導していった。
30分ほど運転すると、前方に麗しヶ丘公園が見えてきた。
「麗シヶ丘公園 到着デス。」
私は公園入口横の歩道に車を止めた。
入口近くのベンチに座っていた裕一郎さんは、私に気付いて手を振ってこっちにやって来た。