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         2 転移陣

 永続的に水不足を解消するには転移陣を置くのがいい。水源に起点を池にするところを終点にして水を供給する。

            2  転移陣


 方法は決まった。アレンとマリエールは湖に起点の転移陣を置き

西の窪みに終点の転移陣を置き機動した。思った通り幾ら湖から水が流れ込んでも水は溜まらない。アレンとマリエールはこれまで通り、湖から水をアイテムボックスに入れ、池や樽に水を溜める。アレンは魔獣討伐だ。これで問題は解決するのだろうかと焦る気持ちはある。マリエールはアレンに、

「大丈夫よね。」

と弱音を吐く。するとアレンは、

「大丈夫さ。池の時だって長くかかったじゃないか。今度だって同じさ。今度は少し長くかかっているが、無限じゃない。もう直ぐに水が溜まるさ。」

こんな会話を何度繰り返しただろう。マリエールにもう駄目だという気持ちが芽生えた事は何度あっただろう。何度かの絶望感を味わった後だった。

「水が溜まり出した。」

という連絡を受けた。

 マリエールは転生者である。大学病院にいる研修医である。間もなく研修が終わる26歳、8歳のマリエールに転生した。お互いの死因は感染症、共にワクチンが無かったのが死に繋がったのだろうか。転生特典として多くの魔法を得た。死んだマリエールも前世の研修医も努力を惜しまなかった。天は自ら助くる者を助くである。努力なくして成功はない。お互い死んでしまったが尚努力を惜しむつもりはない。必ず領地を豊かにする。死ぬ前のマリエールも魔法が使えた。私が転生して来ていきなり魔法を使えるようになったのではない。努力も惜しまなかった。努力の末に今のマリエールがいると分かっている。

 アレンは、マリエールに

「長かったな。」

マリエールは、

「本当にね。」

マリエール12歳、アレン15歳の出来事だ。この時から男爵家は成長期に入る。後に東の辺境伯と呼ばれるアレンの若き日の出来事である。

 この出来事が男爵に野望を抱かせる。どんどん転移陣を作っていけば男爵領は豊かな領地になるだろうと。発想それ自体可怪しな事ではない。領民を思ってそれをいうならば間違っていないだろう。しかし男爵のそれは領民を思ってどんどん転移陣を作っていこうと思ったわけではない。金銭欲と爵位を考えて望んだ事だ。

 男爵はアレンとマリエールを呼んだ。男爵は、

「この度の働き見事であった。これで領民は水不足に苦しむ心配がないだろう。更に転移陣を増やせばより領民の暮らしが豊かになると思うがどうだろう。」

それ対してマリエールは、

「同じところを起点とすると将来的に起点となる水源が枯渇する恐れがあります。起点となる水源を別の場所を探すべきだと愚考します。終点もどこが適切かを検討する必要があります。」

アレンも、

「現在の転移陣がどう推移するかを見極め、その上で決定すべき事だと思います。早急な判断は慎むべきでしょう。」

男爵は2人の慎重論が気にいらない。

「とは言え、領民の思いはどうだろう。現状水不足が解消されただけだ。若者がこの地を離れるのはこの地に魅力を感じないからではないか。もっと転移陣を増やせば魅力を感じるのではないか。」

男爵はそう言った。

 転移陣の成功で村人の水不足は解消された。男爵は転移陣を多く作れば領地は豊かになると考えた。アレンとマリエールは慎重だった。

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