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鮫口 稜真編

3話目は鮫口君の話です。だんだんと話がつながってきましたね。

てなわけでぜひぜひ見てね!!

「俺は、預言者だ。この世のすべては俺が握っているんだ!!」

鮫口稜真は自分にそう言い続けていた。

昔から自分の言う事を聞かない人間が大っ嫌いだった。

だから俺は預言という力を得たのだ。

予言さえできれば人間をまさに将棋の駒みたいに操作できる。

俺の一言でそいつの人生すらも変えてしまうのだ。

そうだろ、と俺は肩あたりにいるはずの「そいつ」に笑顔で言った。

この能力が使えるようになったのはホントにいつの間にかだった。

子供のころにテレビを見ているといきなり

「明日ね、鮫口三郎さんが海におぼれて死んじゃうよ、たくさん思い出作らなくていいの?」

甲高いまるでネバーランドの住人のような男の子の声がした。

そして、いきなり叔父の名前を呼ばれ俺は驚いた。

「どこにいるの?ねぇねぇ、君は誰なの?」

まだガキだった俺はそいつの正体が気になった。

ただ、「そいつ」はどこにもいなかった。

存在を探した割には全くその言葉を信じなかった。俺の叔父はどちらかというと部屋で囲碁や将棋なんかをするタイプの人間だからだ。

「なんだ、空耳か」

そうつぶやいた次の日、叔父は子供を助けようとして海に飛び込んだがその場でおぼれ死んだ。

「ねぇねぇ、だから言ったでしょ?話聞かないからこうなるんだよ」

また甲高い男の子の声だ。その声はまるで自分の予言で人が死んだのにもかかわらず

楽しそうな感じの声だった。

「お前!!お前のせいでおじいちゃんは死んだんだ。それなのにのんきにのこのこ出てきやがって」

「ん?それはおかしいな。僕はただ予言をしただけ、別に呪いの呪文をかけたわけじゃないよ?そこははき違えちゃダメでしょ」

それでも奴が憎かった。目で見えもしないやつに自分の人生を遊ばれているようで

それからというもの、時々だがその予言が来るようになった。

しかも俺の周りの人間がその予言の通りに死んでいった。

ある日は、ずっとつるんでいた親友が・・・そしてまたある日は、俺を大事に育ててくれたおやじも・・・

そのたびに「そいつ」は自分に言い続ける

「ねぇねぇ、未来がわかるってすごくいいことだよね!!!まるで自分の思い通りになる脚本家とかそんな感じで、人の一生をのぞき見できるって最高だよね」

最高?何が最高なんだ!!!

なんで俺だけがこうやって苦しい思いをしないといけないんだよ、助けられなくてむなしい思いをしないといけないんだよ。

そんなある日、不可解なことが起きた。

いつものように「そいつ」からの予言が来た

「今日はね、滝川隆二君が死んじゃうよ死に方は・・・僕にもわからないけどね」

その言葉に少し違和感を感じた。普段なら入りもしない死に方ですら教えてくるにもかかわらず今日は教えてくれなかった。まぁいいや、滝川隆二なんて別に死んでもいいや。あんな奴いてもいなくても当然だからな。

そんな気分で学校に行った、そして普段となんら変わりもない一日を送った。

そう、普段となんら変わらない一日だ。滝川隆二が死ななかったのだ。

「あれあれ、おっかしなぁ僕の予言が外れるわけないのになぁ」

「そいつ」ですら少し焦ってていたような気がした。

「いいんじゃね、別に誰にだってミスあるし」

俺はそういって適当に促した。

次の日、そいつの予言がまた来た。二日連続で来るのはホントに珍しかった

「今日はね・・・滝川隆二が死んじゃうよ」

・・・はぁ?おかしいだろ二日連続でなんであいつの予言が出るんだよ。

「お前、俺で遊んでんじゃねーだろうな」

「遊んでない遊んでない!!ホントに出たんだよ。僕だってびっくりしてる」

そして、学校に行って今日も何気ない日常を送った。そう、また何気ない日常なのだ。

その次の日も、またその次の日もずっとおんなじ予言、そして何の変哲もない日常。

だんだん俺の怒りは「そいつ」にではなく滝川隆二に向けるようになった。

それからというもの小学校、中学校、高校と永遠にいじめをするようになっていた。

金魚の糞のようについてくるあいつが腹立たしくて仕方なかった。

そして自分の予言を唯一外す存在としてホントに許せなかった。

そして、高校を卒業をして俺はアルバイトを始めた。隆二と真里菜は医学系の大学に行くようになった。

予言の力は全然衰えることもなく「そいつ」はまだ俺の背後にいた。

「ねぇねぇ!!!今日は久しぶりに滝川隆二が死ぬって予言が来たよ!!!」

いきなりだったが、ホントに久しぶりの予言に正直飽き飽きしていた。

「んで?どうせ死なないんだろ?そんなオチわかってんだよ」

「違うんだよ!!!今回はビルから飛び降りて死ぬっていう予言がちゃんと出たんだよ!!」

ほう、死に方まで予言されたのは初めてだ。

「もう一人、林真里菜も死んじゃうみたいだねぇ」

あのくそお嬢様も死ぬのか。ほうほう、これは面白いことになった

「それにねそれにね!!!いろんな情報教えてあげるよ・・・」

ほうほう、なるほどなるほど最高だねこれは久しぶりに楽しいことが起きそうだ!!

俺はその情報を聞いてわざと林真里菜とばったり会うように演出した。

「よう~ひっさしぶりだなぁ。元気にしてたか?てか、聞いたぜ、お前あのくそ隆一と付き合ってんだってな。はははははは、前々から思ってたけどお前って変な奴だよなまったく」

林真里菜を見つけて話しかけてやった、それなのに無視しやがった。

「うわ、避けるとかまじないわ、幼馴染だろ?もう少し仲良くしてよぉ」

「いい加減にして、私はあんたみたいな男好きじゃないから」

っち、俺様に対してその態度はなんだよ。俺は、最強の予言者で今から滝川隆二と一緒にお前は死ぬんだよ。

「いつか、絶対後悔するぜお前。俺が予言しといてやるよ」

そうやって俺は決め台詞を放ってやった

「私の人生で後悔なんてしない。だって私は幸せな人生を送っているからね」

・・・はぁ?なんだこの女。頭湧いてんじゃねーのか?

そんな思いをしながら俺はその場を去った。

そして、案の定その夜滝川隆二と林真里菜が喧嘩して今から滝川隆二がビルから落ちようとしているようだ。そんな情報も「そいつ」から聞いた。

一応メールしてやろうか。よーし、最高のショウを見るためにちょっくらビルに行きましょうか。そう思うと俺はすぐさまビルへといった。

ビルにつくと二人ともが何かを言い合っていた。はいはい、早く落ちて死ねよ。

そう思っていると、二人は抱きついていた。なんだそれ、もしかして落ちないのか?

ふざけやがって、また俺の予言が失敗か!!!!

そう思った途端、二人は誰かに突き落とされた。

きゃああああああああああという悲鳴とともに二つの肉の塊はビルの下に落ちて行った。

あはははははははははははははは、滑稽だよ滑稽!!!!やっぱり予言ってのは最高だよ!!自分の思い通りまさに脚本家。こんな素晴らしいことないよ。

最高な気分で俺はその場を後にした。

次の日、また「そいつ」の予言が来た。

「今日はね・・・林真里菜さんが死んじゃうね」

・・・はぁ?昨日死んだ人間がなんで予言で出てくるんだよ!!

まさかあのくそお嬢様生きてやがったのか

「おいてめーあいつは今度はどんな死に方するんだ!!」

「えっとね・・・ごめんわからない」

ふざけてやがる、ふざけてやがるよ!!!!!そんなの俺がゆるさねぇ!!絶対殺してやる、脚本を捻じ曲げさせるわけにはいかねぇ!!!!

「ちなみに、今林真里菜は徳秦病院にいるみたいだよーーまぁそのあと君がどうするかは知らないけどね」

もちろん行ってやるよ。絶対俺がこの手で殺してやるよ。

俺は急いで病院に向かった。病院に着くとすぐさま真里菜が入院している部屋を教えてもらいその部屋に向かった。その途中、誰かにぶつかった。

「いって・・・てめぇ!!どこ見て歩いてんだ。」

「す、すみません。その、けがとかありませんか?」

かなり紳士的な奴だな。

「いや、別にないけどほらここ病院だし気をつけろよ」

「すみません、急いでいたんで」

そういうと紳士的な男はその場を走って逃げた。なんだったんだろうあいつ、意味が分からんそう思うと俺はすぐさま林真里菜のところに行った。

紹介された部屋の前に着いた。さて、とりあえず中に入ろう。

そしてドアを開けると・・・想像していたよりもえげつなく生臭い部屋がそこにはあった。

ベットの上に血だらけの真里菜。壁や床には血だまり。最悪の部屋であった。

「おい・・・なんだよこれ」

「その声は・・・稜真・・・お願い・・・たすけて」

こいつ、こんなことになってんのにまだ生きてんのかよ

「悪いな、俺はお前を殺すために来たんだよ」

そういうと俺は林真里菜の首にある血管を思いっきりナイフで切りつけた。

「ぎゃああああああああいたいいたいたいいたい」

「じゃぁな、頭まで幸せだったくそお嬢様」

そういうと急いで俺はその場を後にした。

その後、林真里菜はあの病院で死んだ。警察は犯人を捜しているがまだ見つかっていないようだ。そして俺は新しい仕事を始めた。そう、「予言屋」だ。いわば占い師だが、俺の予言は100%あたる。なんせもう俺の脚本を捻じ曲げるような奴はいないもんな。

そして、巷でこの予言屋が大流行し、今じゃ俺はかなりの有名人だ。

俺の一言で世界が騒然とする、国が動く。最高だよ!!これが俺が求めていた理想郷だ。

「おい、今日は誰が死ぬんだ?どっかの大統領か?それとも有名人の誰かか?」

「うん、かなりの有名人だよ名前は・・・」

「ふーん、ついに死ぬんだな」

そういうといつものように俺はテレビ局へ向かい放送を始めた。そして俺はこんなことを話し出した。

「えーみなさま、今日は大事な話があります。この予言が最後になります。大統領や政治家、有名人なんかの予言をしてきましたが、それも今日で終わりです。なぜなら・・・」

あたりが俺の発言で右往左往しているときに俺はこう言い放った

「なぜなら、今から僕は死んじゃうから」

そういうと、いきなり何者かに背後から鋭利なもので刺された。そして、俺はその場に倒れこんだ。

あぁ、これが、俺の求めていた最高の脚本なんだな。


さて、前回までと少しまた変わった話ですね。

4話も張りますのでぜひぜひみてください!!

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