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「わかったよ。行けばいいんでしょ? どうせ住人から変な顔されるだけなんだから。」
私は車を出て203号室へ向かった。
そのマンションは5階建てで、見た感じ単身者向けのようだった。
小ぎれいで今風な作りだし、入り口にはオシャレな植え込みもあって雰囲気がいい。
私が住みたいくらいだ。
裕一郎につぎ込んだお金があったら、私だってこんなマンションに住めるのに…。
裕一郎の顔が浮かんできてイライラした。
そして203号室の前にきた。
恐る恐るチャイムを押した。
しばらく待ったけど反応は無い。
ホッと安心した。
私はすることをしたのだから、もうナビに何と言われようとも問題無い。
さあ、帰ろう!
と思った瞬間ドアフォンから声がした。




