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12月23日〜12月31日

ーー12月23日ーーー今日は朝から腰が痛い…どす黒い鼻血が止まらない、幸子が心配そうに見ていたよ。俺のことをまだ胃潰瘍と思っている………まぁ俺にとってはそう思ってくれた方が助かるが………


今日別れを言うつもりだったが、言えなかった……言わなきゃいけないよな………言わなきゃ…なぁ…



ーー12月24日ーーークリスマスイブ…………俺は幸子に別れを告げた、俺は最低な男だ。

俺がいった言葉

「おまえとは全て遊びだった、もうおまえとは会えない」…………

幸子は泣いていたよ

「酷い…本気だったのに…どうして……」って。

俺だって本当の事言いたかったさ!でも本当のこと言うと幸子はずっと俺のそばにいるだろ?俺が死んでも俺の事を思い続けるだろ?幸子はそんな女だ………………

だから俺の事を嫌ってほしかった、最低な男と思ってほしかった………

俺の事は忘れてくれ、おまえには未来があるんだ。幸せになってくれ。未来のない俺なんか早く忘れてくれ………


ごめんな、幸子……



ーー12月25日ーーークリスマス………かぁ。去年のクリスマスは幸子と楽しかったな…………映画見て、フレンチ食べて、朝まで一緒にいたなぁ。あの頃に戻りて〜なぁ………

でも何年振りかな家族と過ごすクリスマスって…でも俺にとって最後のクリスマス…………………幸子…どうしてっかな?あいつも家族でクリスマス過ごしてるんかなぁ〜会いたいな……幸子に。



ーー12月26日ーーー朝、幸子から電話があった俺の事が忘れられないらしく別れないでほしい…と言っていた。俺はいったよ

「もう電話すんな目障りなんだよブス!」……て。すぐに電話が切れた。

こりゃ完全に嫌われたな……それでいい。正月まで生きれるかな?



ーー12月27日ーーー鼻血が止まらない………体を動かすたびに激痛が走る…今こうして日記を書いてるのも辛い、もう日記を書く事は無理かもしれない…………


俺の人生は幸せだった…幸せな家族の元に生まれ一流大学まで行かせてもらった…これから、これから親孝行できると思ったのに。お母さん、お父さん親より先に死んでいく息子でごめんなさい。本当にごめんなさい……



ーー12月28日ーーーどんどん痛みが増してくる…辛くてたまらない。もうすぐ俺は死ぬんだな?短かったけど、とっても幸せな人生だった……でも1つ気掛かりな事がある、幸子のことだ……あいつに一言

「ありがとう」と言いたい。

「幸せになれ」と言いたい……出来るならあの小柄な体をギュッと抱きしめたい。

かわいい唇にキスをしたい…………

出来るならずっとそばにいてほしい。



ーー12月29日ーーー目が霞んでくる……胸が焼けるようにいたい…


痛い…痛い…痛い。



ーー12月30日ーーー俺は朝、血を吐いた……看護婦が慌てていたよ…俺は………

俺は………

俺は………



ーー12月31日ーーー大晦日………俺はもうだめだ…何となく分かるんだ俺は今日死ぬ…………幸子……俺の事はもう忘れられたか?

もしまだ俺の事を思ってるならだめだぞ…………早く忘れていい男見つけるんだ。そして幸せになるんだ。それが俺の最後の望みだ…

でも…でも…最後におまえの顔を一目見たかった………

愛しているよ幸子…


そして、お母さん、お父さん俺を生んでくれてありがとう。あなた達の息子で幸せでした…………

こんな息子ですが最後の望みを聞いてください、この日記を読んだら燃やしてほしいのです………そして幸子には私が死んだことは言わないでください…お願いします。


私はあいつの幸せだけ願っています。心配かけたくないのです………


では、お体に気をつけて


さようなら

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